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短編の短編

裏話、という名の没話。
ピカチュウの頼みにより、リンク達がクッキー作りをするシーンです。
―――――――――――――

リンクは次の生地を作ろうとキッチンの方に向き直った。が、次の瞬間、固まってしまった。そこでは…

「リザードン、ふるえたよ。」

「まだ卵が間に合ってない。次の分もふるっておけ。」

リザードンとフシギソウが作業をしていた。しかも、なかなか手慣れており、てきぱきと動いている。

「……あの、オレのやることはありますか?」

リンクは思わず敬語で話していた。そこでリザードンとフシギソウは、リンクが固まっていたのに気付き、顔を見合せて苦笑した。

「僕達がおかしを作れるからびっくりした?こっちは任せていいよ。」

リザードンはそれに頷いた。

「それより…あの三人がおなしなことをしないか心配だ……って、勝手に焼くな!!」

リザードンの目線を追ってみると、トレーナーがクッキーの載ったトレーを持って、オーブンの前にいた。注意された本人はきょとんとしている。

「あらら、言ってるそばから……。リンク、お願いね。」

リザードンとフシギソウは有無を言わせず、元の作業に戻ってしまった。リンクは、彼らの意外な特技による衝撃から立ち直っていなかったが、とりあえずトレーナーに向き合った。

「…えっと、とりあえず…それ、一度机に戻して。多分、そのままだとひっついちゃうから。それに、」

リンクはオーブンのところに行った。トレーナーは言われた通りにトレーを机に戻した。

「クッキーを焼く時は、あらかじめ温めとかなきゃいけないんだ。えっと…ピカチュウ、ちょっとレシピ貸して。」

ピカチュウは丁度隣に置いてあったレシピを拾うと、リンクに手渡した。

「ありがとう。それで…あ、ここだ。」

リンクはオーブンを操作した。

「これで良し、と。」

リンクは再びリザードンとフシギソウの方を見た。

「やっぱり俺のやることなさそうだね…。」

二匹はリンクの視線にも気付かず、生地作りにいそしんでいた。

リザードンとフシギソウの多大な協力もあって、ピカチュウのお願いは果たされたのだった。




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