短編の短編~学パロ~
ここはスマブラ学校。小中高と一貫していて、このあたりの住民はみんなこの学校に通っている。かくいうオレは高校二年だ。今はお昼休みで、友達と屋上でお昼を食べる予定だ。だからこうして屋上にいるわけだが……
「困ったな。」
いつもは閑散としている屋上は、今日は何故か人でいっぱいだった。しかも、一緒に食べる約束をしているロイはまだ来ない。すると、
「悪いリンク!パン販売、いつも以上に込んでてさ、遅くなった。……って、人多いな。」
噂をすればなんとやら、戦利品のパンを持って、ようやくロイが来た。
「うん……どうする?中庭にでも行く?」
オレは人混みは嫌いだ。ここで食べることはできないだろう。が、ロイは首を振った。
「あそこはあそこで多いだろ。無理やり入っちまおうぜ。」
「え、でも……ってロイ!」
オレの制止も聞かず、ロイはさっさと人を掻き分けて、空いてそうな場所に行ってしまう。このまま立っているわけにもいかない。仕方ない。オレはロイを真似て人混みの中に入って行った。ようやくロイを見つけた。…が、なんだか様子がおかしい。ぽかんと口を開けて何かを見ている。
「ロイ、どうしたの?」
近づきながら問う。するとロイはある方向を指さした。そちらを見てみる。青い髪と藍色の髪をした人がそこにはいた。そこを中心に人が群がっている。そういえば、周りにいるのはほとんど女の人ばかりだ。そうか、この人たちが原因でこんなに人がいたんだ。
「モテモテなんだね、あの二人。」
「何だお前、知らねーの?三年のマルスとアイクだぜ。剣道部の先輩。」
「え、」
有名なんだけどなー、なんて言っているロイを無視し、二人をよく見てみる。マルスという名には聞き覚えがあった。聞き覚えがあるなんて生易しいものじゃない。ロイと同じ剣道部。しかもエースだとか。そのマルスにオレはずいぶん熱心な勧誘を受けた。本当にしつこい勧誘だった。本当は剣道をやろうと思っていたのだが、その勧誘を受けて弓道に変更した。それも全て、彼を恐れてのことだった。そして…目が合った!あの人だ。青い髪の人が笑いかけてくる。そして近づいてきた。女子の悲鳴と共に警報が響く。逃げないと、やばい。でも、体が動かない!
「ロイ、それに……リンク君。奇遇だね。ここでお昼を食べるの?」
マルスは悠長な質問をしてきた。それにロイが憤る。
「何言ってんですか、マルス先輩。俺にどこで昼飯食うか聞いたの先輩じゃないですか。それが、こんな団体で占領するとか聞いてないですよ!」
……ロイ、君が教えたの……。オレは表情をこわばらせた。
「おい、そいつがお前の勧誘を断ったリンクってやつか。」
アイクっていう人もやってきた。
「そうだよ。……って、そんなに怖がらないで。あの時はちょっとやりすぎたと反省しているから。」
「………ハイ。」
オレはかろうじて返答した。それにマルスは苦笑する。
「さて、僕らは食べ終えたし、行こうかアイク。ロイ達の邪魔みたいだし。」
アイクは頷いた。二人は周りの反応を無視して歩き出した。が、すぐにマルスは振り向いた。
「あ、そうだ。次、機会があったら一緒に食べよう。二人より四人の方が楽しいよ。」
彼等は再び歩き出す。その動作に全て反応する女子はある意味すごい。オレは、そんな現実逃避を行っていた。
「やっと静かになったな。食べようぜ。」
ロイの声でハッと我に返った。まずい、マルスのことで頭がいっぱいになっていた。二人は食べ物を広げる。ロイは買ってきたパン、オレは家で作った弁当を食べた。
「ところでさ、リンク。マルス先輩からどんな勧誘受けたんだ?顔、真っ青だったぞ。」
オレは口に入れようとした玉子焼きを元に戻した。ロイにも分かるほど表情に出ていたんだ。オレは渋い顔をしながら答える。
「聞かないでよ。あんまり思い出したくないから。」
「そ、そうか……。」
ロイは微妙な空気に耐え切れず、パンをほおばった。オレもそれに倣う。
「つ、次の授業なんだよ?」
ロイはこの状況を打破しようと努めて明るく言った。オレはその心意気をありがたく頂戴することにした。
「経済。フォックス先生の。」
「うわー、マジ?じゃあ大変じゃん。フォックス先生って話長いし。」
オレは首を傾げた。
「そう?オレはフォックス先生の授業、好きだけどな。ロイは?」
「ファルコン先生のザ・熱血数学。」
オレは思わず噴き出した。よかった、口の中に何もなくて。
「何その名称。」
ロイはケラケラと笑った。
「俺がつけたんじゃないぜ?みんな言ってる。リンクのとこの数学誰だよ?」
「ターマス先生。」
「マジか。あの先生ナゾだよな。いっぱい教科掛け持ちしてるし。」
オレは頷いた。淡々と述べる。
「オレのクラスだけでも、数学、現代語、物理、歴史教えてる。」
「はぁ!?掛け持ちしすぎだろ。こっちでは英語とか古典教えてるし。ターマス先生の頭ん中どうなっているんだ。」
リンクはチラリと時計を見た。
「本人に聞いたら?さてと、ロイ。そろそろ行かないと。次の授業始まっちゃう。」
ロイも時計を確認した。
「うわ、やばっ!!急ぐぞ、リンク!」
ロイはオレをおいて走っていった。オレも後に続く。うん、次の授業何とか間に合うかな。
―――――――――――――
