短編の短編
小ネタです。
そしてギャグ(再び挑戦…!)
何故か管理人の物が登場します。
出演は贔屓キャラ-マルス+ロイ、ピーチ、ポケモン達-ルカリオ
―――――――――――――
「ロイ、いきなり俺達を集めて何を始める気だ?」
少々不機嫌なフォックス。メインルームにはロイ、フォックス、リンク、トレーナーとポケモン達、そして何故かピーチがいた。
「カラオケ。」
ニヤニヤしながらロイが答えた。すると、ガクッとフォックスから力が抜けたのが見てとれた。
「そんな程度のことで……。じゃあ、なんだよ、この微妙なメンバー。」
フォックスは気を取り直して再び聞いた。すると、ロイはぽかんとした顔をした。
「微妙?何が?」
フォックスはため息を吐く。
「お前がリンクを誘うのは分かる。そして、そこからトレーナー、ポケモンと繋がっていったのだろうということは想像できるし、ピーチもお茶会かなんかの延長なんだろう。…で、なんで俺?」
「リンクと仲いいじゃねぇか。」
他に理由がいるか?とロイは首を傾げて見せた。すると、フォックスはやれやれとため息を吐いた。
「否定はしないが……なんでカラオケで俺を?」
「面白そうだったから。」
ロイの返答はフォックスの神経を逆撫でするものだった。しかし、フォックスはすでに諦めていた。もう何も言わない。
「でもロイ。なんでここなの?カラオケなら、そういう店に」
「コンがその機械の代わりをしてくれるんだってさ。」
リンクの問にロイはノリノリで答えた。そして、懐から何かを取り出した。
「それは何?」
ピーチが楽しそうに聞いた。
“嫌な予感がするのは俺だけか……?”
相変わらずフォックスの顔はすぐれない。だが、顔を顰めていたのはフォックスだけではなかった。
「……それ、ウォークマンだよね。」
トレーナーの少々暗い声とは対象にロイは嬉々として明るい声で答えた。
「その通りだ!!管理人のやつを ちょっと 拝借して来たんだ。」
「……盗んだ、の間違いじゃないの?」
リンクの指摘にロイは声を荒げた。
「断じて違う!ちゃんと返すから問題ない!!」
そこにため息が三つほど。先が思いやられるのは仕方がない。
「じゃ、ルールを説明するからな!」
「ルール!?」
みんなの声が重なった。ポケモンの中には、表情を崩したまま立ち直れていないものもいる。
「…俺たちはゲームか何かをするために集まったのか。はじめと話が違う気がするんだが。」
最初に抗議したのはやはりフォックスだった。しかし、言ってどうなるわけでもないと思っているのは、動きもせずに垂れ下がった耳や尻尾を見れば明らかだった。完全に諦めているリンクに関しては、さっさと始めろと言わんばかりだ。
「いやいや、カラオケだよ。でも、ただ好きな曲を順番に歌うってのも退屈だからさ。特別ルールを設けようってこと。」
「……好きな曲じゃダメなの?」
不安そうにトレーナーが聞いた。ニヤニヤしながらロイが頷いた。
「で?そのルールは一体どんなもの?」
唯一楽しんでいるピーチがロイを促した。
「至って簡単だ。このウォークマンをランダム再生する。で、それを順番に歌ってくんだ。」
「あら、面白そうね!」
ピーチは相変わらずだ。対してフォックスやトレーナーはどんどん気分が沈んでいっていた。
「…知らない場合は?」
「がんばれ☆」
ハァ、と特大のため息が漏れる。そして、フォックスは覚悟を決めた。
“…もう、どうにでもなれ、だ。”
自棄になったともいう。
「ねぇ、誰から?」
さっさと始めてさっさと終わらそうと思ったリンクはイライラと聞く。違う意味で早く始めたいロイは再び仕切りだした。
「えーと、じゃあ…じゃんけんで。行くぜじゃーんけーん」
ポン、という言葉と同時に出された手。
「………まじか。」
フォックス←グー
その他←パー
「フォックスからだな。ほらよ。」
ロイはウォークマンを差し出した。フォックスはため息を吐きながら受け取る。
「じゃあ、やるぜ?」
フォックスはランダム再生に設定すると、一つ戻してから次を押した。
きれいな音が流れ始めた。しかし………………。
「なぁ、これさ……歌じゃねぇよな?サウンドのみだよな。BGMだよな………。」
「そうだね。」
トレーナーが覗きながら言った。
「FFCCのサウンドトラック。曲名は『命の水』、だって。」
「…まさかこれを歌えとは」
「言わねぇから!次いけよ。」
フォックスは頷くと次を押した。が、すぐに手に持っているウォークマンをどこかに投げ付けたい衝動にかられた。
「なんだよこれ!?は?英語?」
イライラとフォックスはスピーカーを見つめた。因みに、フォックスは英語を解しないのではない。では、なぜ怒りだしたのかというと……
「リスニングかよ!?歌えるか!しかも、そもそも曲ですらねぇ!!」
こういうことである。
「フォックス、落ち着いて。次行こうよ。」
リンクの言葉にフォックスは頷き、多少の苛立ちを残しながらも進めた。
今度は楽しげな曲が流れ始めた。が…
「これ、BGMだよ。ヒマワキの。」
トレーナーが淡々と言った。フォックスは無言で次を押しはじめた。以下、羅列する。
崖の上のポニョ(生演奏アレンジ)
chapter09(リスニング)
フィナーレ(FF1初期)
二律背反(TOSR)
第十一回復習1分クイズ(リスニング)
51(Essentials2.5) (リスニング)
仲間に加える(FF2初期)
91(英文解釈本) (リスニング)
chapter04(リスニング)
戦場2(スマックス)
41(Essentials2.5) (リスニング)
エッグマンのテーマ(ソニアド2)
「ストップ!!それ歌!!歌だから!!」
