トリップorラビューン
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三蔵「おい、八戒。日中、好きな女のタイプをエロ河童に聞かれて、中身重視だと言ってたが、具体的にどんな女がいいんだ?」
八戒「三蔵がそんなこと聞いてくるなんて意外ですねぇ。何かあったんですか?」
三蔵「別に、現状考えられる最善の策を実行中なだけだ」
煙草を蒸かしながら、配られたカードを受け取る三蔵。
八戒も配られたカードを受け取りながら、言葉を返す。
八戒「もしかして、さっきの話の続きですか?洋子さんを傷つけたくないので、あまり話したくはないんですが」
三蔵「別に、猪悟能の過去を聞いてるわけじゃね。猪八戒として、どんな女性に興味があるのか聞いてるだけだ」
早くも灰皿に一本目を消して、2本目を加えながら三蔵が言葉を続ける。
悟浄「あ、洋子ちゃん、カード交換2回まででルールOK?」
岡田「あ、はい、それでいこう。私、1回目、2枚交換するね」
そう言って、要らないカードを捨てて山カードから2枚新しいカードを引く。
悟空「じゃぁ、俺はフル交換っと。交換って言えばさ、たまには、恋愛感情もフル交換するのもアリだよな」
悟空は全てのカードを捨てて、5枚新たに引く。
八戒「そうですかねぇ。あ、じゃぁ僕は1枚で」
悟浄「時と場合によるじゃん?譲れない所はあるっしょ。俺は3枚かな。三蔵様は?」
三蔵「不要だ。で、八戒には譲れない感情とかあんのか」
悟浄「じゃ、2順目ね。洋子ちゃんどうする?意外と外見も大事にしてたりして」
岡田「うーん、ちょっと待って、悩むなぁこの組み合わせ」
単純にポーカーを進めているように見えて、岡田以外の3人が言葉の端々で、八戒の好みを聞き出そうとする。
岡田「じゃぁ、1枚だけ交換!」
彼女は、皆が聞き出そうとしている八戒の情報を聞き逃すまいと聞き耳を立てる。
悟浄「お、なかなか勝負師ね。俺はやっぱし見た目と爪とかお手入れしてるかとか、かなぁ」
悟空「誰も悟浄の好み聞いてないじゃん、俺、2枚交換ね」
八戒「ははっ、僕はそうですね。したたかな女性が好みと言えば好みですかねぇ。あ、交換不要です」
(したたかな女性・・・強くて芯の強い女性ってことかしら?弱くちゃダメよね?)
やっと得た情報を必死に記憶する。
悟浄「じゃ、三蔵様は?あ、要らないんだっけ?」
三蔵「あぁ。八戒、俺がこの勝負で勝ったら、もう1つ女性の好みを話せ」
八戒「なんですか、その強制イベント。皆さん、今日はなんかおかしいですよ?僕が勝ったらどうするんですか?」
三蔵「1人部屋と交換だ。その方が、陽子を3人で守れるし、お前は1人の時間が持てるだろう」
八戒「まぁ、非戦闘員の女性1人部屋で泊まらせるよりは、僕が負けた方がいいんでしょうけど、たぶん、無理かもです」
そして、各々が手元のカードをオープンする。
悟浄「俺、キングと10のフルハウス」
悟空「えー、俺、黒のフラッシュ!」
岡田「あ、私、赤のフラッシュだわ。赤の方が黒より上よね?」
悟浄「だな、悟空最下位じゃね?三蔵様は?一度も交換してなかったけど」
三蔵「ハートのエースからの、ロイヤルストレートフラッシュだ」
三蔵の手は最も強いハートのエースから、キング、クイーン、ジャック、10の一番強い手だった。
八戒「うわー、僕、スペードのストレートフラッシュです。紙一重で三蔵に負けちゃいましたねぇ」
悟空「八戒が、カードで負けるなんて珍しいじゃん!」
三蔵「ふん、ポーカーなんて、イカサマ入れなければ、確率の問題だ。それに迷いのある奴に負ける気なんてないな。さて、約束通り、話してもらおうか。お前の女の好み、1つ明かしてもらおうか」
八戒「やけに三蔵が積極的ですねぇ、本当に何か企んでません?でも、三蔵の要求に答えないと僕が殺されちゃいそうですからねぇ」
それぞれがカードをテーブルにばら撒いて、八戒の答えを待つ。
八戒「強いて言うなら・・・僕の事を知っても尚、僕の手が好きだって言ってくれる人ですかね。花喃がね、僕の手が好きだってよく言ってくれましたから、同じことを言ってくれる人が居たなら、新たな恋にでも発展できますかね。で、この簡単な猿芝居を打ったのは、悟浄、貴方ですよね?」
八戒がニッコリと含みのある笑顔で悟浄を睨む。
八戒「まさか、三蔵や悟空を巻き込んで、今回の洋子さんの件を無理やり解決させようとするなんて、本当に幻滅です」
その声は冴え冴えとしていて、嫌悪の感情しか籠っていない。
悟浄「あー、バレた?いや、さ。でも、よ?それが一番の解決策って、さっきも話したじゃん?」
八戒「それでも、やって良い事と悪い事がある事位、区別のつく年齢ですよね?悟浄?」
悟浄「あー、うん、まーな」
先程までのほのぼのとした空気が急速に冷え込んでいく。
(・・・せっかく、八戒さんの好みも分かったのに・・・これじゃ、私、この世界に来た意味がないよ!)
岡田「あのっ!皆さん、ご協力ありがとうございました!私、やっぱり出ていきます!!」
勢いよく席を立って、宿の外へ向かって走り出す!
三蔵「おい、洋子!」
悟浄「洋子ちゃん!」
悟空「夜は危ないって!」
八戒「洋子さん!」
後ろから4人それぞれの声がかかるが、岡田にはそれを聞いている余裕はなかった。
急いで自室に戻って自分のスーツケースを持ち出して、宿の外へと走り出していた。