トリップorラビューン
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私、岡田洋子は、社会人5年目。
学生の頃から憧れてた会社に無事入社できたけど、結局、理想と現実の差は大きくて、大人の生活という荒波に飲まれて、早5年。
先輩に可愛がられてた時期もあった。
後輩も出来て、教える立場になり始めたこの年代。
同期会なども定期的に行われてるけど、恋とかはまだ無縁で、あまり好きなタイプの男性と出会えていない。
それもこれも、私自身が男性に異性として見てもらえない言動に原因があるらしい。
嫌な物は嫌、好きな物は好き、細かいことに拘らず、不要な物はスパッと切り捨てる。
そんなある意味男前な性格のせいか、異性からは友達感覚でしかとらえてもらえず、仕事面はほどほどに順調だが、女性受けがあんまり良くなくて、ギクシャクしたりして、そのせいでここの所余計な仕事が増えて、残業続きな日々が続いている。
今日も黒髪のショートボブが揺れるほど、ちょっと大股で仕事の苛立ちを抱えながら、帰路に着いていたはずだった。
ほんの数秒前までは。
岡田「へ?」
暗い夜道の中、街灯の光が届かない範囲に入った瞬間、変な浮遊感と共に落下した。
岡田「え?なになになに?!私、落ちてる?!」
仕事のスーツケースを前に抱えて、周りを見渡すが、真っ暗な空間には何もない。
とにかく、落ちていくだけの落下浮遊感だけが、私を取り囲んでいた。
岡田「え、ちょっと、これどこまで続くの?」
1~2分以上経っても、落下感は消えない。
速度もそんなに速くなくて、ショートボブが乱れて顔に時折、かかるくらいだ。
???「はろ~はろ~はろ~♪今日もお疲れお疲れ、岡田洋子ちゃん♪今日は、君にサプライズプレゼンツ!」
突然、目の前の何もない空間から、変な全身鏡が飛び出てきて、話しかけてくる。
外側の淵が、グレーのふわっふわっの毛で覆われており、何故か上には猫のような耳が付いているし、下の方には、これまたふかふかとした尻尾まである。
そして、本来なら対象物を移す部分に、黄色い大きな目をめきょっと見開いた猫の顔が映し出されてる。
喋ってるのは、その変な鏡猫だった。
???「あららん?状況、分かってないって顔してるねん♪ま、そりゃ当然か。んじゃまず自己紹介、僕は観測者。君のことをずっと見ていた観測者だよん♪」
不思議な鏡猫は、私と同じ速度で落下しながら、状況説明をし始める。
観測者「僕はね、ずっと洋子ちゃんの事見てきたの。この世界で、恋が出来ない社会人5年目の洋子ちゃんをね。同性には嫌われ、異性には恋愛対象として見てもらえず、社会の荒波に流されて疲れ切ってる洋子ちゃんに、今日は特別にとっくべつなプレゼントを用意したよ♪」
岡田「あの、さっきから言ってることが分からないんだけど?」
観測者「だからぁ、僕は君の事が可哀そうだと思ったから、恋の出来る環境にトリップさせてあげようっての!でも、ただじゃないよ?ちゃんと条件があるんだ」
表情豊かに話す、観測者と名乗る鏡猫は言葉を続ける。
観測者「いい?よく聞いてね?僕なりに考えて、今と全く違う環境に、洋子ちゃんを送ってあげる。ただし、そこである条件を満たさなかったら、強制送還で今の生活に戻るよ。もちろん、トリップしてた間の記憶も消させてもらう」
岡田「じょ、条件って何?」
落下しながらも、観測者との会話を続ける。
私には今、その選択肢しかなかった。
観測者「その1、今から行くトリップする世界で恋をすること。そうだなぁ、洋子ちゃんが告れたら、条件クリアでトリップ先での記憶をそのままに今の生活に戻してあげる」
岡田「こ、恋?!そ、そんなの、無理よ!だって、私っ」
観測者「はいはい、洋子ちゃんの性格はよ~く分かってるから、今の環境じゃ恋できないの分かってるよん♪だから別世界に送ってあげるって言ってるの。そこの所、OK?」
岡田「えーと、私、今から別世界に行くの?」
観測者「そうそ♪洋子ちゃん、飲み込み早くて助かる~♪で、条件その2は、僕が観測しててこりゃダメだなってあきらめたら、強制送還ね」
岡田「え!それじゃぁ、期限も何もなく、突然、帰還させられるわけ?その上、記憶も消されて?」
観測者「そうそう!だから、頑張って恋してねん♪僕はどこまでも洋子ちゃんを見ているからね?条件のどちらかを満たしたら、元の世界に戻してあげるよん♪」
岡田「ちょっと、待って、私、どこの世界に行くのよ!」
観測者「それは、行ってからのお楽しみ~♪」
そう言って観測者は、私の下に移動して、口をあんぐりと大きく開ける。
岡田「まさか、そこに落ちろと?」
観測者「そーゆーこぉとぉーお」
口を大きく開けてるせいか、観測者の声は間延びしているが、落下速度が上がった。
岡田「きゃあああああ!」
抵抗する術もなく、私は観測者と名乗る鏡猫の口の中へと落ちていった。