フォレストページ時代では、15000ヒット記念の3作品目として掲載していました。
「困ったな。」
いつもは閑散としている屋上は、今日は何故か人でいっぱいだった。しかも、一緒に食べる約束をしているロイはまだ来ない。すると、
「悪いリンク!パン販売、いつも以上に込んでてさ、遅くなった。……って、人多いな。」
噂をすればなんとやら、戦利品のパンを持って、ようやくロイが来た。
「うん……どうする?中庭にでも行く?」
オレは人混みは嫌いだ。ここで食べることはできないだろう。が、ロイは首を振った。
「あそこはあそこで多いだろ。無理やり入っちまおうぜ。」
「え、でも……ってロイ!」
オレの制止も聞かず、ロイはさっさと人を掻き分けて、空いてそうな場所に行ってしまう。このまま立っているわけにもいかない。仕方ない。オレはロイを真似て人混みの中に入って行った。ようやくロイを見つけた。…が、なんだか様子がおかしい。ぽかんと口を開けて何かを見ている。
「ロイ、どうしたの?」
近づきながら問う。するとロイはある方向を指さした。そちらを見てみる。青い髪と藍色の髪をした人がそこにはいた。そこを中心に人が群がっている。そういえば、周りにいるのはほとんど女の人ばかりだ。そうか、この人たちが原因でこんなに人がいたんだ。
「モテモテなんだね、あの二人。」
「何だお前、知らねーの?三年のマルスとアイクだぜ。剣道部の先輩。」
「え、」
有名なんだけどなー、なんて言っているロイを無視し、二人をよく見てみる。マルスという名には聞き覚えがあった。聞き覚えがあるなんて生易しいものじゃない。ロイと同じ剣道部。しかもエースだとか。そのマルスにオレはずいぶん熱心な勧誘を受けた。本当にしつこい勧誘だった。本当は剣道をやろうと思っていたのだが、その勧誘を受けて弓道に変更した。それも全て、彼を恐れてのことだった。そして…目が合った!あの人だ。青い髪の人が笑いかけてくる。そして近づいてきた。女子の悲鳴と共に警報が響く。逃げないと、やばい。でも、体が動かない!
「ロイ、それに……リンク君。奇遇だね。ここでお昼を食べるの?」
マルスは悠長な質問をしてきた。それにロイが憤る。
「何言ってんですか、マルス先輩。俺にどこで昼飯食うか聞いたの先輩じゃないですか。それが、こんな団体で占領するとか聞いてないですよ!」
……ロイ、君が教えたの……。オレは表情をこわばらせた。
「おい、そいつがお前の勧誘を断ったリンクってやつか。」
アイクっていう人もやってきた。
「そうだよ。……って、そんなに怖がらないで。あの時はちょっとやりすぎたと反省しているから。」
「………ハイ。」
オレはかろうじて返答した。それにマルスは苦笑する。
「さて、僕らは食べ終えたし、行こうかアイク。ロイ達の邪魔みたいだし。」
アイクは頷いた。二人は周りの反応を無視して歩き出した。が、すぐにマルスは振り向いた。
「あ、そうだ。次、機会があったら一緒に食べよう。二人より四人の方が楽しいよ。」
彼等は再び歩き出す。その動作に全て反応する女子はある意味すごい。オレは、そんな現実逃避を行っていた。
「やっと静かになったな。食べようぜ。」
ロイの声でハッと我に返った。まずい、マルスのことで頭がいっぱいになっていた。二人は食べ物を広げる。ロイは買ってきたパン、オレは家で作った弁当を食べた。
「ところでさ、リンク。マルス先輩からどんな勧誘受けたんだ?顔、真っ青だったぞ。」
オレは口に入れようとした玉子焼きを元に戻した。ロイにも分かるほど表情に出ていたんだ。オレは渋い顔をしながら答える。
「聞かないでよ。あんまり思い出したくないから。」
「そ、そうか……。」
ロイは微妙な空気に耐え切れず、パンをほおばった。オレもそれに倣う。
「つ、次の授業なんだよ?」
ロイはこの状況を打破しようと努めて明るく言った。オレはその心意気をありがたく頂戴することにした。
「経済。フォックス先生の。」
「うわー、マジ?じゃあ大変じゃん。フォックス先生って話長いし。」
オレは首を傾げた。
「そう?オレはフォックス先生の授業、好きだけどな。ロイは?」
「ファルコン先生のザ・熱血数学。」
オレは思わず噴き出した。よかった、口の中に何もなくて。
「何その名称。」
ロイはケラケラと笑った。
「俺がつけたんじゃないぜ?みんな言ってる。リンクのとこの数学誰だよ?」
「ターマス先生。」
「マジか。あの先生ナゾだよな。いっぱい教科掛け持ちしてるし。」
オレは頷いた。淡々と述べる。
「オレのクラスだけでも、数学、現代語、物理、歴史教えてる。」
「はぁ!?掛け持ちしすぎだろ。こっちでは英語とか古典教えてるし。ターマス先生の頭ん中どうなっているんだ。」
リンクはチラリと時計を見た。
「本人に聞いたら?さてと、ロイ。そろそろ行かないと。次の授業始まっちゃう。」
ロイも時計を確認した。
「うわ、やばっ!!急ぐぞ、リンク!」
ロイはオレをおいて走っていった。オレも後に続く。うん、次の授業何とか間に合うかな。
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フォレストページ時代では、15000ヒット記念の3作品目として掲載していました。