フォックスは完全に不機嫌だった。それでも、仕方なしにマイクをとる。
なんとか一曲目終了。
「……ムズい。」
「まぁ、あれはね………。」
疲れ切ったフォックスにトレーナーは苦笑いをしながら労りの言葉をかけた。フォックスは再びため息をついた。
「……次、行こうか。時計回りね。じゃあ、ロイ。」
リンクが力なく言った。既に、すぐには終わらないのは明らかになっている。しかし、ロイの突拍子もない思いつきはまだ始まったばかりだった。ロイは黙ってウォークマンを受け取った。自分の言い出したことではあったが、ロイは後悔しはじめていた。次に一つ進める。
ダンジョン(FF1初期)
ピアノのおけいこ1(FF5)
幻獣を守れ!(FF6)
カジノ(ポケモンLGFR)
ジムリーダーに勝利!(ポケモンDP)
静寂の彼方(FF5)
ライバル(ポケモンDP)
VSマルク(スマックス)
どうぐをひろった!(ポケモンHGSS)
Buckbeak'sFlight(ハリポタ3)
間にリスニング×6
オペラっぽいの
「…今回は結構早かったね。」
そんな厭味ともとれるトレーナーの言葉を聞き流しながらロイはマイクをとった。
“……なんだよこれ……歌えねぇ……。”
ロイはなんとか歌い切るとウォークマンをピーチに渡した。
「……止めようとは思わないの?」
リンクが横槍を入れる。が、
「当ったり前だ!!30曲!少なくとも30曲いくぞ!!」
ロイは噛み付くように言い返した。リンクはため息を吐いた。嘘だろ……と呟く声がする。おそらくフォックスだ、と勝手に目星をつけながら、リンクはピーチに目を向けた。何が面白いのか、ピーチは進めもせずにニコニコとこちらを見ていた。早くしてくれ、と声には出さないが憤りを感じ、再びリンクはため息を吐いた。
“……だけどさぁ……もうちょい上手い具合に進んでくれねーかな………。”
ああは言ったものの、実際ロイもやけだった。ふとポケモン達を見ると、退屈そうにしている。ゼニガメに至っては居眠りしていた。さすがにそれを見ると、ロイも罪悪感を感じた……。が、止める気は毛頭ない。
「……ピーチ、早く進めてよ。」
リンクはとうとう痺れを切らし、ピーチを促した。
「あら、ごめんなさいね。」
相変わらずニコニコ笑っているピーチを見て、誰が反省していると判断するだろうか。とにかく、ピーチはようやく進め始めた。
サント・アンヌ号(ポケモンFRLG)
ルージュのテーマ(ソニアド2)
「早っ!!!!」
ピーチは得意げにマイクをとった。そして歌い切る。
……それも、なんとか、というレベルではなく、それはもう上手に。
「ピーチ、すごいね。知ってる曲だったの?」
トレーナーがにこやかに聞くと、ピーチは満面の笑みで答えた。
「いえ、はじめての曲よ。でも、この曲いいわね。私、好きだわ。」
「…………なんてこった。」
呟いたのが誰であるのか、それはご想像にお任せしよう。
「……と、とにかく。次、リンクだよね。進めてよ。」
あぁ、オレか……と思いながらリンクはウォークマンを受け取った。その顔はげんなりしている。
カイナ(ポケモンRS)
Rebel Army Theme(FF2アレンジ)
Quest,Everyone1(FFCCRoF)
視線!エリートトレーナー(ポケモンRS)
目覚め(FF6)
ダンジョン(FF3初期)
トキワのもり(ポケモンHGSS)
戦闘!ジムリーダー(ジョウト) (ポケモンHGSS)
やすらぎ(FFCC)
勝利(VS野生ポケモン)(ポケモンFRLG)
まぶしくて(ワンピース)
(他、リスニング×8)
“やっと来た。”
リンクは大義そうにマイクをとった。
“なんだよ、こいつ。意外に上手いし。”
ロイが舌を巻くように、リンクはそれなりに歌い切った。
“……運が良かった……音域が近かったし……。”
……リンクが思ったことは、今は言ってはいけないだろう。リンクはトレーナーにマイクを渡した。口には出さないが、がんばれ、と目が言っている。トレーナーは苦笑して、再生を始めた。
リニア(ポケモンHGSS)
リスニング
ポケモン赤緑金銀オーケアレンジ おまけ
おれたちゃ海賊(FF5)
いわれなきリベンジ/ブッコワシ賛歌(スマックス)
覚悟を決めろ(FFCC)
KIZUNA(ピチピチピッチ)
“…案外早かったけど………これ!?”
トレーナーは内心焦っていた。雰囲気&音域が絶対自分に合っていないと前奏から予測する。が、……歌わないわけにもいかず、なんとか歌い切った。
「…もう、やだ。」
「ト、トレーナー、そんなこと言わずにもうちょっと付き合ってくれよ……。」
思わずロイは懇願してしまう。しかし、この集まりに意味は、全くない。
「……うん……。次はゼニガメだけど………。」
「僕が歌うよ。起こすの可哀想だしね。」
フシギソウが言った。トレーナーは頷いた。
「じゃあ、ちょっと待ってね。再生だけするから。」
再び、トレーナーは始めた。
年に一度のお祭り(FFCC)
アムルの街(FF3初期)
The Werewolf Scene(ハリポタ3)
遠い日々(ジブリアレンジ)
メタルバトル(スマデラ)
戦い(VSデオキシス)(ポケモンFRLG)
エンディング・テーマ(FF4)
コトブキ夜(ポケモンDP)
パンプキンヒルズ(ソニアド2)
ジムリーダーに勝利!(ポケモン金銀)
エリア6(スマックス)
ピラミッドケイブ(ソニアド2)
Final(ハリポタ3)
クッパ3号(スーパーマリオ64)
ピアノのおけいこ3(FF5)
星月夜アレンジ(FFCC)
間にリスニング×10
「……今回はまた長いね。」
フシギソウは苦笑するとマイクをとった(蔓で)。
“…またなんでお前は上手いんだ!!”
