お題(三剣士同盟)
「ここが会場か……。うわぁ、緊張してきた。」
赤髪の剣士が大きな建物の前に立っていた。彼はその建物を見上げる。
“…ここで一波乱ありそうな気もするけどな。”
クックッと剣士は笑う。ふと脇を見ると、森の中に誰かいるのが見えた。その人はじっと剣士を見つめている。目が合うと、その人は言った。
「君は、誰?」
剣士が目をこらして見てみると、その人も剣を携えているのがわかった。それにしても、と剣士は思う。
“背景と同化してるんだが……。こいつは森の守人かなんかか?”
が、疑問はひとまず置いておくとして、赤の剣士は言い返した。
「名前を聞く時はまず自分から、だろ?」
すると、緑の剣士が笑った気配がした。
「その通りだね。」
しかし、それ以上は何も言わない。とうとう赤の剣士は行動に移すことにした。
「名乗る気はなさそうだな。………俺さ、気、短けぇんだよな。」
赤の剣士は腰にあった剣をゆっくりと引き抜く。
「あんた、見たとこ剣士だろ?……………相手しろよ。」
赤の剣士は襲い掛かっていった。緑の剣士も剣を引き抜くと赤の剣士の攻撃を受け止めた。緑の剣士は建物の方を一瞥すると森の奥に走りだした。
「逃げる気かよ!!」
赤の剣士は叫ぶと後を追う。緑の剣士は、赤の剣士が追って来ているのを確認するなり、より速く走っていった。
やがて、緑の剣士は立ち止まり、振り返った。赤の剣士も距離をおいて止まる。そこは少し開けた場所だった。
「………それなりの実力はあるみたいだね。オレ、結構本気で走ったんだけど。」
「どういうつもりだ。」
緑の剣士の感想を無視し、赤の剣士は怒りを剥き出しにした。すると、緑の剣士は肩をすくめて言う。
「剣を交えるなら、広い方がいいでしょ?」
そして、彼は剣を構えた。赤の剣士は唖然として緑の剣士を見つめた。が、すぐに言わんとすることを理解し、ニヤッと笑った。
「と、いうことで………手合せ、お願いするよ?」
今度は緑の剣士が赤の剣士に飛び掛かっていった。
キン、キン、キン!金属のぶつかり合う音が辺りに響いている。森の中にある広場で赤と緑が入り乱れる。二人の剣士が激戦を繰り広げていた。緑の剣士が剣を振り下ろす。当然の如く、赤の剣士はそれを受け止めた。再び笑みを漏らす。
「お前、強えな。クッ……大会が一層楽しみになってきた。」
「……………え?」
緑の剣士が動きを止めた。しかし、彼を振り切ると、容赦なく赤の剣士は斬り掛かる。仕方なく、緑の剣士はそれを受け流した。そして、飛びすさると赤の剣士と距離をおく。
「……君、もしかして参加者?」
「は?何言ってんだよ。じゃなきゃ誰がこんなとこまで来るんだ?」
赤の剣士は眉をひそめた。対して緑の剣士は力なく剣を下ろす。
「……うん、そうだよね………。ごめんね、いきなり挑発的な態度をとって。オレ、リンクっていうんだ。」
緑の剣士――リンクにはもう戦意はないようだ。赤の剣士はそう思うと剣を収めた。
「いや………。俺はロイだ。よろしくな。」
すると、リンクはにっこり笑った。
「うん、よろしく。」
その一部始終を影から見ていた者がいた。
「なかなか、良さそうなのが来たね。」
“しかも、僕と同じ剣士。……これからが楽しみだ。”
青の剣士――マルスは嬉しそうに笑った。
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赤髪の剣士が大きな建物の前に立っていた。彼はその建物を見上げる。
“…ここで一波乱ありそうな気もするけどな。”
クックッと剣士は笑う。ふと脇を見ると、森の中に誰かいるのが見えた。その人はじっと剣士を見つめている。目が合うと、その人は言った。
「君は、誰?」
剣士が目をこらして見てみると、その人も剣を携えているのがわかった。それにしても、と剣士は思う。
“背景と同化してるんだが……。こいつは森の守人かなんかか?”
が、疑問はひとまず置いておくとして、赤の剣士は言い返した。
「名前を聞く時はまず自分から、だろ?」
すると、緑の剣士が笑った気配がした。
「その通りだね。」
しかし、それ以上は何も言わない。とうとう赤の剣士は行動に移すことにした。
「名乗る気はなさそうだな。………俺さ、気、短けぇんだよな。」
赤の剣士は腰にあった剣をゆっくりと引き抜く。
「あんた、見たとこ剣士だろ?……………相手しろよ。」
赤の剣士は襲い掛かっていった。緑の剣士も剣を引き抜くと赤の剣士の攻撃を受け止めた。緑の剣士は建物の方を一瞥すると森の奥に走りだした。
「逃げる気かよ!!」
赤の剣士は叫ぶと後を追う。緑の剣士は、赤の剣士が追って来ているのを確認するなり、より速く走っていった。
やがて、緑の剣士は立ち止まり、振り返った。赤の剣士も距離をおいて止まる。そこは少し開けた場所だった。
「………それなりの実力はあるみたいだね。オレ、結構本気で走ったんだけど。」
「どういうつもりだ。」
緑の剣士の感想を無視し、赤の剣士は怒りを剥き出しにした。すると、緑の剣士は肩をすくめて言う。
「剣を交えるなら、広い方がいいでしょ?」
そして、彼は剣を構えた。赤の剣士は唖然として緑の剣士を見つめた。が、すぐに言わんとすることを理解し、ニヤッと笑った。
「と、いうことで………手合せ、お願いするよ?」
今度は緑の剣士が赤の剣士に飛び掛かっていった。
キン、キン、キン!金属のぶつかり合う音が辺りに響いている。森の中にある広場で赤と緑が入り乱れる。二人の剣士が激戦を繰り広げていた。緑の剣士が剣を振り下ろす。当然の如く、赤の剣士はそれを受け止めた。再び笑みを漏らす。
「お前、強えな。クッ……大会が一層楽しみになってきた。」
「……………え?」
緑の剣士が動きを止めた。しかし、彼を振り切ると、容赦なく赤の剣士は斬り掛かる。仕方なく、緑の剣士はそれを受け流した。そして、飛びすさると赤の剣士と距離をおく。
「……君、もしかして参加者?」
「は?何言ってんだよ。じゃなきゃ誰がこんなとこまで来るんだ?」
赤の剣士は眉をひそめた。対して緑の剣士は力なく剣を下ろす。
「……うん、そうだよね………。ごめんね、いきなり挑発的な態度をとって。オレ、リンクっていうんだ。」
緑の剣士――リンクにはもう戦意はないようだ。赤の剣士はそう思うと剣を収めた。
「いや………。俺はロイだ。よろしくな。」
すると、リンクはにっこり笑った。
「うん、よろしく。」
その一部始終を影から見ていた者がいた。
「なかなか、良さそうなのが来たね。」
“しかも、僕と同じ剣士。……これからが楽しみだ。”
青の剣士――マルスは嬉しそうに笑った。
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