Go! Go! Driving School!!
免許を取り消されたマリオだったが、免許なしで生活するわけにはいかないので、自動車学校に通うことになった。気分が沈んだマリオは自動車学校に行き、教官と対面する。その教官は、マリオもよく知った者だった。
「……お前が教官?」
ブルーな気分のマリオは、うんざりした顔を現れた人物に向けた。マリオの目の前には狐―フォックスが立っていた。マリオの様子を見て、フォックスはため息を吐いた。
「なんだよその顔は。言っておくが、俺だって好きでやっているわけじゃない。……ようやく話が見えた。」
「はぁ?」
フォックスの意味深な言葉にマリオは声をあげる。フォックスはやれやれと手を挙げた。
「ターマスにいきなり検定員の資格を取らされたんだよ。そういうことか。」
「だからどういうことだ。」
はっきり言わないフォックスに、マリオはイライラと説明要求する。
「お前がこうやって免許を取り直すことになってるから、俺に白羽の矢が当たった。」
フォックスは淡々と、しかし、面倒くさそうに言った。
「あ……悪い。」
自分のせいでフォックスに迷惑がかかったことを悟ったマリオは、恐縮するしかなかった。フォックスはそれ以上小言等は言わず、本題に入った。
「とりあえず……学科から?技能から?」
「えー、学科は免除してくれよ。」
「決まりだ。」
マリオの要求を、フォックスは一言ではねのけた。
「………ケチ。」
マリオは文句を言う。だが、マリオは分が悪すぎた。
「免許取り消された奴が何を言っている。」
それを言われると、マリオはぐうの音も出ない。しかし、マリオは疑問に思った。
「なぁ、それ、ルイージ以外知らねぇはずなんだが……。資格も、訳が分からずに取ったようだし。」
「最近、免許更新に行ったはずの奴がこんなところに来たら、考えられるのは1つだろ。」
「あ……ハイ。」
フォックスの返答に、マリオはもう何も言えなくなった。
「じゃあ、学科4限やるか。」
次に進めようとするフォックスに、マリオは嫌な予感がした。
「……連続?」
フォックスはニヤリと笑った。
「安心しろ、1限50分と決まっているし、間に休憩とってやる。」
「鬼ー!!」
こうして、マリオの講習は始まった。
4限が終了し、模擬運転を行った後、技能の時間になった。マリオはげんなりしていたが、車に乗れるとなって、少し気分が上がってきていた。
「やっと車に乗れる。……サーキット内だけだけど。ここ何時まで?」
マリオの、時間いっぱい車に乗るという魂胆を見抜いたフォックスは、こっそりため息を吐いた。
「……お前、今日はこの1時間しか乗れんぞ。」
「何ー!?」
既に車に向かって歩きはじめていたマリオは、ギョッとフォックスを振り返った。その反応を予測していたフォックスは、特に驚きもせず、説明した。
「仮免前に乗れるのは、1日2時間。さっきの模擬で1時間乗ったことになっている。」
「Noーーー!!」
マリオはその場にくずれ落ちた。
「さて、一応決まりだから説明を、」
「車に乗る時間が減る!!省略してくれっ!!」
説明を始めようとしたフォックスを遮って、いつの間にか復活したマリオが息巻いた。あまりに必死なマリオの様子を見て、流石のフォックスもつまる。そして、
「……ま、いっか。」
フォックスは説明を省くことにした。
*本当はよくないです。
「これ鍵。エンジンつけるところまでやれ。」
「アイアイサー。」
うきうきとマリオは車に乗り込む。フォックスはやれやれと思いながら、助手席に座った。なんやかんやで動き出した。マリオが運転する様子を眺めながら、フォックスは唸った。
「教習とは言っても……もともと免許持ってた奴に教えることもほとんどねぇよな……。この時間、本当は車に慣れる時間だが、お前は慣れてるし。」
「当たり前だろ。つい最近まで乗ってたんだ。」
しばらくフォックスは無言で考え込んでいた。
「……………。いいよな、うん。」
やがて、フォックスは一人、頷いていた。
「どうした。」
マリオはそれを横目に見ながら聞いた。すると、フォックスは指示を出し始めた。
「S字とクランク行くぞ。そこ、右折。」
「りょーかい。」
マリオはフォックスの提案に反対することもなく、むしろ、内心喜んで、指示に従った。マリオは車を中央線に寄せると、交差点に出る直前で右ウィンカーを出した。そして曲がる。
「……………。」
マリオの一連の流れを、フォックスは無言で観察していた。心の内でため息を吐きながら。
「なぁ、S字ってそこ?これ左折したらいいのか?」
マリオはそんなフォックスの様子に気付かず、上機嫌で聞いた。
「……いや、しばらく右左折の練習をしよう。」
「はぁ?」
マリオの声のトーンが下がった。不服そうにフォックスをチラリと見る。そんなマリオに内心苦笑しながら、フォックスは言った。
「知っているだろうから何も言わなかったが、右左折の合図のタイミングは、右左折する30m前。右左折の手順は、ルームミラー、合図、3秒後目視、車を寄せて、交差点突入だ。」
「フォックス、そんな細かいこと言うなよ。」
フォックスは、とうとうはっきりとため息を吐いた。呆れ声で言う。
「これが仮免許試験だったら、さっきので大幅減点だぞ。」
「……ハイ。」
マリオは大人しくなった。
「じゃあ、そこで左折。ルームミラー見て、――」
マリオの講習は続く。
.