フシギソウは綺麗な声をしていた。
“と、いうか、お前、案外音域高いんだな。”
ロイの心の声はもはや現実逃避に聞こえる。フシギソウは歌い切った。
「カラオケって意外に面白いんだね。」
……今の爆弾発言は聞かなかったことにしよう。
「…トレーナー、早く進めてくれ。」
いつの間にかフォックスは机に突っ伏していた。起き上がる気配は、ない。
「あ、うん。リザードン、進めるからね。」
リザードンは嫌そうな顔をしたが、無言で頷いた。トレーナーは苦笑してウォークマンと向き合う。
“現在楽しんでるのはピーチだけ……って、ロイ、君もつまらないならさっさとお開きにしてよ………。”
リンクの言うとおり、メインルームは暗く、どんよりした空気が流れていた。その空気の中で、何故ピーチはニコニコ笑っていられるのか理解に苦しむ。
だが、謎のカラオケ大会はまだまだ続く。
リザードンがため息を吐いている隣で、黙々とトレーナーは進めている。
クッパへの道(マリオ64)
11ばんどうろ(HGSS)
クラシック
Lumos!(ハリポタ3)
親方シド(FF4)
かぶれんじょう(HGSS)
HANABI(ブリーチ)
間にリスニング×3
「はい、リザードン。頑張ってね。」
歌が見つかると、トレーナーは何の感想も言わずにマイクを差し出した。案外早く次の歌が決まったことに内心安堵しながら、リザードンはそれを受け取った。しかし、その直後、リザードンは硬直した。
“……これを俺に歌えと……?”
まず、速い。そして、リザードンより遥かに高いキー。おまけに、歌などうたったことがない。無理難題もいいところだった。が、ロイの馬鹿げた思いつきのおかげで歌わないという選択肢は始めからない。最終的にリザードンもなんとか歌い切った。
「……もう二度とこんなことはせん。」
「リ、リザードン………。」
トレーナーは苦笑した。リザードンは力強くマイクを机の上に置いた。(かろうじて、叩きつけるのは押さえたようだ。)
「え、えーと……次はピカチュウかな。」
トレーナーが周りを伺いながら言うと、疲れ切ったピカチュウがとぼとぼとトレーナーに歩み寄った。
「もう一回聞くけど。」
既に嫌気がさしてきていたリンクが声を上げた。
「ロイ、やめる気はないの?」
「ない。」
ロイは即答した。フォックスの耳が少し立っていたが、すぐに力なく垂れ下がった。
「…………そう。」
リンクはいすに深く腰掛けた。光の灯っていない目でトレーナーを見る。早く進めろ、ということだろう。トレーナーは苦笑して次に進めた。
24ばんどうろ(HGSS)
砂に眠る秘宝(FFCC)
むしとりたいかいで2位(HGSS)
最後の戦い(FF5)
バトル2(FF9)(DFF)
狂気を孕む者(TOSR)
あの丘を越えて(DFF)
マッドスペース(ソニアド2)
レインボーキャッスル(マリパ)
間にリスニング×5
Believe(ワンピース)
ピカチュウはマイクを拾い上げた。そして唄う。
……が、明るい曲にもかかわらず、その声は暗い。むしろ、高音を出しながら暗い雰囲気を醸し出し続けているのはある意味拍手ものだ。
ピカチュウも歌い終わった。ピカチュウは何のコメントもせずにマイクを置き、ゼニガメの横に座り込んだ。ジト目でロイを見る。が、それで終了できたら始めからやっていない。ロイはピカチュウの非難がましい視線を意識から除外した。
「………フォックス。次だ。」
が、フォックスは顔を上げない。
「フォックス!!」
ロイが声を荒げた。すると、ふわりと尻尾が揺れた。
「……誰か再生して。」
ピシッと空気に亀裂が入る。が、トレーナーが苦笑しながら
「もう、このまま再生係するよ。」
と申し出たことで、その場はしのがれた。
「じゃあ、再生してくね。」
トレーナーが健気にも努めて明るく言うと、またフォックスの尻尾がふわりと揺れた。
工場(スマックス)
バトルステージ(ポケモンHGSS)
みんなでクエスト!2(FFCCEoT)
クレイジーガジェット(ソニアド2)
テルーの唄(ジブリアレンジ)
クリスタルコア(FFCCEoT)
エンディング(ポケモンR&S)
アスタリスク(ブリーチ)
間にリスニング×4
曲が決まると漸くフォックスは起き上がった。ゆっくりした動作でマイクをとった。
“……今度は歌える曲なんだろうな………?”
軽快なリズムで歌いだす。
“速いけどなんとかなりそうだな。………って”
フォックスが止まった。
“…………………ラップかよ。”
なんとか終了。……ほとんど歌っていなかったが。フォックスは無言でマイクを置くと、再び机に伏せた。
「………おい。」
フォックスのあからさまな態度にロイの声もきつくなる。が………この場合、フォックスの態度は当然であろう。
「…次ロイでしょ?文句言って一々中断しないでよ。」
そこでリンクがイライラと軌道修正した。ロイはリンクを睨んだ。しかし、リンクの言う通りであったので、何も言い返さずにマイクをとった。トレーナーに顔を向ける。
“……結局、僕がするんだね、これ。”
内心ため息をつきながらトレーナーは作業を始めた。
Spinach Rag(FF6)
リスニング
リスニング
Finaly...We're Back Home(FFCCRoF)
わかるかな?(マリパ2)
今日が来て、明日になって(FFCC)
What I've Been Looking For(ハイスクールミュージカル)
“うっわ、まーた早いな…いや、早いのに越したことはないが……今までの傾向考えると……………………………まずいな。”
ロイはただ自分の番を待っていたわけではなかった。謎のカラオケではあるが、(何故か)一応分析していたのだ。 比較的 早く回ってきた人はまともに歌えた試しが
“あるじゃんか、まともに歌えた前例。”
ウンウンと一人勝手に納得しながらロイは曲が流れるのを待った。曲が始まる。
“意外とハイテンポ………って、まさかのデュエット………!!”
