トリップorラビューン
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太陽照り付ける荒野の中、今日も玄奘三蔵一行は、天竺国目指して西へとジープを走らせていた。
悟空「あっちー」
悟浄「あー、日差しが痛てーな」
八戒「ふふ、二人ともダレてますねぇ」
悟浄「そういう八戒だって、炎天下の中での長時間の運転で疲れてるんでない?」
八戒「そうですけど、僕以外まともに運転できる人いないじゃないですか」
悟浄「アクセルだけ踏んでてくれるなら、後ろから運転変わるぜ?」
八戒「おや、悟浄がそんなこと言い出すなんて珍しいですねぇ」
悟浄「たまには、クソ猿以外と会話したいの。でねーと三蔵様がぶち切れるだろーが」
悟空「あ、そう言えば、今日の三蔵、静かだね。どうしたの」
八戒「えーと、実は、さっきから寝てるみたいなんですよねぇ。だから起こさないように静かにしててもらえると助かるんですけど」
悟浄「なーる。なら、余計、運転だけ変わるわ。アクセルだけ踏んどけ」
そう言って、後ろから長い腕を伸ばし、悟浄と八戒が運転を変わろうとしている時だった。
???「きゃぁああああああああ!!!!」
悟空「え?女の人の声?」
どこからともなく、女性の悲鳴が聞こえて、そして・・・
ドスン!
悲鳴の女性は、寝ている三蔵の上に見事に落下した。
悟空「うっわ!なになになに!」
突然の事に、悟浄は、前衛席の背もたれに捕まり、八戒は急ブレーキをかけた。
岡田「いったた、ここ、どこ?」
三蔵「おい、女ぁ、誰の上に乗ってると思ってんだ!」
寝起きのテンションは最悪に低い三蔵がぶち切れる。
岡田「きゃぁ!ご、ごめんなさい!私、人の上に落ちるとか、最悪ですね!今退けます!」
三蔵の上にお姫様抱っこ状態でお尻から落ちた岡田は、何とか抜け出そうとするが、背中はジープのドア、前は八戒の座る運転席で、一人で動いて退けられそうになかった。
八戒「あの、お手伝いしましょうか?」
そう言って、八戒が運転席を降りて岡田に手を差し伸べる。
岡田「あ、ありがとうございます!」
八戒の手を借りて、運転席を足場にして何とか立ち上がり、ジープから一度降りる。
彼の手を握って、その手の大きさと暖かな優しさに触れて、岡田の心がかすかに揺れる。
(何この人、すごく優しい。てか、手、すごく綺麗。でもちゃんと力強く、私の事支えて引っ張ってくれるし、いい人かも!)
三蔵「おい、女、どこから降って湧いて出やがった。せっかくの俺の睡眠時間を邪魔しやがって何してくれやがる」
ガチャリと安全装置が外れる音がして、岡田に向けて三蔵が拳銃を向ける。
悟浄「ちょーと、待った!三蔵様?!いくら、寝起き起こされたからって、女の子に拳銃向けるのは無しだって!」
悟浄が慌てて、止めに入る。
八戒「えっと、まずは、状況整理しましょうか。失礼ですが、貴女のお名前と降ってきた経緯を教えてもらってもいいですか」
八戒が、営業用スマイルを浮かべながら岡田に問う。
それを彼女は自分に優しくしてもらってると思いながらも、自己紹介をする。
岡田「あ、わ、私、岡田洋子と言います。岡田と呼んでください。えーと、状況は、私も良く掴めてないんですけど、なんだか私が生きてる世界と別の世界にトリップさせられたみたいです」
八戒「異世界トリップですかぁ、まぁ、信じがたいことですけど洋子さんの格好はこちらではあまり見かけない服装ですしねぇ」
八戒に指摘されて、岡田は自分が仕事終わりのタイトスカートタイプのスーツ姿だったのを思い出す。
周りを見渡せば、隣に立つ男性も、紅い髪の男性も、その奥にいる少し年下そうな男の子も動きやすい服装をしているし、あまり見たことがない格好だった。
さっき、自分が落下してしまった助手席に座ってる男性は、どうやら法師の様だった。
肩に、経文らしきものをかけているお坊さんなど見たことないし、髪も金髪で剃ってないし、何よりさっきの拳銃と言い、今は煙草なんて吸っている。
こんなお坊さんが居てもいいのかな?と岡田が疑問に思っていると、横に立つ茶色髪に緑色の瞳で片眼鏡をした男性がメンバー紹介をしてくれる。
八戒「洋子さん、僕は八戒と言います。助手席に座ってるのが三蔵で、紅い髪が悟浄。その奥に見えるのが悟空です。立ち話もなんですし、もう少し状況も詳しくお聞きしたいので、次の町まで同行しませんか?いいですよね、三蔵?」
どうやら彼らの行動決定権は、岡田が落ちた三蔵という金髪法師が握っているらしかった。
三蔵「あぁ、構わん。おい、女。後ろで騒ぎやがったら、左右の馬鹿共々、あの世行きだと思えよ」
ガチャリと今度は安全装置を付ける音を立てて、懐に拳銃をしまう三蔵と言う人。
(この人だけは、絶対怒らせちゃいけない。たぶん、私、始めの接触からこの人に、嫌われてるよぉ。名前読んでもらえてないし!)
三蔵の言葉に委縮していると、紅い髪の男性が一度車を降りてエスコートしてくれる。
悟浄「洋子ちゃん。一応、後ろの中央しか空きないからさ、背もたれも荷物で埋まってるからその上に座る感じになるけど、何かあったら俺に掴まってくれていいから。チビ猿じゃ支えられねーからさ」
岡田「あ、ありがとうございます」
八戒「洋子さん、悟浄にだけは、気を付けてくださいね?女性とみれば、見境ない人ですから」
岡田が後部座席の中央に座り、悟浄と八戒がそれぞれのタイミングでジープに乗り込めば、八戒が悟浄の取り扱いについて注意を促す。