短編の短編

「大食い競争を開催しようと思います。」

突然のターマスの訪問。そして、突然のターマスの言葉。

「……結果見えているんだが……やる意味あるのか?」

スネークがやれやれとしながら言った。だが、次の瞬間、

「あるある!」

「あるよ!」

二人の叫び声が響いた。もちろんその犯人はカービィとヨッシーだ。

「招待状に書いた以上、やらないわけにはいかないのです。」

ターマスは淡々と述べた。

「それ、君の都合だよね?」

マルスが聞くと、ターマスはにこりともせずに、

「何か問題が?」

とだけ言った。マルスはため息を吐いたが、それ以上は何も言わなかった。

「全員参加ですか?」

オリマーが聞いた。オリマーは不安そうな顔をしている。ターマスは無言で考え込んだ。一同を確認する。カービィとヨッシー以外は乗り気ではない。嫌そうな顔をする者すらいた。やがて、ターマスは何かを決めたようで、一つ頷いた。

「ではこうしましょう。出たい方だけが出場します。…食料も足らない可能性もありますし。

「えー、みんなじゃないのー?」

カービィは頬を膨らませた。

「勝つ気しねーからな……お前とやりあったら腹壊しそうだ。」

ロイがカービィの文句を一刀両断した。

「では、出場される方は?」

「「はーい!」」

ターマスの人数確認に、カービィとヨッシーは当然手を挙げる。

「ボクも、」

「お願いだからやめて、ゼニガメ。」

ゼニガメがトレーナーに引き留められた以外、他の人は動きもしなかった。
そうして、カービィとヨッシーは席についた。

「私の魔法で、食べ終えると次の食べ物が出てくるようになっています。時間は無制限。先に満腹になった者が負けです。では、お二方、準備はいいですか?」

「うん!」

「OKだよ!」

「では……スタート!」

ターマスが指をパチンと鳴らすと、食べ物が現れた。カービィとヨッシーは食べ始める。

「二人がどれだけ食べるか、見物だな。」

ファルコンは興味深そうに言った。

「食べた量によっては、普段の食べっぷりも納得できるかしら?」

サムスは呆れたように呟いた。

「それとこれとは別問題な気が……。」

ピカチュウはため息を吐きながら、カービィとヨッシーを眺める。
話しているうちにも、二人はどんどん食べる。ペースは全く落ちない。

「どっち優勢なの?」

「うーん……同時、だね。食べるの。」

ナナとポポが言ってから、メンバーは黙って見守った。

1時間が経過した。カービィとヨッシーの様子は全く変化していない。そのため、見ているのに飽きた人も出てきた。

「……ターマス、これ、ここにいなきゃダメか?」

我慢できなかったファルコがターマスに聞いた。ターマスはチラリとファルコを見、食べている二人に視線を戻した。

「そうですね……私が審判をいたしますので、いなくても大丈夫ですよ。」

これを聞いたみんなは、好きなように過ごし始めた。

更に1時間が経過した。完全にいなくなってしまった人がいる中、何人かは勝敗の行方を見守っていた。

「これ……応援とかいらないね……。」

リュカが呟いた。それもそのはず、二人は全く苦しそうではなかった。食べるペースも衰えていない。また、不思議なことに、ペースは速いが、綺麗な食べ方をしていた。

更に3時間、つまり、計6時間が経過した。

「うわー、まだやっているの?」

一遊びして帰ってきたネスは、部屋に入った途端、驚いて声を発した。

「見ているだけで吐きそうだな。」

一緒に入ってきたドンキーも顔を歪めている。

“まずいな……。”

そんな二人には見向きもせず、競争を見守っていたターマスは、内心焦り始めていた。だが、気づくのが少し遅かった。その時、カービィとヨッシーが今の料理を食べ終えた。しかし、次の食べ物が出てこなかった。

「ちょっとターマス!次は!?」

「まだ足りないよ!!」

一同は唖然とした。6時間も食べ続けてまだ足りないとはどういうことだ。

「申し訳ありません。準備していた食べ物は全て消費してしまいました。勝負はここまで。引き分けとさせていただきます。」

ターマスが焦った理由、それは食料の量だった。しかし、ないものは仕方ないと、ターマスは強制的に競争を終わらせることにした。

「「えー!!」」

ブーブーと文句を言う二人。だが、ターマスは取り付く島もなく、片づけを始めてしまった。

「足らない、足らない、足らないよー!!」

「思う存分食べていいんじゃなかったの!?」

「いや、それ、目的が違うから……。」

つっこみ空しく、二人は駄々をこね続けていた。

「……二人って、普段は相当我慢していたんだね……。」

「言うな、リンク。頭が痛くなる……。」

カービィとヨッシーの様子を見守りながら、リンクとフォックスはため息を吐いた。




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