結局、ロイは分析結果の例外とはなり得なかった。
“……一回きちんと歌い切りてぇ…。”
ムスッとした顔でロイはマイクを置いた。すると、すぐにピーチがマイクをとった。
「じゃあトレーナー、よろしくね。」
ピーチはにっこりと笑う。どうやら自分の番を待ちわびていたようだ。
“その前向きな思考が僕にも欲しい……。”
トレーナーは苦笑いを返すとウォークマンに向き直った。
リスニング
リーガルのテーマ(TOSR)
Lunatic Tears
「決まったよ。」
トレーナーが事実のみを淡々と告げた。全員が早いと感じたが、それを指摘するだけの気力が残っているものはいなかった。
ピーチは歌いだす。さっきとは音域、雰囲気、ともに違っていたが、またしてもピーチはすばらしかった。
「お前、さっきから運いいよなぁ……。」
恨めしそうにロイが言った。それにピーチは目を丸くした。
「そうかしら。そんなことないと思うんだけれど。」
ロイは何も言わずに頷いた。
「次は………リンク?」
トレーナーが問うと、リンクはため息を吐き、気だるそうに手を差し出した。が、その意図をはかりかねて、トレーナーは首を傾げた。
「君ばっかりは悪いから。それ、自分でやるよ。」
トレーナーは目をぱちくりさせ、リンクとウォークマンを見比べた。そして、この日一番の笑みをリンクに向けた。
「大丈夫。これ、意外と楽しいし。僕がやるよ。じゃ、すすめるね。」
リンクは苦笑した。
「じゃあ、お願いね。」
トレーナーは頷いて、次に進めた。
トレーナーに勝利!(ポケモンDP)
オーエンの塔(FF3)
安らぎのある場所で(DQソード)
浮遊城(FF1初期)
Wi-Fi通信(ポケモンHGSS)
封印されしもの(FF5)
グローバルターミナル(ポケモンHGSS)
底なし穴(千と千尋の神隠し)
バトル1(FF4)
ポーキーのテーマ(スマックス)
間にリスニング×7
ただ…逢いたくて
リンクはマイクをとった。
“……オレも運はいいかもしれない。音域近いのばっかだし。………曲が決まるまでが長いけど。”
そして終了。
「なぁ、なんでお前はさっきから」
「だから中断させないでよ。じゃあ、次はトレーナーだね。」
さっき長々と中断してただろーが、と喚くロイを無視して、リンクはトレーナーの側にマイクを置いた。トレーナーはそれを無表情で見つめた。
“出来れば歌いたくないんだけど………。”
トレーナーはため息を吐くと、仕方なく作業に移った。
間にリスニング×13
エンディング(FF1)
205ばんどうろ夜(DP)
サファリパーク(HGSS)
アスレチック(スマックス)
ポケモンのふえ(HGSS)
ソノオタウン夜(DP)
ラストバトル(ピカチュウ版他)
サファリゲート(HGSS)
ミニゲームランド(マリパ2)
Important Partner(FFCCROF)
ポフィン(DP)
川面にうつる雲(FFCC)
クチバシティ(金銀)
Possessed Father(FFCCROF)
みんなでクエスト!3(FFCCEOT)
戦闘シーン1(FF2初期)
たびだちのワープどかん(マリパ)
悠久の歴史(FFCCEOT)
ハイラル平原(トワプリ)
シオンタウン(ピカチュウ版他)
「う、うわぁあ!!」
突然、トレーナーが悲鳴を上げて立ち上がった。その時にウォークマンは投げ出されたが、ロイがなんとかキャッチした。
「誰か褒めてほしい……。」
ロイはこっそり呟いたが、誰も聞いていなかった。そもそも、ウォークマンが放り出されたことすら気付かれていなかった。
「どうしたの、トレーナー?」
リンクが心配そうに問い掛けた。ポケモン達はもちろん、伏せていたフォックスも、寝ていたゼニガメもトレーナーを見守っている。
「トレーナー?」
リンクがもう一度呼び掛けると、トレーナーはようやくビクッと反応した。が、
「ご、ごめん!僕、これだけは……この曲だけは無理!!」
と叫び、飛び出して行ってしまった。
「……一体どうしたんだ?」
フォックスが呟く。因みに、現在も曲は流れ続けており………
「つぅかなんだよこの曲。寒気がする。」
とロイが切った。
「それ、シオンタウンって場所で流れる曲なんだけど……ちょっとそこでいろいろあってね。」
フシギソウが苦笑しながら説明した。
「おいフシギソウ。放ってはおけん。行くぞ。」
リザードンが寝呆けているゼニガメを持ち上げながら言った。そして出ていく。
「もっと歌いたかったなぁ。」
なんてのたまいながらフシギソウもついていった。これ幸いとピカチュウも追いかけて行った。
しばらく部屋は静まり返っていた。
「そうだよな。」
突然、フォックスが声を出した。
「な、なんだよ。」
ロイが狼狽えて尋ねる。が、フォックスはそれには答えずに、
「始めからこうすりゃよかったんだ。」
と言って出ていってしまった。
「あ、おい………ってそういうことかぁ!!なんだよお前ら最後まで付き合」
「ロイ、君も楽しくないって顔してたけど?」
ロイは言い返せなかった。肩をすくめると、リンクも出ていってしまった。
「……否定してぇ……。」
ロイはぼやいた。
「やっぱり、あなたも意地だけで続けていたのね。」
ピーチがウォークマンを弄びながら言った。小さくロイは頷いた。
「だからいい曲が当たらないのよ。」
にこり、と笑みをこぼしてピーチは言ってしまった。
「楽しんでないから……そっか、なんでそんな当り前のことに気付かなかったんだろ。」
ロイは誰もいなくなった部屋を見渡した。
「思えば始めから嫌な雰囲気だったし……これは仕切り直しだな、今度はみんなで楽しめるように!!」
.