「……お前が教官?」
ブルーな気分のマリオは、うんざりした顔を現れた人物に向けた。マリオの目の前には狐―フォックスが立っていた。マリオの様子を見て、フォックスはため息を吐いた。
「なんだよその顔は。言っておくが、俺だって好きでやっているわけじゃない。……ようやく話が見えた。」
「はぁ?」
フォックスの意味深な言葉にマリオは声をあげる。フォックスはやれやれと手を挙げた。
「ターマスにいきなり検定員の資格を取らされたんだよ。そういうことか。」
「だからどういうことだ。」
はっきり言わないフォックスに、マリオはイライラと説明要求する。
「お前がこうやって免許を取り直すことになってるから、俺に白羽の矢が当たった。」
フォックスは淡々と、しかし、面倒くさそうに言った。
「あ……悪い。」
自分のせいでフォックスに迷惑がかかったことを悟ったマリオは、恐縮するしかなかった。フォックスはそれ以上小言等は言わず、本題に入った。
「とりあえず……学科から?技能から?」
「えー、学科は免除してくれよ。」
「決まりだ。」
マリオの要求を、フォックスは一言ではねのけた。
「………ケチ。」
マリオは文句を言う。だが、マリオは分が悪すぎた。
「免許取り消された奴が何を言っている。」
それを言われると、マリオはぐうの音も出ない。しかし、マリオは疑問に思った。
「なぁ、それ、ルイージ以外知らねぇはずなんだが……。資格も、訳が分からずに取ったようだし。」
「最近、免許更新に行ったはずの奴がこんなところに来たら、考えられるのは1つだろ。」
「あ……ハイ。」
フォックスの返答に、マリオはもう何も言えなくなった。
「じゃあ、学科4限やるか。」
次に進めようとするフォックスに、マリオは嫌な予感がした。
「……連続?」
フォックスはニヤリと笑った。
「安心しろ、1限50分と決まっているし、間に休憩とってやる。」
「鬼ー!!」
こうして、マリオの講習は始まった。
4限が終了し、模擬運転を行った後、技能の時間になった。マリオはげんなりしていたが、車に乗れるとなって、少し気分が上がってきていた。
「やっと車に乗れる。……サーキット内だけだけど。ここ何時まで?」
マリオの、時間いっぱい車に乗るという魂胆を見抜いたフォックスは、こっそりため息を吐いた。
「……お前、今日はこの1時間しか乗れんぞ。」
「何ー!?」
既に車に向かって歩きはじめていたマリオは、ギョッとフォックスを振り返った。その反応を予測していたフォックスは、特に驚きもせず、説明した。
「仮免前に乗れるのは、1日2時間。さっきの模擬で1時間乗ったことになっている。」
「Noーーー!!」
マリオはその場にくずれ落ちた。
「さて、一応決まりだから説明を、」
「車に乗る時間が減る!!省略してくれっ!!」
説明を始めようとしたフォックスを遮って、いつの間にか復活したマリオが息巻いた。あまりに必死なマリオの様子を見て、流石のフォックスもつまる。そして、
「……ま、いっか。」
フォックスは説明を省くことにした。
*本当はよくないです。
「これ鍵。エンジンつけるところまでやれ。」
「アイアイサー。」
うきうきとマリオは車に乗り込む。フォックスはやれやれと思いながら、助手席に座った。なんやかんやで動き出した。マリオが運転する様子を眺めながら、フォックスは唸った。
「教習とは言っても……もともと免許持ってた奴に教えることもほとんどねぇよな……。この時間、本当は車に慣れる時間だが、お前は慣れてるし。」
「当たり前だろ。つい最近まで乗ってたんだ。」
しばらくフォックスは無言で考え込んでいた。
「……………。いいよな、うん。」
やがて、フォックスは一人、頷いていた。
「どうした。」
マリオはそれを横目に見ながら聞いた。すると、フォックスは指示を出し始めた。
「S字とクランク行くぞ。そこ、右折。」
「りょーかい。」
マリオはフォックスの提案に反対することもなく、むしろ、内心喜んで、指示に従った。マリオは車を中央線に寄せると、交差点に出る直前で右ウィンカーを出した。そして曲がる。
「……………。」
マリオの一連の流れを、フォックスは無言で観察していた。心の内でため息を吐きながら。
「なぁ、S字ってそこ?これ左折したらいいのか?」
マリオはそんなフォックスの様子に気付かず、上機嫌で聞いた。
「……いや、しばらく右左折の練習をしよう。」
「はぁ?」
マリオの声のトーンが下がった。不服そうにフォックスをチラリと見る。そんなマリオに内心苦笑しながら、フォックスは言った。
「知っているだろうから何も言わなかったが、右左折の合図のタイミングは、右左折する30m前。右左折の手順は、ルームミラー、合図、3秒後目視、車を寄せて、交差点突入だ。」
「フォックス、そんな細かいこと言うなよ。」
フォックスは、とうとうはっきりとため息を吐いた。呆れ声で言う。
「これが仮免許試験だったら、さっきので大幅減点だぞ。」
「……ハイ。」
マリオは大人しくなった。
「じゃあ、そこで左折。ルームミラー見て、――」
マリオの講習は続く。
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