短編の短編

オールキャラに近いです。
でも、贔屓キャラに偏りがちです………。
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「リンク、もうプレゼントは用意したか?」

「え?プレゼント?なんで?」

はじまりはここからだった。





会議室にはマリオ、ルイージ、フォックス、マルス、ロイ、オリマー、ソニックが集まっていた。

「……と、言う訳で、俺の調査によると、リンク、ゼルダ、ルカリオ、スネークの4人はクリスマスを知らないことが判明した。」

マリオがそう言うと、ロイがバン!と机を叩いた。

「何が と、言う訳で、だ!だからどうした!?何がしたい!?」

それを聞いたマリオはニヤリと笑った。

「よくぞ訊いてくれた!!俺達でサプライズを兼ねたクリスマスパーティーを開こうじゃないか!」

「はぁぁぁあ!?」

「待て、いくらなんでも急過ぎるだろ。今日は23日。今からサプライズを考えるにしても、準備するにしても、間に合わない。大体、人数が人数だから、金がどうしようもないぞ。」

フォックスが反論に出た。しかし、マリオに全く意に介した様子はない。

「その辺は考えてある。まず、サプライズ。いきなりパーティーが開かれりゃ、それだけで驚くだろ?今回はクリスマスを知らない奴らに驚いてもらえればいいんだから。日にち。25日にする。明後日だからなんとかなるだろ?次、金。半分はターマスが出してくれる。残りは断ったメンバーからもらってきた。」