そしてギャグ(再び挑戦…!)
何故か管理人の物が登場します。
出演は贔屓キャラ-マルス+ロイ、ピーチ、ポケモン達-ルカリオ
―――――――――――――
「ロイ、いきなり俺達を集めて何を始める気だ?」
少々不機嫌なフォックス。メインルームにはロイ、フォックス、リンク、トレーナーとポケモン達、そして何故かピーチがいた。
「カラオケ。」
ニヤニヤしながらロイが答えた。すると、ガクッとフォックスから力が抜けたのが見てとれた。
「そんな程度のことで……。じゃあ、なんだよ、この微妙なメンバー。」
フォックスは気を取り直して再び聞いた。すると、ロイはぽかんとした顔をした。
「微妙?何が?」
フォックスはため息を吐く。
「お前がリンクを誘うのは分かる。そして、そこからトレーナー、ポケモンと繋がっていったのだろうということは想像できるし、ピーチもお茶会かなんかの延長なんだろう。…で、なんで俺?」
「リンクと仲いいじゃねぇか。」
他に理由がいるか?とロイは首を傾げて見せた。すると、フォックスはやれやれとため息を吐いた。
「否定はしないが……なんでカラオケで俺を?」
「面白そうだったから。」
ロイの返答はフォックスの神経を逆撫でするものだった。しかし、フォックスはすでに諦めていた。もう何も言わない。
「でもロイ。なんでここなの?カラオケなら、そういう店に」
「コンがその機械の代わりをしてくれるんだってさ。」
リンクの問にロイはノリノリで答えた。そして、懐から何かを取り出した。
「それは何?」
ピーチが楽しそうに聞いた。
“嫌な予感がするのは俺だけか……?”
相変わらずフォックスの顔はすぐれない。だが、顔を顰めていたのはフォックスだけではなかった。
「……それ、ウォークマンだよね。」
トレーナーの少々暗い声とは対象にロイは嬉々として明るい声で答えた。
「その通りだ!!管理人のやつを ちょっと 拝借して来たんだ。」
「……盗んだ、の間違いじゃないの?」
リンクの指摘にロイは声を荒げた。
「断じて違う!ちゃんと返すから問題ない!!」
そこにため息が三つほど。先が思いやられるのは仕方がない。
「じゃ、ルールを説明するからな!」
「ルール!?」
みんなの声が重なった。ポケモンの中には、表情を崩したまま立ち直れていないものもいる。
「…俺たちはゲームか何かをするために集まったのか。はじめと話が違う気がするんだが。」
最初に抗議したのはやはりフォックスだった。しかし、言ってどうなるわけでもないと思っているのは、動きもせずに垂れ下がった耳や尻尾を見れば明らかだった。完全に諦めているリンクに関しては、さっさと始めろと言わんばかりだ。
「いやいや、カラオケだよ。でも、ただ好きな曲を順番に歌うってのも退屈だからさ。特別ルールを設けようってこと。」
「……好きな曲じゃダメなの?」
不安そうにトレーナーが聞いた。ニヤニヤしながらロイが頷いた。
「で?そのルールは一体どんなもの?」
唯一楽しんでいるピーチがロイを促した。
「至って簡単だ。このウォークマンをランダム再生する。で、それを順番に歌ってくんだ。」
「あら、面白そうね!」
ピーチは相変わらずだ。対してフォックスやトレーナーはどんどん気分が沈んでいっていた。
「…知らない場合は?」
「がんばれ☆」
ハァ、と特大のため息が漏れる。そして、フォックスは覚悟を決めた。
“…もう、どうにでもなれ、だ。”
自棄になったともいう。
「ねぇ、誰から?」
さっさと始めてさっさと終わらそうと思ったリンクはイライラと聞く。違う意味で早く始めたいロイは再び仕切りだした。
「えーと、じゃあ…じゃんけんで。行くぜじゃーんけーん」
ポン、という言葉と同時に出された手。
「………まじか。」
フォックス←グー
その他←パー
「フォックスからだな。ほらよ。」
ロイはウォークマンを差し出した。フォックスはため息を吐きながら受け取る。
「じゃあ、やるぜ?」
フォックスはランダム再生に設定すると、一つ戻してから次を押した。
きれいな音が流れ始めた。しかし………………。
「なぁ、これさ……歌じゃねぇよな?サウンドのみだよな。BGMだよな………。」
「そうだね。」
トレーナーが覗きながら言った。
「FFCCのサウンドトラック。曲名は『命の水』、だって。」
「…まさかこれを歌えとは」
「言わねぇから!次いけよ。」
フォックスは頷くと次を押した。が、すぐに手に持っているウォークマンをどこかに投げ付けたい衝動にかられた。
「なんだよこれ!?は?英語?」
イライラとフォックスはスピーカーを見つめた。因みに、フォックスは英語を解しないのではない。では、なぜ怒りだしたのかというと……
「リスニングかよ!?歌えるか!しかも、そもそも曲ですらねぇ!!」
こういうことである。
「フォックス、落ち着いて。次行こうよ。」
リンクの言葉にフォックスは頷き、多少の苛立ちを残しながらも進めた。
今度は楽しげな曲が流れ始めた。が…
「これ、BGMだよ。ヒマワキの。」
トレーナーが淡々と言った。フォックスは無言で次を押しはじめた。以下、羅列する。
崖の上のポニョ(生演奏アレンジ)
chapter09(リスニング)
フィナーレ(FF1初期)
二律背反(TOSR)
第十一回復習1分クイズ(リスニング)
51(Essentials2.5) (リスニング)
仲間に加える(FF2初期)
91(英文解釈本) (リスニング)
chapter04(リスニング)
戦場2(スマックス)
41(Essentials2.5) (リスニング)
エッグマンのテーマ(ソニアド2)
「ストップ!!それ歌!!歌だから!!」
