紅と藍の邂逅
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八戒の言動で、それらの思考をまとめて、盛大に溜め息をつく鬼宮だった。
鬼宮「あの、さ。悟浄は、なんて言ったの?」
八戒「え、悟浄ですか?いきなり、あなたを好きになったから、旅に同行させたいと。悟浄は昔から女性好きで、それ関係で色々と面倒な問題ごとの後処理をさせられてきましたが。今回は、嘘じゃないからとか言って、強情で。だから、あなたに何かあったのかと思って飛んできたんですが。本当に何もされてませんか?大丈夫ですか?」
滑らかな八戒の長台詞に鬼宮は内心で呆れる。
(これは、誤解を招かないようにちゃんと説明せねば)
鬼宮「あー、うーん、何もなかったと言えば、何もなかったわけじゃないが。しっかり自己防衛はしたんだけど、えーと、服、脱がされたりはしてない。軽く毒を持ってそれは阻止した。けどあいつ、半妖のせいか、薬の効きが遅くて、一晩中抱き着かれた状態で寝てた。それだけだ。なんか、いたく俺のことが気に入ったみたいでさ。好きになって?とか迫られたけど、きっちり断ってある」
八戒「そうですか。ちゃんと自己防衛できたんですね。あぁ、肩の傷はどうですか?」
鬼宮「言っただろ?俺、傷の治りは早いんだよ。さっき、傷を確認したが、もう穴は開いてないし、血も止まってる。ほら、こうして動かしても痛みもない」
そう言って、鬼宮は、傷を負った方の肩をぐるりと回す。
八戒「肩の方は、大丈夫みたいですね。一応、服の上から触診してもいいですか?」
鬼宮「大丈夫だって。まぁ、不安なら服の上からなら確認させてもいい」
そう言って、椅子に座り、八戒に身を預ける。
八戒が触診してる間にも、隣の部屋から銃声と罵声とが響く。
三蔵「耄碌したか、このエロ河童!!」
ガウン!ガウン!
悟浄「だから、俺の話をちゃんと聞けって!万年、ぶち切れ坊主!」
三蔵「るせぇ!俺が、発情エロ河童の申し出など、受け入れると思ったかぁ!」
ガウン!ガウン!ガウン!
悟空「うわっ!三蔵!俺まで、狙うな!当たる!死ぬって!ちょっと、鬼宮!助けて!」
三蔵の銃弾から逃れるように、悟空も部屋に転がり込んでくる。
鬼宮「悟空、あっちの部屋。どうなってんの?」
悟空「どうもこうも、三蔵が手ぇ付けられねぇよぉ。悟浄も悟浄で、引かねぇし!どうにかしてくれよぉ。鬼宮」
鬼宮「はぁ・・・悟浄は、何をしているんだか。宿屋の修理費、どうするんだろうな」
半分溜め息をつきながら、八戒の触診が終わった鬼宮が、隣の部屋の扉を開く。
鬼宮「悟浄も三蔵もそこまでだ。これ以上暴れると、部屋が持たん」
素早く二人の間に割り込んで、静かな殺意と共に、互いの喉元に、双剣のクナイの切っ先を突き付ける。
三蔵「退け、女!貴様のせいで、うちのエロ河童が耄碌した!」
悟浄「凛華ちゃん!なんとか、頑固頭のクソ坊主を説得してくれ!」
鬼宮「はぁ、二人とも一旦、頭、冷やせ!」
言葉と共に、手首を翻し、クナイの広い面で、素早く二人の頭部を殴る鬼宮。
ガツン!!
鈍い音を立て、時に倒れる最高層と禁忌の子。
鬼宮「八戒、悟空、戻って来ていいぞ!うるさいの黙らせたから」
武器をしまいながら鬼宮、は二人を呼ぶ。
八戒「あの二人を、黙らせるとは。さすが妖怪退治屋と言うだけの腕はありますね」
悟空「うわ、すっげー!三蔵の頭にたんこぶできてるし、これ、激レアじゃね?」
鬼宮「二人が起きたら、状況説明するぞ。全く、世話を焼かせる馬鹿共だ。いつもこんな道中なのか?」
八戒「いや、今回ほどではないんですがぁ」
悟空「にしても、悟浄、なんで、鬼宮と旅したいなんて、言ったんだろ?」
鬼宮「それ、本気だったのか?」
悟空「うん、鬼宮は俺が守らなきゃないから、絶対連れてくって、譲らなかったんだ」
鬼宮「はぁ、バカだなぁ。全部話さなきゃ、三蔵も納得しないだろうし。本人の同意を得もせずに強硬手段とって」
呆れて、額に手を置く鬼宮である。
悟浄「う、うぅ」
三蔵「おんなぁ、てめぇ、何しやがる」
二人がほぼ同時に意識を取り戻す。
鬼宮「起きたな。朝飯食いながら話すから、着いてこい。三蔵は、部屋これ以上壊すな」
そう言って、鬼宮はスタスタと部屋を後にする。
悟空「鬼宮、すげー」
八戒「只者、ではないですねぇ。監督者が増えると僕も負担が減って大変助かりそうです」
三蔵「おい、八戒。なに爽やか笑顔浮かべてんだ」
悟浄「つー、いってぇ。凛華ちゃん、極度のツンデレ。ま、そこも可愛い所なんだけど」
八戒「悟浄、本当に、鬼宮さんに惚れたんですか?あなたが一人の女性にのめり込むなんて、病気ですよ?」
悟浄「るせぇ、俺だって恋の一つや二つしてもいいだろが」
そんな不毛な会話をしながら、一行は、食堂へと向かう。