死んだ町に居座る適合者
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仮想19世期末。
世界を終焉へと導く千年伯爵と、イノセンスの戦争の真っ只中。
アレンが奏者の資格を持つ14番目として疑惑をかけられつつも任務に行ってる間、ミランダとクロウ リーがコムイ室長に呼ばれた。
「コムイ、任務であるか?」
「私にできることだといいのだけど」
教団の空気は暗い。
スーマンの裏切りによる人員の大幅削減、江戸での激戦、悪魔の製造プラントである卵破壊とレベル4の襲撃。
黒の教団引っ越し後、クロス元帥の謎の失踪。
現在動けるエクソシストの中でも、古参組に入りつつある2人にコムイは指令を出した。
「実はね、君達が江戸での戦い間に、他の地区から上がってきてた報告で、新しいエクソシストが発見された情報が入ってたんだよね」
コムイはいつも通り書類に埋もれながら話す。
「新しいエクソシストであるか?」
「私、道に迷わないかしら?」
「今は各支部に、アレンくんが各地に繋でくれたゲートがあるから移動はそんなに心配ないよ。問題は適合者の説得なんだ」
「説得、であるか?」
「ファインダーからの情報だと、今から2人に行ってもらう町にはレベル2のアクマが何度も襲撃しているらしい。教団より先にイノセンスの回収が目的だろう。しかしそれらのアクマは全て撃破され続けているみたいでね。適合者の可能性が高い。ラビとブックマン、神田くんの属してるティエドール元帥にも別任務の道すがら立ち寄ってもらって説得を試みたんだけどね。全くもって町から出ようとしないんだよねぇ」
コムイは盛大にため息をついた。
彼は今にも倒れそうな書類の山の間で、ペンを走らせている。
「そんなに強い方なのに、どうして町を出ないんでしょう?」
「その理由を突き止めて仲間としてホームに連れてくるのが、今回の君たちの任務だよ。クロウリーもミランダも、みんなに会えてエクソシストになっただろ?今度は2人が仲間を連れてくる番ってことだね」
ミランダの問いに、視線を上げて和かに笑うコムイ。
「わかったである。行くである。ミランダ」
「でも、私闘えないわ、足手纏いになるんじゃ...」
「これは現地のファインダーの情報でしかないけどね、今回の適合者は理解者を求めてるみたいなんだ。心に深い傷を負っている。君達も身に覚えがあるんじゃないのかな?」
「心の傷…」
「ミランダ、行くである。今は少しでも一緒に戦ってくれる仲間が必要である。共に強くなれる仲間が」
「クロウリーさん」
エをクソシストになる前の彼からは想像できなかった凛々しい覚悟を決めたクロウ リーを見て、ミランダも決意する。
(私も、もっと役に立ちたい)
「現地のファインダーには、2人がいくことを伝えてあるから、ゲートを通ったら合流してほしい。レベル2とはいえ群れてこられると厄介だ。ミランダのイノセンスは貴重な上に、負荷も大きい。十分気をつけるように」
「わかったである」
「じゃぁ、行ってきますね」
2人が室長室を後にして、入れ替わりにリーバー班長がコーヒーと書類の山を持ってきた。
「大丈夫なんですか?あの2人だけで」
「2人も強くなったよ。江戸での戦いを経て、ノアと戦って。守りたい思いの強さを誰よりもわかってる2人だ。今はエクソシストが不足してる。少しでも人員補給しておかないと」
「とか言ってこの報告資料、アレン達が江戸にいた合間にあがってきてたでしょ! もっと早く仕事してくださいよ〜」
「えぇ〜だってぇ、僕1人しか室長いないのにこんなにたくさん目を通せるわけないじゃないか!」
「コムリン作る時間あるなら、これ全部ハンコお願いしますね!…クロウリー、コムビタンD事件の後何も後遺症残ってないといいけど」
コムイの机に新たな書類の山をドンと置いたリーバー班長の心配は、のちに的中することになった。