まさかの・・・
夢小説設定
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天竺国目指して、今日も西へと向かう玄奘三蔵一行。
現在は、ジープで森の中の悪路をガタゴトと走行していた。
悟浄「なぁ、八戒、この悪路、どこまで続くわけよ」
悟空「あー、俺、腹減ったぁ!」
三蔵「うるせぇよ、バカ猿。黙ってろ」
さすがの悪路のため、三蔵も振り向いてのハリセンや発砲はしない。
八戒「この森、それなりに深いみたいなんですよねぇ。途中川があるみたいで、そこに出たら休憩しましょうか」
三人の不満を爽やか笑顔で受け流して、八戒は運転を続ける。
そんな中ふと、どこからか声がする。
???「ふははははは、やっと見つけたぞ!三蔵一行!」
声と共に、木々の中からジープ前方に飛び降りる人物の影があり、八戒は慌てて轢かない様に急ブレーキを踏んだ。
ジープは謎の人物の本当に10センチ程手前で止まり、声を上げて降りてきた人物は堂々とジープのボンネットに手を乗せる。
???「久しいな、三蔵一行!」
謎の人物は上半身裸の上にノースリーブの黒コートをはだけさせて、煤けた金髪の尖った耳と爪を持つ妖怪だった。
悟空「あれ、お前、どっかで会わなかったけ?」
悟浄「悟空、知り合いか?てか、俺様もどっかで会ってる気がするんだけどなぁ。なぁんか思い出せない感じ?」
三蔵「・・・面倒なのが来やがった」
八戒「えーと、確か、幻術使いさん、でしたっけ?」
???「雀呂だ、雀呂!貴様らをあと、1歩の所まで幻術で陥れた雀呂様だ!」
雀呂はダンダンとジープのボンネットを叩きながら、自身の存在を一行に思い出させようと抗議する。
悟浄「あー、劇団ひとりか」
悟空「そんな奴いたっけ?」
八戒「そう言えばあの時は悟空いませんでしたっけ?」
三蔵「あの時は世話になったな。音速で死ね」
ガチャリと安全装置の外れる音がして、三蔵が雀呂の眉間に拳銃の照準を合わせる。
雀呂「ふん、前までの俺様だと思うなよ。あれから鍛錬を続けて、俺様は新しい術を会得したのだ!そして、すでに貴様らは俺様の術中にいる!」
八戒「それはどういうことでしょう?確か貴方の幻術は目を見ることでしたよね?確かに今僕らは貴方と視線は交しましたけど、周囲の風景に変化はありませんね」
八戒が雀呂の宣言に一行を代表して疑問符を浮かべる。
雀呂「ショータイムはこれからだ」
雀呂はパチンと右手で音を鳴らせば、彼の姿も消えて、周囲が暗転する。
それを危険と感じ取った一行は、ジープをドラゴン型に戻して、臨戦態勢で互いに背を合わせた状態を取る。
悟浄「おいおい、真っ暗じゃねーか。これじゃ俺ら自身も見えねーな。間違って撃たないでくれよ?三蔵様」
三蔵「るせーよ、エロ河童」
悟浄「ん?三蔵、声、おかしくね?なんか、女の子っぽい」
三蔵「は?何言ってんだ?耄碌したか」
悟空「え、でも、俺も三蔵の声、いつもと違く聞こえるよ?それに三蔵、ちょっと身長低くなった?」
三蔵「ぁあ?なんだと?」
三蔵の声の違いに一行は疑問符を浮かべている。
悟空は三蔵の左手側にいたが、日頃は頭一つ違う身長差があるはずなのだが、肩の少し上あたりに、三蔵の顎があるような気がしていた。
悟空「俺の勘違いじゃなかったらいいんだけど、ちょっと確かめさせて」
意を決して悟空の手が三蔵の肩に触れる。
いつもの位置よりも明らかに低く、感触が男の肩ではなくて、悟空は三蔵の肩の異変に妙な違和感を覚える。
悟空「三蔵、声だけじゃなくて、肩の高さとかなんか、柔らかさとかも違げーよ?なんつーか、なで肩っぽいし、いつもより柔らかい?服とかすぐ脱がせられちゃいそうなくらい緩くなってるし。おい、雀呂~、ちょっとは明かり寄越せよ!」
悟浄「悟空から服脱がせられそうとかヤラシイ言葉聞けるとは思わなかったわ。てかマジで明かりは欲しいな。おい、劇団ひとり!スポットライトでも何でもいいから明かり寄越せや!」
雀呂「ふふん、よかろう。俺様の見事な術をじっくりその目で見るがいい!」
パチンとまたどこかで指を鳴らす音が響けば、三蔵に向けてスポットライトが当てられた。
光を得たことで4人は背面での臨戦態勢を解いて、三蔵の方を見る。
そして、三人して目の前の光景に絶句する。
三蔵「なんだ。全員、黙り込んで。なんか、言ったらどうなんだ」
三人の無言に耐え切れなくなった三蔵が、いつもの口調で無愛想に告げる。
それに、勇気を振り絞って声を出したのは、八戒だった。
八戒「・・・・これは、名づければ女体化の術とでもいうんですかねぇ」
三蔵「女体化?つまり、俺が女になってると」
八戒「少なくとも、僕らにはそう見えてます。そうですよね、悟浄?」
悟浄「上から、86、60、94ってとこか?てか、マジ物?悟空、ちょっと三蔵を後ろから押さえてろ」
悟空「え、そんなことしていいの?俺、ちょっと怖いんだけど」
悟浄「鏡がないんだから、マジで女になってんのか確かめるためには、やっぱ触るしかねーだろ?」
三蔵「おい、エロ河童。俺に触ろうなんざ、百年早ぇーよ。おい、雀呂!鏡くらい出しやがれ!」
いつもより高い声で三蔵が叫ぶ。
雀呂「えぇい、注文が多い奴らだな。仕方ない、ほれ」
またもや、パチンと音がして、三蔵の目の前にキャスター付きの姿鏡が現れる。