村娘の囁かなる恋心
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一行は翌日の朝、旅の荷物を調達しに外出した。
入れ替わりに、啾が厨房に戻ってジープ用のスープを作り、帰りがけに修繕業者に電話連絡を入れて、襲撃された厨房の修繕を依頼する。
部屋に入れば、残されたジープが頭をもたげて朝食を待っていた。
「お待たせドラゴンさん。今日は卵スープだけど飲めるかしら?」
言いながら注射器にスープを入れて小さな口へと先端を運ぶ。
ジープは自らの力で注射器に吸い付いて食事を取る。
「ふふ、ドラゴンさんだいぶ、元気になってるみたいね。ちょっと触らせてね?」
そっとジープの羽に触れれば、爬虫類特有のひんやりとした冷たさが啾の肌に伝わる。
「熱中症だと聞いたけれど、少し寒いかしらね?ちゃんと毛布掛けておくわね」
ジープの食事を終えて一階に降りて来る頃にちょうど修繕業者が到着する。
食器を片づけるついでに、厨房に案内して窓など壊れてしまったものを修繕してもらった。
一方その頃の三蔵一行は食事を終えて、旅路に必要な物品の買い出しと昨夜壊れた皿の補充を行っていた。
「さすがに、大量の皿の購入となると荷物がガサバりますねぇ」
「そういうてめぇは、ろくなもん、持ってねーじゃねぇか」
「嫌だなぁ、僕だって旅路に必要な物持ってますよ?身長もあって力持ちな悟浄と悟空にお皿は持って貰ってますが。ほら、三蔵にも今日は荷物持って貰ってるじゃないですか」
八戒の言う通り、今日は四人揃って荷物持ちだ。
悟空と悟浄は大量の皿や食器類。
三蔵と八戒は、旅に必要な食糧や地図や煙草がメインだ。
「なぁ、啾の話だと、厨房に修繕入れてるんだろ?そろそろ戻って様子見ようぜ?あんまり、女の子と一般人だけにしとくの危ないって」
荷物の重さに耐えかねたのか悟浄が根を上げる。
「俺も同感。早く戻って、啾の飯がくいてぇ」
「役立たず共が」
「まぁまぁ、三蔵。一通り買い物も済みましたし、戻りましょう」
「チッ、そうだな」
両手が荷物で埋まっているため拳銃もハリセンも出せない三蔵は八戒の意見に従い、一行は素直に宿屋に帰還することとなった。
修繕屋が帰ると同時に戻ってきた一行を啾が迎える。
「あ、皆さん。お帰りなさい。今、修繕も終わった所なので、お昼からはまたこちらでお料理食べれますよ。ドラゴンさんも元気に朝ご飯食べてました。今は冷えすぎないように毛布をかけて、クーラーを念のため送風で回してます」
「何から何までありがとうございます。悟浄、悟空。お皿の収納お願いします。啾さん悪いんですけど、お皿の収納場所など指示を出してもらってもいいですか?僕らは自分達の旅路の荷物を片づけたらそちらに合流します」
「お客様に何から何までさせてすみません。でも男手があると助かります」
ぺこりと頭を下げて、こちらですと悟浄と悟空を厨房の方に案内して姿を消す。
三蔵達も自分達の旅路に必要な荷物を終いに部屋へと戻る。
「ジープ、元気にしてましたか?」
「きゅきゅーい」
昨日よりもずっと元気のある声でジープが答える。
だいぶ回復してきているらしい。
「ジープ、だいぶ元気になったみたいですね。明日には行けそうですか?」
「きゅー!」
力強いジープの声に笑顔を見せて三蔵に声をかける。
「三蔵、明日には出発できそうですよ」
「そうか、念のため、今日も一泊するぞ。次の町まではまだ距離がある。ジープには万全で居てもらわねばならん」
「ですね。ジープ。もう一日ゆっくり過ごしてていいそうですよ」
「きゅう、きゅう」
「ん?どうしました?」
何かを探すように、ジープが辺りを見渡している。
しきりに一階の厨房の辺りを見ているようだ。
「もしかして、啾さんの事が心配なんですか?確かに、悟浄は良くても不器用な悟空に食器整理を頼んであるので少し心配ですね。僕、ちょっと様子見てきます。こちらの荷物整理は頼んでいいですか?」
「あぁ、あいつらと交代してこい。奴らに任せてたら二次災害が起こりかねん」
「分かりました。それじゃ行ってきます」
三蔵に返事をして、八戒は一階の厨房に向かう。
そこで目にしたのは頭を抱える啾と、皿の包装を解いて調理場に並べたはいいがバランス悪く積み重ねたせいで、下手に手を触れたら今にも倒れそうな食器類の山。
「・・・もう、手遅れでしたか」
「八戒さん、この人達、どうにかしてください!もう、包装を解くだけ解いて、しまう前に重ねてしまって、今、もう手が付けられなくて困ってたんです!」
懇願するような視線を八戒に送る啾。
八戒もため息一つ着くが、そこは保父さん。
図体だけのデカい園児達の扱いには慣れているのである。
ぽんぽんと手を叩いて、的確な指示を飛ばす。