フォックスは完全に不機嫌だった。それでも、仕方なしにマイクをとる。
なんとか一曲目終了。
「……ムズい。」
「まぁ、あれはね………。」
疲れ切ったフォックスにトレーナーは苦笑いをしながら労りの言葉をかけた。フォックスは再びため息をついた。
「……次、行こうか。時計回りね。じゃあ、ロイ。」
リンクが力なく言った。既に、すぐには終わらないのは明らかになっている。しかし、ロイの突拍子もない思いつきはまだ始まったばかりだった。ロイは黙ってウォークマンを受け取った。自分の言い出したことではあったが、ロイは後悔しはじめていた。次に一つ進める。
ダンジョン(FF1初期)
ピアノのおけいこ1(FF5)
幻獣を守れ!(FF6)
カジノ(ポケモンLGFR)
ジムリーダーに勝利!(ポケモンDP)
静寂の彼方(FF5)
ライバル(ポケモンDP)
VSマルク(スマックス)
どうぐをひろった!(ポケモンHGSS)
Buckbeak'sFlight(ハリポタ3)
間にリスニング×6
オペラっぽいの
「…今回は結構早かったね。」
そんな厭味ともとれるトレーナーの言葉を聞き流しながらロイはマイクをとった。
“……なんだよこれ……歌えねぇ……。”
ロイはなんとか歌い切るとウォークマンをピーチに渡した。
「……止めようとは思わないの?」
リンクが横槍を入れる。が、
「当ったり前だ!!30曲!少なくとも30曲いくぞ!!」
ロイは噛み付くように言い返した。リンクはため息を吐いた。嘘だろ……と呟く声がする。おそらくフォックスだ、と勝手に目星をつけながら、リンクはピーチに目を向けた。何が面白いのか、ピーチは進めもせずにニコニコとこちらを見ていた。早くしてくれ、と声には出さないが憤りを感じ、再びリンクはため息を吐いた。
“……だけどさぁ……もうちょい上手い具合に進んでくれねーかな………。”
ああは言ったものの、実際ロイもやけだった。ふとポケモン達を見ると、退屈そうにしている。ゼニガメに至っては居眠りしていた。さすがにそれを見ると、ロイも罪悪感を感じた……。が、止める気は毛頭ない。
「……ピーチ、早く進めてよ。」
リンクはとうとう痺れを切らし、ピーチを促した。
「あら、ごめんなさいね。」
相変わらずニコニコ笑っているピーチを見て、誰が反省していると判断するだろうか。とにかく、ピーチはようやく進め始めた。
サント・アンヌ号(ポケモンFRLG)
ルージュのテーマ(ソニアド2)
「早っ!!!!」
ピーチは得意げにマイクをとった。そして歌い切る。
……それも、なんとか、というレベルではなく、それはもう上手に。
「ピーチ、すごいね。知ってる曲だったの?」
トレーナーがにこやかに聞くと、ピーチは満面の笑みで答えた。
「いえ、はじめての曲よ。でも、この曲いいわね。私、好きだわ。」
「…………なんてこった。」
呟いたのが誰であるのか、それはご想像にお任せしよう。
「……と、とにかく。次、リンクだよね。進めてよ。」
あぁ、オレか……と思いながらリンクはウォークマンを受け取った。その顔はげんなりしている。
カイナ(ポケモンRS)
Rebel Army Theme(FF2アレンジ)
Quest,Everyone1(FFCCRoF)
視線!エリートトレーナー(ポケモンRS)
目覚め(FF6)
ダンジョン(FF3初期)
トキワのもり(ポケモンHGSS)
戦闘!ジムリーダー(ジョウト) (ポケモンHGSS)
やすらぎ(FFCC)
勝利(VS野生ポケモン)(ポケモンFRLG)
まぶしくて(ワンピース)
(他、リスニング×8)
“やっと来た。”
リンクは大義そうにマイクをとった。
“なんだよ、こいつ。意外に上手いし。”
ロイが舌を巻くように、リンクはそれなりに歌い切った。
“……運が良かった……音域が近かったし……。”
……リンクが思ったことは、今は言ってはいけないだろう。リンクはトレーナーにマイクを渡した。口には出さないが、がんばれ、と目が言っている。トレーナーは苦笑して、再生を始めた。
リニア(ポケモンHGSS)
リスニング
ポケモン赤緑金銀オーケアレンジ おまけ
おれたちゃ海賊(FF5)
いわれなきリベンジ/ブッコワシ賛歌(スマックス)
覚悟を決めろ(FFCC)
KIZUNA(ピチピチピッチ)
“…案外早かったけど………これ!?”
トレーナーは内心焦っていた。雰囲気&音域が絶対自分に合っていないと前奏から予測する。が、……歌わないわけにもいかず、なんとか歌い切った。
「…もう、やだ。」
「ト、トレーナー、そんなこと言わずにもうちょっと付き合ってくれよ……。」
思わずロイは懇願してしまう。しかし、この集まりに意味は、全くない。
「……うん……。次はゼニガメだけど………。」
「僕が歌うよ。起こすの可哀想だしね。」
フシギソウが言った。トレーナーは頷いた。
「じゃあ、ちょっと待ってね。再生だけするから。」
再び、トレーナーは始めた。
年に一度のお祭り(FFCC)
アムルの街(FF3初期)
The Werewolf Scene(ハリポタ3)
遠い日々(ジブリアレンジ)
メタルバトル(スマデラ)
戦い(VSデオキシス)(ポケモンFRLG)
エンディング・テーマ(FF4)
コトブキ夜(ポケモンDP)
パンプキンヒルズ(ソニアド2)
ジムリーダーに勝利!(ポケモン金銀)
エリア6(スマックス)
ピラミッドケイブ(ソニアド2)
Final(ハリポタ3)
クッパ3号(スーパーマリオ64)
ピアノのおけいこ3(FF5)
星月夜アレンジ(FFCC)
間にリスニング×10
「……今回はまた長いね。」
フシギソウは苦笑するとマイクをとった(蔓で)。
“…またなんでお前は上手いんだ!!”
