まさかの・・・
夢小説設定
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悟浄「今この状況で、その意味だと思うわけ?」
悟空「八戒、俺、早く戻りたい。みんな一緒の状況になったら解決するかもしれないじゃんか!」
悟空が駆けだす。
女性体になっても運動能力は変わりないようで、悟空と八戒の距離は一気に縮まる。
八戒は咄嗟に姿鏡の右手に回って、直線状のラインから外れるも、悟空も足首の捻りをうまく生かして、すぐに態勢を立て直し、すぐに八戒にダイブした。
悟空「てぃやぁあ!」
八戒「おわっ!!」
悟空の勢いの良いダイブを一応女性なので躱すわけにも行かず、受け止めて倒れる八戒。
ある意味、過去に彼女がいたが故に、紳士的な態度を取ってしまったのが今回裏目に出た。
悟浄「よし、悟空よくやった!戻って来ていいぞ!」
だぼついた服を着た女の子悟浄が、姿鏡を八戒の方に回転させて、本人の反応を待つ。
八戒「いたたっ、悟空、飛び込み強すぎですよぉ」
八戒の声も女性の物に変わっている。
外見の変化は、悟空が八戒から離れて、八戒自身が姿鏡で確認することになった。
八戒「・・・花、喃?」
彼が目にしたのは、片眼鏡と髪形と服装さえ違えど、昔の恋人そのままの姿であった。
悟浄「八戒の姉貴ってそんな体型だったんだ。いい女じゃんよ」
嫉妬からなのか、悟浄が姿鏡の後ろに姿を隠す。
三蔵「で、これで全員女になったわけだが、状況は改善しないな」
八戒「むしろ、貴方達の所為で僕まで被害にあって余計面倒な状況になってることに変わりはありませんね」
ため息交じりに言葉を吐き出す八戒だが、自分が女体化すると双子の姉そっくりになると言う事実に打ちのめされたかのような絶望が含まれている。
悟浄「お~い、劇団ひとりー!これがお前の狙いか」
雀呂「劇団ひとり言うな!これで貴様らの戦力も大幅に削られたことだろう。あとは、俺様の幻術で貴様らを陥れるのは容易いわ!」
八戒「僕達を侮らないでほしいですね。女性化した程度で戦力が減るなんて、ご自身の身で確認しては如何ですか」!
ニッコリ笑顔を浮かべつつも、八戒は初めの立ち位置に駆け足で戻り、確か雀呂が居た辺りに気功を放つ。
雀呂「どわっ!っぶな!なぜこちらの位置が分かった!」
八戒「大体の声と音の位置から、初期位置から動いていないものと観測したんですけどね。意外と当たってたみたいですね」
ニッコリ爽やか笑顔で言う八戒の言葉に怒気は含まれていないが、長い時間共にいる一行は、確実に八戒が怒っていることに気づいている。
悟浄「ちょーとやりすぎちゃったかしら?」
八戒「悟浄、その姿でも錫杖は出せるでしょう!辺り一面、一掃してください」
鏡の後ろに丸く隠れる悟浄に対して、八戒から指示が飛ぶ。
悟浄「あー、出せなくはないけどよ?この身長だし、お前ら全員屈んでてもらわないと下手な所に当たるかもよ?」
八戒「屈めばいいんですね。悟空、三蔵。伏せていてくださいね。悟浄、相手の居場所割り出して一気にここから出ますよ。女体化したままの旅なんて御免です」
悟浄「あのー、八戒さん?さっきから怒り過ぎでない?」
一応、悟浄は指示に従って錫杖を出し、両手の袖で隠れてしまっている手に握ってはいる。
八戒「だって、金髪の女性最高僧に、ぺちゃぱいチビギャルに、チビのヘビースモーカーの赤い髪の女の子の世話をしながら、花喃の体で旅を続けるなんて、僕にできるわけがないでしょう?」
特上の笑顔でさりげなくメンバーの現状を整理する八戒がとても恐ろしく感じられた3人である。
とにかく、八戒を女にしたのは間違いだったようだ。
ここは大人しく彼の指示に従って行動して、とっとと雀呂に術を解かせないと、これ以上まずいことになる。
三人は目配せして互いの状況を把握し合い、八戒が屈んだのに合わせて、悟空、三蔵も伏せて、悟浄は鏡の後ろから前に回り、小さくなってしまった体を精一杯動かして、錫杖を振る。
悟浄「とっとと、出てきやがれ、このエセ幻術師!」
シャララララララと長く錫杖が周囲に円を描いて伸びて、何かに巻き付いてザクリと地面に刺さった音がした。
雀呂「なっ!!今度はなんだ!」
声から察して雀呂を確保したことを確認し、暗闇の中、錫杖を引っ張ってみれば、錫杖の鎖部分が片足に巻き付いた雀呂が暗闇の中に現れる。
雀呂は片足に錫杖が巻き付いたままで、上半身は自由に動かせるのだが、女体化した一行に囲まれて固まる。
三蔵「おい、分かってんだろうなぁ?」
八戒「三蔵、殺したら戻り方分からなくなるんで、勘弁してくださいね」
三蔵「んなこたぁ分かってる」
言いながら、袖口から三蔵はお得意のハリセンを取り出す。
悟空「俺、早く戻りてーよぉ」
そう言いながらも、悟空の手には如意棒が握られている。
悟浄「それは俺様だって同じだ!けどよ、その前にやることあるよな、なぁ、八戒?」
片手に錫杖を持ち直した悟浄が八戒に話を振る。
それに対して、八戒は雀呂に極上の笑みを向けて言葉を発する。
八戒「えぇ、もちろん。僕達をこんな姿にした落とし前はきっちり精算してもらいますよ♪」
その言葉を合図に一行の一方的な暴力が始まる。
三蔵はハリセンで、悟空は如意棒で、八戒と悟浄は足で雀呂を痛めつけ、一通り怪我をしてない部分がない状態まで追い込んでから、元に戻る方法を聞き出しにかかる一行である。
悟空「あー、なんか、すっきりした!」
悟浄「まだ安心できないだろうがバカ猿!おい、三蔵!」
三蔵「俺に指図するな。おい、5秒以内にこの状態を解除しなかったら、撃つ」
ガチャリと拳銃の安全装置が外されて雀呂に向けられる。