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短編の短編

ロケット団とクッパ一味を倒し、帰ってきたマリオ達。何があったのかの報告だけして、その後は普段通りに過ごしていた。マルスは、流石に疲れたので早めに床についた。だが、どうやら早すぎたらしい。夜中に目が覚めてしまった。もう一度寝ようと試みるが、寝付けない。喉も乾いていたので、気分転換に部屋を出る事にした。

みんなの部屋からの帰り。

「……ん?」

マルスは違和感を感じた。今は深夜。シンと静まり返っているはずだ。だが……何かの音が聞こえる気がする。マルスは神経を集中させた。

“やはり何か聞こえる?何だ?”

マルスは音の原因を探るため、音がする方に向かって歩き出した。階段の前までくる。

“2階から……。”

マルスは階段を静かに上がった。上がりきると、その音は人の声だったことがわかった。だが、内容までは聞き取れない。

“こんな時間に誰が何をしているんだ?……この声……リンク!?”

マルスは声の主がリンクだと分かった途端、顔を引き締めた。リンクはスマッシュブラザーズ結成理由を知っているただ1人の人物だ。その彼がやっていることは……結成理由を知るための重大な鍵となる。マルスはそっと声のする方へ近づいた。その声は、会議室から聞こえてきていた。静かに扉を開ける。

「調べるって、何かあってからじゃ遅い………って切られた。」

ようやく内容まで聞こえた。しかし、何のことやらさっぱり分からない。マルスは部屋の様子をうかがった。すると、丁度リンクが電話の受話器を置くところだった。

“電話をしていたのか……。相手は十中八九ターマスだろう。”

リンクは受話器を置いた後、じっとしたまま動かない。様子を伺っていても収穫はないと判断したマルスは、リンクに話しかけた。

「こんな時間に何しているんだい?」

リンクが肩をびくつかせた。驚いてマルスを見る。

「マ、マルス……。どうしてここに?」

「声が聞こえたからね、来てみたんだ。こんな時間にこんな場所、しかも電気もつけずに電話とは……。もしかして、例の話かい?」

リンクは眉をひそめた。

「例の話?何のこと?」

「とぼけないでくれるかな。結成理由だよ。」

リンクはため息を吐いた。

「またその話?オレは話さないって言ってるでしょ。」

リンクはマルスをすり抜けて、部屋を出ようとした。だが、ここでリンクを逃がすつもりのないマルスは、リンクの手をつかんだ。

「何かあってからじゃ遅い?」

リンクはうんざりした顔をした。

「盗み聞き?人が悪いよ。」

マルスは肩をすくめた。

「聞こえてきたんだ。で、どういうことだい?」

リンクは再びため息をついた。

「今日のことを聞いただけだよ。」

マルスは眉間に皺をよせた。

「今日のこと……例の少年の?」

「そう。疑問がいっぱいだって言ったでしょ。」

「だけど、そんなことターマスに聞いたって、」

「うん、大した答はもらえなかった。じゃ、おやすみっ!!」

「あっ!」

リンクはマルスの手を振りほどいて、走り去っていった。

「……また、何の収穫もなし、か。……ん?今の話じゃあ、リンクの電話での最後の言葉が説明つかないぞ……上手くはぐらかされたな……。」

マルスはやれやれと首を振った。




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