大人の恋愛 不器用男再起をかける
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犯人は自分の危機を悟ったのか、ワイルドタイガーに向かって振り向きながら銃を乱射するが、白い装甲に全て弾かれる。
「チッ、弾切れかよ!」
犯人が拳銃をやけくそに捨てる。
「今、だぁー!」
ワイルドタイガーが一気に加速をかけて一気に犯人に迫り、ミルキーフリーが用意したバリアの折目掛けて犯人を殴り倒す。
バリアに犯人が入った瞬間、ミルキーフリーはバリアを閉じて犯人を拘束した。
グッドラックモードで殴り飛ばされ、バリアの中でぐったりと倒れている犯人は完全に気絶しており、バリアを解いても、もう抵抗する様子はなさそうだった。
「ふぅ、ったく手間かけさせやがって」
バリアごと犯人を持ち上げて、警察に引き渡しながら、ワイルドタイガーがぼやく。
「ちょっと、ミルキーフリー、これはなんの真似ですか?」
「私達、トリオでしょう?バーナビー君だけ仲間外れは嫌かなぁって思って」
「だからと言ってこれは」
ワイルドタイガーが犯人を警察に引き渡している間、バーナビーとミルキーフリーが何か揉めている。
「おいおい、どうしたよ、お前ら?」
「はい、ワイルドタイガーもこれ付けてくださいね?それと、さっきのリングあります?」
言いながら、ミルキーフリーはタイガー&バーナビーの装備に合わせたのであろう白いタイル状の首飾りを手にしている。
「は?さっきのリングってあの、その」
「はい、告白してくれた時のあのリングです」
咄嗟の事で装備の隙間に、指輪の小箱を収納して持って来ていたワイルドタイガーは、ミルキーフリーに言われた通りにそれを出す。
ミルキーフリーは何の躊躇もすることなく、リングの大きい男性用の方を取ると、首飾りの先端に取り付けた。
ニッコリ笑ってワイルドタイガーの首にリングの通った首飾りをかけながら、ミルキーフリーがほほ笑む。
「おい、ミルキーフリー、これは一体?」
「はい、残りのリングも私の指に通してください。さっき言いましたよね?犯人を拘束したら奥さんになってもいいですって。これ、婚約指輪ですよね?さっきレストランで見た時に気づきました。私もタイガーと一緒になりたかったんです。でも、私達トリオですからバーナビーさんだけ除け者にしたくなくて、斎藤さんに頼んでネックレスの装飾品を作ってもらったんです。ネックレスなら戦闘中でも大丈夫かなと思って」
「ミルキーフリーが最近一人で開発部に行ってると思ったらそういうことだったんですね。でもさっきの音声、ヒーロー全員に伝わってますよ?回線、開いてましたから」
「げっ?!マジかよ」
バーナビーの言葉に驚くワイルドタイガーの耳に、他のヒーローからの通信が入る。
「聞いてたわよん、ワイルドタイガー。犯人を捕まえたら奥さんになってもいいだなんて、ミルキーフリーも大胆な女ねぇ」
「おめでとう、タイガー!僕らの到着前に事件解決しちゃったみたいだけど、結婚おめでとう!」
「タイガー君、上空から見ていたが君の活躍は素晴らしかった!結婚おめでとう!早く彼女の指にリングを嵌めてあげたまえ!」
「見切れる余裕すらなかったでござるが、めでたいニュースでござる。ここは男として決めるでござるよ!」
「ふん、戦闘中に告白とか、ありえないバカップルよね。ほら、早くくっつきなさいよ」
「おいおい、ここはビシッと決めて、夫婦ヒーロー誕生の瞬間を祝おうぜ?なぁ、タイガー」
「おっまえら、好き放題言いやがって!俺はなぁ、本当は事件なんかなかったら、厳かに事を進めたかったんだよ!」
「でも、結局事件入っちゃいましたし、私もあそこで言わなかったらお返事できないなと思って勇気出して言ったので、良かったら、その・・・早くリング付けてくれませんか?」
おずおずとミルキーフリーが頬を染めて左手をワイルドタイガーの前に差し出す。
そんな彼女の姿を見て心を決めたのか、ワイルドタイガーもどこか厳かにリングを箱から出して、ミルキーフリーの指に嵌める。
「本当に俺でいいのか?」
「はい、虎徹さんがいいです」
最後の会話は、ヒーロー回線を切って二人だけで交した。
「おおっと、激動の犯人逮捕劇の終幕は、ワイルドタイガーとミルキーフリーの電撃結婚で幕を閉じました!シュテルンビルドにお住いの皆さん、今ここに夫婦として一組のヒーローが誕生したことを盛大に祝いましょう!」
ヒーローTVのアナウンスが空中飛空艇から流れると、辺りからは拍手喝采が降り注がれる。
こうして、虎徹と悠香は夫婦として、その後もヒーロー活動を続けていった。
~大人の恋愛 不器用男再起をかける 完~