「……こういう時だけ、すごく計画的だね。」

マルスの感想が聞こえたルイージは苦笑した。

「他で役立てて欲しいよね。」

「というか、ターマス、電話に出たんだな。」

「いつも出ないのにね。」

無駄口を叩いているメンバーを見たオリマーは、さっさと手を動かさせた方が速いと判断した。

「じゃあそれでいきましょうか。人数も少ないですし、今すぐ始めなければ」

「いや、実はやることはそんなにないんだ。」

立ち上がったオリマーをマリオは引き止めた。

「会場づくりはターマスがやってくれるって言ってたし、料理はピーチに任せてある。俺達がやるのはサンタ係だ。」

「What?どこにそんな説明があった!?ってか、やること全然ないじゃないか!」

……そんなこんなで集められたメンバーで、サプライズパーティーを開くことになった。






当日


「ねぇ、見て!サンタさんからプレゼントがきた!」

「ポポのところも!?ピカチュウのところにもきたよ!!」

みんなの部屋では子供達が騒いでいた。それを微笑ましく思いながらマルスは見つめる。

「でもよかったよな。」

ロイはマルスに近寄ると囁いた。

「マリオの言い方だと、パーティー中にサンタの格好させられると思ったぜ。」

確かに、と呟いてマルスは苦笑した。

「マルス達だったんだね。」

ネスが2人の前に立っていた。しまったな、と苦笑いを浮かべたままマルスは返した。

「何のことかな?」

「とぼけないでよ。今の聞こえてたんだから。」

「あー……。」

ロイが額に手をやって呻いているのが目の端に見えた。が、マルスは開き直ることにした。

「ばれちゃったら仕方ないな。夢を壊しちゃったかな?」

「馬鹿にしないでよ。サンタがいないことは知ってるから。」

その時、リンクが入ってきた。困惑した顔をしている。その手にはプレゼントの包みが握られていた。

「あ!リンクももらったの?」

「え?あ、コレ?」

「そうよ!リンクのとこにもサンタさん来たんだね!?」

「……サンタさん?」

「えぇー!?リンク、知らないの!?サンタっていうのは」

子供達がリンクにサンタの説明を始めた。そこにゼルダが現れ、一緒に説明を聞いている。

「…リンク、クリスマスを知らないんだね。でも、サンタのこと信じちゃうよ?」

ネスは思わず言った。ロイは同意した。

「ま、それはそれでいいじゃんか。」

その3人のところに、ルカリオがやってきた。

「マルス、これは一体なんだ。」

「え……と、それは、」

ルカリオの手にもプレゼントがあった。

「ルカリオもだ!」

ゼニガメがやってきて、嬉しそうに笑った。

「…………?何がだ?」

「サンタさんのプレゼント!!」

すると、ルカリオは眉をひそめた。

「これは」

「そうだよ、ゼニガメ。」

ルカリオとは別の声がした。リンクがゼニガメの隣に立っていた。

「ところで、もうトレーナーには見せたの?」

「ううん、まだ。寝てたし。今から行って来る!」

ゼニガメは行ってしまった。

「リンク、何を言っている?これはマルスが」

「ストップ。知ってるよ。でも、それは言っちゃダメみたい。ね、ロイ?」

リンクはロイに目線を向けた。

「あー起きてたのかよ……。」

「うん、まぁ。でも、ロイがあまりにも真剣に「起きるなよ」とか言ってたから。起きたらダメかなって。」

ロイはため息を吐いた。

「……ロイ、全然だめじゃん。」

ネスがこう呟くのも仕方ないだろう。

「おーい!!みんな!!こっちちゅうもーく!!」

突然大声がした。発信源を見るとマリオが立っていた。その隣にはターマスがいる。

「……どうしてターマスはあんなに疲れているの?」

リンクの言う通り、ターマスは見るからに疲れていた。しかしその理由については、マルスもロイも首を傾げて見せるしかなかった。

「全員集まって……はいないようだな。じゃあ、みんなを集めて大広間に来てくれ。あ、リンク、ゼルダ、ルカリオ、スネーク……おい、スネークは?」

みんながぞろぞろと出ていく中、マリオはスネークがいないのに気付いた。

「まだみたいだぜ。足止めついでに呼んでくるよ。」

ソニックはそういうと出ていった。

「…まぁ、あっちはソニックに任せようか。リンク、ゼルダ、ルカリオ、大広間の前にフォックスがいるから、入らずにあいつのところに行ってくれ。」

「何故だ?」

「秘密だ!」

マリオを走って行ってしまった。

「…一体何でしょうか?」

「……さぁ。とりあえず行こうよ。ルカリオも。多分悪いようにはならないよ。」

「……だといいが。」

3人はいつの間にか誰もいなくなったみんなの部屋を後にした。






「やっと来たか。」

マリオの言った通り、大広間の前にはフォックスが立っていた。

「ん?スネークはどうした?」

「確かソニックが」

その時、廊下が騒々しくなった。

「Come on!スネーク、こっちだぜ!!」

「本気で走るな!この、自称音速ハリネズミが!!」

「……来たようだぞ。」

フォックス達は苦笑するしかなかった。

「おっと、遅刻か?」

そうこう言っているうちにソニックはフォックスの前にいた。少し遅れてスネークがやってくる。

「いや、調度いいくらいだろ。先に入ってるか?」

「Humm...no,お前と一緒に入るよ。今入ったら、間違えられそうだ。」

「……一体なんだ?」

フォックスは相手にならずに無線を取り出した。誰かと話している。代わりにゼルダが答えた。

「秘密だそうです。」

ゼルダ自信も首を傾げていた。

「そういえば、スネークもプレゼントもらったの?」

「プレゼント?……あぁ、机の上に置いてあったな。一体誰がどんなつもりで置いたのか分からなかったから開けてはいないが。」

「それはそんな危ないものじゃないよ。さて、準備ができたようだ。4人とも、中へどうぞ?」

フォックスは扉を開けた。顔がにやけている。ソニックが4人を後ろから後押しした。4人は恐る恐る中に入っていった。





「これは……?」

中央に巨大なクリスマスツリー――しかし、4人はその存在を知らない――があり、その周りにテーブル、そして豪華な料理が並んでいた。

「これは一体……?」

「メリークリスマス!」

4人はもちろん、驚いた。何も言うことができない。やがて、なんとか立ち直ったスネークが言った。

「……メリークリスマスってなんだ?」

会場は爆笑の渦に巻き込まれた。




「と、いうのがクリスマスだ。」

「しっかし、パーティー開いた甲斐があったよな、あの驚きよう。リンク、お前傑作だったぜ。」

「……うるさい。」

「まぁまぁ、異文化を知るにはいい機会だと思うよ。……まぁ、ちょっと過激だけど。」

「ねぇ。」

カービィがやってきた。

「喉乾いた。」

「おいおい、俺等に言うなよ。あの辺りにあるんじゃないのか?」

ロイはサムスやファルコンがいる辺りを指さした。その辺りにはたくさんの飲み物が並んでいた。

「行ったらあそこのは飲んじゃダメって言われた。」

「あー、あそこにあるのってお酒?ジュースはどこだろう……あ、ルイージ!」

マルスが手招きすると、ルイージは不思議そうにやってきた。

「ピーチの手伝いで料理の方についていたよね?お酒以外の飲み物は?」

「あ…………。」

「ないんだな。」

ロイが呟くとルイージはうなだれた。

「ごめん………。」

「えぇーー!?そんなぁ!!」

カービィが嘆いていた。そこでリンクが立ち上がった。

「雰囲気には 絶対 合わないと思うけど、ロンロン牛乳ならあるよ。持ってこようか?」

「うん!」

「おいリンク、他の奴らも欲しがるぞ。」

偶然通りかかったマリオが言った。すると、リンクは微笑んだ。

「牛乳でよかったら、みんなの分、あるよ。プレゼントっていうのがどういう意図のものか、全然分かんなかったから、ロンロン牛乳、もらってきておいたんだ。」

リンクは行ってしまった。

「……なんで牛乳………。」

「……もう、ないよりマシよ。」

ナナは呟いた。しかし、その牛乳はとても美味しかったという。





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