フシギソウは綺麗な声をしていた。
“と、いうか、お前、案外音域高いんだな。”
ロイの心の声はもはや現実逃避に聞こえる。フシギソウは歌い切った。
「カラオケって意外に面白いんだね。」
……今の爆弾発言は聞かなかったことにしよう。
「…トレーナー、早く進めてくれ。」
いつの間にかフォックスは机に突っ伏していた。起き上がる気配は、ない。
「あ、うん。リザードン、進めるからね。」
リザードンは嫌そうな顔をしたが、無言で頷いた。トレーナーは苦笑してウォークマンと向き合う。
“現在楽しんでるのはピーチだけ……って、ロイ、君もつまらないならさっさとお開きにしてよ………。”
リンクの言うとおり、メインルームは暗く、どんよりした空気が流れていた。その空気の中で、何故ピーチはニコニコ笑っていられるのか理解に苦しむ。
だが、謎のカラオケ大会はまだまだ続く。
リザードンがため息を吐いている隣で、黙々とトレーナーは進めている。
クッパへの道(マリオ64)
11ばんどうろ(HGSS)
クラシック
Lumos!(ハリポタ3)
親方シド(FF4)
かぶれんじょう(HGSS)
HANABI(ブリーチ)
間にリスニング×3
「はい、リザードン。頑張ってね。」
歌が見つかると、トレーナーは何の感想も言わずにマイクを差し出した。案外早く次の歌が決まったことに内心安堵しながら、リザードンはそれを受け取った。しかし、その直後、リザードンは硬直した。
“……これを俺に歌えと……?”
まず、速い。そして、リザードンより遥かに高いキー。おまけに、歌などうたったことがない。無理難題もいいところだった。が、ロイの馬鹿げた思いつきのおかげで歌わないという選択肢は始めからない。最終的にリザードンもなんとか歌い切った。
「……もう二度とこんなことはせん。」
「リ、リザードン………。」
トレーナーは苦笑した。リザードンは力強くマイクを机の上に置いた。(かろうじて、叩きつけるのは押さえたようだ。)
「え、えーと……次はピカチュウかな。」
トレーナーが周りを伺いながら言うと、疲れ切ったピカチュウがとぼとぼとトレーナーに歩み寄った。
「もう一回聞くけど。」
既に嫌気がさしてきていたリンクが声を上げた。
「ロイ、やめる気はないの?」
「ない。」
ロイは即答した。フォックスの耳が少し立っていたが、すぐに力なく垂れ下がった。
「…………そう。」
リンクはいすに深く腰掛けた。光の灯っていない目でトレーナーを見る。早く進めろ、ということだろう。トレーナーは苦笑して次に進めた。
24ばんどうろ(HGSS)
砂に眠る秘宝(FFCC)
むしとりたいかいで2位(HGSS)
最後の戦い(FF5)
バトル2(FF9)(DFF)
狂気を孕む者(TOSR)
あの丘を越えて(DFF)
マッドスペース(ソニアド2)
レインボーキャッスル(マリパ)
間にリスニング×5
Believe(ワンピース)
ピカチュウはマイクを拾い上げた。そして唄う。
……が、明るい曲にもかかわらず、その声は暗い。むしろ、高音を出しながら暗い雰囲気を醸し出し続けているのはある意味拍手ものだ。
ピカチュウも歌い終わった。ピカチュウは何のコメントもせずにマイクを置き、ゼニガメの横に座り込んだ。ジト目でロイを見る。が、それで終了できたら始めからやっていない。ロイはピカチュウの非難がましい視線を意識から除外した。
「………フォックス。次だ。」
が、フォックスは顔を上げない。
「フォックス!!」
ロイが声を荒げた。すると、ふわりと尻尾が揺れた。
「……誰か再生して。」
ピシッと空気に亀裂が入る。が、トレーナーが苦笑しながら
「もう、このまま再生係するよ。」
と申し出たことで、その場はしのがれた。
「じゃあ、再生してくね。」
トレーナーが健気にも努めて明るく言うと、またフォックスの尻尾がふわりと揺れた。
工場(スマックス)
バトルステージ(ポケモンHGSS)
みんなでクエスト!2(FFCCEoT)
クレイジーガジェット(ソニアド2)
テルーの唄(ジブリアレンジ)
クリスタルコア(FFCCEoT)
エンディング(ポケモンR&S)
アスタリスク(ブリーチ)
間にリスニング×4
曲が決まると漸くフォックスは起き上がった。ゆっくりした動作でマイクをとった。
“……今度は歌える曲なんだろうな………?”
軽快なリズムで歌いだす。
“速いけどなんとかなりそうだな。………って”
フォックスが止まった。
“…………………ラップかよ。”
なんとか終了。……ほとんど歌っていなかったが。フォックスは無言でマイクを置くと、再び机に伏せた。
「………おい。」
フォックスのあからさまな態度にロイの声もきつくなる。が………この場合、フォックスの態度は当然であろう。
「…次ロイでしょ?文句言って一々中断しないでよ。」
そこでリンクがイライラと軌道修正した。ロイはリンクを睨んだ。しかし、リンクの言う通りであったので、何も言い返さずにマイクをとった。トレーナーに顔を向ける。
“……結局、僕がするんだね、これ。”
内心ため息をつきながらトレーナーは作業を始めた。
Spinach Rag(FF6)
リスニング
リスニング
Finaly...We're Back Home(FFCCRoF)
わかるかな?(マリパ2)
今日が来て、明日になって(FFCC)
What I've Been Looking For(ハイスクールミュージカル)
“うっわ、まーた早いな…いや、早いのに越したことはないが……今までの傾向考えると……………………………まずいな。”
ロイはただ自分の番を待っていたわけではなかった。謎のカラオケではあるが、(何故か)一応分析していたのだ。 比較的 早く回ってきた人はまともに歌えた試しが
“あるじゃんか、まともに歌えた前例。”
ウンウンと一人勝手に納得しながらロイは曲が流れるのを待った。曲が始まる。
“意外とハイテンポ………って、まさかのデュエット………!!”
