トリップorラビューン
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悟浄「あーぁ、時間切れだってよ、八戒」
岡田が消えた場所を見上げて、動けずにいた八戒の肩に悟浄が腕を置く。
八戒「・・・洋子さん」
悟浄「なぁに、やっぱ、良い女に言われた一言って響いた?」
八戒「悟浄は、酷な事をしますね。妖怪に襲われても懸命に、一人で逃げようと戦って、したたかに、僕の手が好きだと面と向かって言われるとさすがに堪えます。悟浄、花喃のこと、洋子さんに話したでしょう?」
悟浄「さぁ、どうだろな」
八戒から離れて、煙草を取出し火をつける悟浄。
八戒「でなければ、岡田があんな強い瞳をするはずないじゃないですか。花喃の事を知って尚、僕のこの・・・・血塗られた手が好きだと言ってくれる女性に出会えるとは思ってませんでしたよ」
悟空「八戒の手、血だらけじゃないじゃん?何言ってんの?それは、悟能の犯した罪で、今はもう八戒だろ?」
八戒「悟空も軽く、言ってくれますけど、悟能も八戒も僕であることに変わりはないんですよ?」
三蔵「フン、くだらねぇ。名前、変えた時に生まれ変わったと抜かした奴が、ふざけた口きくな」
そう言う三蔵も煙草を蒸かしている。
悟浄「で、結局答えはどっちだったのよ?洋子ちゃんと付き合っても良かった?それともNO?」
八戒「悟浄、あの状況で、僕がNOと言えると思いますか?」
悟浄「くくっ、最後に必死に叫んでたもんな」
悟空「やっぱ、八戒も、恋するんだな」
八戒「悟空、普通にそういうこと言わないでください。恥ずかしいですから」
悟空「え?だって、昼間も洋子姉ちゃんにプレゼント送ってたじゃん。自分と同じタイプのイヤーカフ」
八戒「あれは・・・洋子さんが、僕の妖力装置に興味を示したからであって、どうせなら女性らしいアクセサリーのついたタイプがいいだろうと思ってですね」
三蔵「フン、好意があったならあったと素直に言えばいいものを」
八戒「三蔵まで、人をからかわないでください!」
頬を赤く染めて抗議する八戒。
それはとても珍しい絵だった。
月明かりだけが、辺りを照らして、一行は、岡田に好きだと言う返事を返せなかった八戒をからかいながら、宿へと帰って行った。
(そっか、八戒さん、私の事、好きになってくれてたんだ。嬉しいな・・・)
まどろみゆく意識の中で、それだけが唯一頭の中に残った岡田自身の言葉だった。
そして、翌日から彼女は再び、平穏な日常に戻る。
ただ一つ、違うのは、左耳のラピスラズリのイヤーカフ。
これだけは、外さずに、彼女は再び、社会人生活を歩み出す。
~トリップオアラビューン 完~