小ネタ集
リンクがスタルキッド達の住処でお世話になっていたある日のこと。
「あの木を的にするゾ。」
「いいナ、いいナ。」
「よし、始めよう。」
遊びの相談をしていたスタルキッド達の意見がまとまったらしい。どうやら的当てで遊ぶことにしたようだ。スタルキッド達は的に向かって一列に並び、吹き矢を構えた。
“え?あれ……!”
リンクはその様子を遠巻きに見ていたが、あることに気づき、ヒラリと跳んで的の前に立った。スタルキッド達は驚いて、口から吹き矢を離す。
「ナニしてる?危ないカラどけ。」
リンクは首を振り、近くの木を指した。だが、意図が通じず、スタルキッド達は怒り出してしまった。
「ジャマだ、どけ。」
「一緒に遊んでやらないゾ。」
「なんなら、オマエに当てるゾ。」
リンクは困り果てた。そこへ、騒ぎを聞きつけたらしい友達のスタルキッドが慌てた様子でやってきた。
「どうした、ナニがあった。」
「アイツが遊びのジャマをする。」
友達のスタルキッドが事情を聞くと、ムスッとした顔でスタルキッド達がリンクを示した。リンクは黙ってその様子を見つめるしかない。友達のスタルキッドは困惑顔をし、リンクの方に歩み寄ってきた。
「どうした?」
尋ねる友達のスタルキッドに対し、リンクは的を指差して首を振った。友達のスタルキッドは更に困ったような顔をする。
「これはナンだ?」
リンクはしばらく友達のスタルキッドを見ていた。しかし、それでは埒が明かない。仕方なくリンクは、友達のスタルキッドの耳に顔を近づけた。
「……キュイ族。」
「キュ!?」
突然、声がした。リンクと友達のスタルキッドは的、いや、キュイ族を見る。他のスタルキッド達も声に反応してわらわらと寄ってきた。
“ま、まずいっキュ。怖いっキュ!!”
しかし、怯えたらしいキュイ族は擬態を解かない。
「今、ナニかヘンな声がしたゾ。」
「コレ……木じゃないのカ?」
「でも動かないゾ。」
思い思いに的にしようとしたものを観察するスタルキッド達。リンクはそれを見ながら、お面の下で苦い顔を浮かべていた。
“……絶対怖がっているよな、……えーと……多分マチャー。”
リンクはスタルキッド達をつついた。遠くの木を指差し、走るジェスチャーをする。
「かけっこするか。」
「あの木がゴールだナ。」
「じゃあ行くゾ。」
今度は上手く伝わり、スタルキッド達はリンクの提案に乗った。そうかと思うと、わー、とスタルキッド達は走り出していた。リンクもそれについて行く。
スタルキッド達が去って、しばらくした頃。ポフン、とマチャー(リンク正解)は擬態を解いた。
「ふぅー。危なかったっキュ。擬態できてよかったっキュ。それにしても……。」
マチャーはスタルキッド達が走り去った方を見た。
「あの声は、リンク……?」
だが、マチャーは激しく首を振った。
「いやいやあり得ないっキュ。それなら助けてくれないはずだっキュ。
………
…………………………多分。」
.
「あの木を的にするゾ。」
「いいナ、いいナ。」
「よし、始めよう。」
遊びの相談をしていたスタルキッド達の意見がまとまったらしい。どうやら的当てで遊ぶことにしたようだ。スタルキッド達は的に向かって一列に並び、吹き矢を構えた。
“え?あれ……!”
リンクはその様子を遠巻きに見ていたが、あることに気づき、ヒラリと跳んで的の前に立った。スタルキッド達は驚いて、口から吹き矢を離す。
「ナニしてる?危ないカラどけ。」
リンクは首を振り、近くの木を指した。だが、意図が通じず、スタルキッド達は怒り出してしまった。
「ジャマだ、どけ。」
「一緒に遊んでやらないゾ。」
「なんなら、オマエに当てるゾ。」
リンクは困り果てた。そこへ、騒ぎを聞きつけたらしい友達のスタルキッドが慌てた様子でやってきた。
「どうした、ナニがあった。」
「アイツが遊びのジャマをする。」
友達のスタルキッドが事情を聞くと、ムスッとした顔でスタルキッド達がリンクを示した。リンクは黙ってその様子を見つめるしかない。友達のスタルキッドは困惑顔をし、リンクの方に歩み寄ってきた。
「どうした?」
尋ねる友達のスタルキッドに対し、リンクは的を指差して首を振った。友達のスタルキッドは更に困ったような顔をする。
「これはナンだ?」
リンクはしばらく友達のスタルキッドを見ていた。しかし、それでは埒が明かない。仕方なくリンクは、友達のスタルキッドの耳に顔を近づけた。
「……キュイ族。」
「キュ!?」
突然、声がした。リンクと友達のスタルキッドは的、いや、キュイ族を見る。他のスタルキッド達も声に反応してわらわらと寄ってきた。
“ま、まずいっキュ。怖いっキュ!!”
しかし、怯えたらしいキュイ族は擬態を解かない。
「今、ナニかヘンな声がしたゾ。」
「コレ……木じゃないのカ?」
「でも動かないゾ。」
思い思いに的にしようとしたものを観察するスタルキッド達。リンクはそれを見ながら、お面の下で苦い顔を浮かべていた。
“……絶対怖がっているよな、……えーと……多分マチャー。”
リンクはスタルキッド達をつついた。遠くの木を指差し、走るジェスチャーをする。
「かけっこするか。」
「あの木がゴールだナ。」
「じゃあ行くゾ。」
今度は上手く伝わり、スタルキッド達はリンクの提案に乗った。そうかと思うと、わー、とスタルキッド達は走り出していた。リンクもそれについて行く。
スタルキッド達が去って、しばらくした頃。ポフン、とマチャー(リンク正解)は擬態を解いた。
「ふぅー。危なかったっキュ。擬態できてよかったっキュ。それにしても……。」
マチャーはスタルキッド達が走り去った方を見た。
「あの声は、リンク……?」
だが、マチャーは激しく首を振った。
「いやいやあり得ないっキュ。それなら助けてくれないはずだっキュ。
………
…………………………多分。」
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