結局、ロイは分析結果の例外とはなり得なかった。
“……一回きちんと歌い切りてぇ…。”
ムスッとした顔でロイはマイクを置いた。すると、すぐにピーチがマイクをとった。
「じゃあトレーナー、よろしくね。」
ピーチはにっこりと笑う。どうやら自分の番を待ちわびていたようだ。
“その前向きな思考が僕にも欲しい……。”
トレーナーは苦笑いを返すとウォークマンに向き直った。
リスニング
リーガルのテーマ(TOSR)
Lunatic Tears
「決まったよ。」
トレーナーが事実のみを淡々と告げた。全員が早いと感じたが、それを指摘するだけの気力が残っているものはいなかった。
ピーチは歌いだす。さっきとは音域、雰囲気、ともに違っていたが、またしてもピーチはすばらしかった。
「お前、さっきから運いいよなぁ……。」
恨めしそうにロイが言った。それにピーチは目を丸くした。
「そうかしら。そんなことないと思うんだけれど。」
ロイは何も言わずに頷いた。
「次は………リンク?」
トレーナーが問うと、リンクはため息を吐き、気だるそうに手を差し出した。が、その意図をはかりかねて、トレーナーは首を傾げた。
「君ばっかりは悪いから。それ、自分でやるよ。」
トレーナーは目をぱちくりさせ、リンクとウォークマンを見比べた。そして、この日一番の笑みをリンクに向けた。
「大丈夫。これ、意外と楽しいし。僕がやるよ。じゃ、すすめるね。」
リンクは苦笑した。
「じゃあ、お願いね。」
トレーナーは頷いて、次に進めた。
トレーナーに勝利!(ポケモンDP)
オーエンの塔(FF3)
安らぎのある場所で(DQソード)
浮遊城(FF1初期)
Wi-Fi通信(ポケモンHGSS)
封印されしもの(FF5)
グローバルターミナル(ポケモンHGSS)
底なし穴(千と千尋の神隠し)
バトル1(FF4)
ポーキーのテーマ(スマックス)
間にリスニング×7
ただ…逢いたくて
リンクはマイクをとった。
“……オレも運はいいかもしれない。音域近いのばっかだし。………曲が決まるまでが長いけど。”
そして終了。
「なぁ、なんでお前はさっきから」
「だから中断させないでよ。じゃあ、次はトレーナーだね。」
さっき長々と中断してただろーが、と喚くロイを無視して、リンクはトレーナーの側にマイクを置いた。トレーナーはそれを無表情で見つめた。
“出来れば歌いたくないんだけど………。”
トレーナーはため息を吐くと、仕方なく作業に移った。
間にリスニング×13
エンディング(FF1)
205ばんどうろ夜(DP)
サファリパーク(HGSS)
アスレチック(スマックス)
ポケモンのふえ(HGSS)
ソノオタウン夜(DP)
ラストバトル(ピカチュウ版他)
サファリゲート(HGSS)
ミニゲームランド(マリパ2)
Important Partner(FFCCROF)
ポフィン(DP)
川面にうつる雲(FFCC)
クチバシティ(金銀)
Possessed Father(FFCCROF)
みんなでクエスト!3(FFCCEOT)
戦闘シーン1(FF2初期)
たびだちのワープどかん(マリパ)
悠久の歴史(FFCCEOT)
ハイラル平原(トワプリ)
シオンタウン(ピカチュウ版他)
「う、うわぁあ!!」
突然、トレーナーが悲鳴を上げて立ち上がった。その時にウォークマンは投げ出されたが、ロイがなんとかキャッチした。
「誰か褒めてほしい……。」
ロイはこっそり呟いたが、誰も聞いていなかった。そもそも、ウォークマンが放り出されたことすら気付かれていなかった。
「どうしたの、トレーナー?」
リンクが心配そうに問い掛けた。ポケモン達はもちろん、伏せていたフォックスも、寝ていたゼニガメもトレーナーを見守っている。
「トレーナー?」
リンクがもう一度呼び掛けると、トレーナーはようやくビクッと反応した。が、
「ご、ごめん!僕、これだけは……この曲だけは無理!!」
と叫び、飛び出して行ってしまった。
「……一体どうしたんだ?」
フォックスが呟く。因みに、現在も曲は流れ続けており………
「つぅかなんだよこの曲。寒気がする。」
とロイが切った。
「それ、シオンタウンって場所で流れる曲なんだけど……ちょっとそこでいろいろあってね。」
フシギソウが苦笑しながら説明した。
「おいフシギソウ。放ってはおけん。行くぞ。」
リザードンが寝呆けているゼニガメを持ち上げながら言った。そして出ていく。
「もっと歌いたかったなぁ。」
なんてのたまいながらフシギソウもついていった。これ幸いとピカチュウも追いかけて行った。
しばらく部屋は静まり返っていた。
「そうだよな。」
突然、フォックスが声を出した。
「な、なんだよ。」
ロイが狼狽えて尋ねる。が、フォックスはそれには答えずに、
「始めからこうすりゃよかったんだ。」
と言って出ていってしまった。
「あ、おい………ってそういうことかぁ!!なんだよお前ら最後まで付き合」
「ロイ、君も楽しくないって顔してたけど?」
ロイは言い返せなかった。肩をすくめると、リンクも出ていってしまった。
「……否定してぇ……。」
ロイはぼやいた。
「やっぱり、あなたも意地だけで続けていたのね。」
ピーチがウォークマンを弄びながら言った。小さくロイは頷いた。
「だからいい曲が当たらないのよ。」
にこり、と笑みをこぼしてピーチは言ってしまった。
「楽しんでないから……そっか、なんでそんな当り前のことに気付かなかったんだろ。」
ロイは誰もいなくなった部屋を見渡した。
「思えば始めから嫌な雰囲気だったし……これは仕切り直しだな、今度はみんなで楽しめるように!!」
.