兄の自覚
貴方の名前
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俺がこの世界の住人で無く、別の世界の人間だということを俺は約二歳の時に思い出した。
思い出した前世とは確実に違う、俺の世界には怪人なんていなかった。世の中にヒーローなんてもんはなかったし、こんな雑な市の名前も聞いたことがない。そして俺がここにいる起因となった交通事故もまるっと全て思い出した。
思い出した原因は俺の頭をベビーカーに強くぶつけたおかげ。
その場には一歳の弟がいて、俺を見て驚いたように転んでいた。ああ、まだハイハイ卒業したばっかりだから驚くと転んじゃうんだな。ごめんな、お兄ちゃんがおドジで。
前世の俺の記憶21年分が頭に流し込まれる感覚がして、その後に俺は気を失った。
次に目が覚めると俺は弟のすぐそばに眠っていた。いや逆かな。ぶっ倒れてベットに寝てる俺のそばに弟が眠っていた。
起き上がって弟の頭を撫でる。弟を見つめていると金色の髪の毛が柔らかい赤色の光を反射させていることに気がつく。……夕方か?ぶっ倒れたのが10時くらいだったはずだから……最低でも6時間くらいは経ってる。親にも心配かけたかもしれん。
あー……てか俺実質23歳なんだよな。これからどう振舞おうかな。面倒ごとにはしたくないけど……。
そうやってウダウダと愚痴を言っていると、隣から小さなうめき声が聞こえる。
「にぃ」
うっすらと目を開けたそれはワタのように軽く暖かな笑顔で俺を見つめた。
……はぁ、なんだこの天使は?もしかして俺記憶取り戻したついでに死んだ?ここ天国?こんな可愛いやつが俺のことを兄として認知してる上に『にぃ』って呼んでくれるってどんな善行積んだんだ前世の俺。そんなにいいことした覚えないでやんすよ?
脳内が暴走しつつも、オタクの陽キャ専用クール(仏頂面)フェイスで顔の緩みは死守。はー、こんなクソオタなところ弟には見せたくねぇ。そう思っているとは梅雨知らず、その弟は俺にハイハイで近寄ってくる。んぎゃわい゛ッ!!
「どうした?」
「マッマ、ごは!」
おそらくこれはママがご飯作ってるよ的なことだ。可愛い、そんなことを俺なんかに逐一放送してくる弟ばり可愛い。頭を一撫でしてベッドから降りる。
「うんうんそっか、なら行こう?」
「ん!」
俺がそう促すといい笑顔で俺について行こうとする弟。それを支えて俺は部屋を出た。
とりあえず、オタクとしてはここがなんの世界か把握を急ぎたい。あわよくば俺の好きな漫画であってくれ。
そう願いながらしばらくの間俺は子供時代を満喫することにした。
思い出した前世とは確実に違う、俺の世界には怪人なんていなかった。世の中にヒーローなんてもんはなかったし、こんな雑な市の名前も聞いたことがない。そして俺がここにいる起因となった交通事故もまるっと全て思い出した。
思い出した原因は俺の頭をベビーカーに強くぶつけたおかげ。
その場には一歳の弟がいて、俺を見て驚いたように転んでいた。ああ、まだハイハイ卒業したばっかりだから驚くと転んじゃうんだな。ごめんな、お兄ちゃんがおドジで。
前世の俺の記憶21年分が頭に流し込まれる感覚がして、その後に俺は気を失った。
次に目が覚めると俺は弟のすぐそばに眠っていた。いや逆かな。ぶっ倒れてベットに寝てる俺のそばに弟が眠っていた。
起き上がって弟の頭を撫でる。弟を見つめていると金色の髪の毛が柔らかい赤色の光を反射させていることに気がつく。……夕方か?ぶっ倒れたのが10時くらいだったはずだから……最低でも6時間くらいは経ってる。親にも心配かけたかもしれん。
あー……てか俺実質23歳なんだよな。これからどう振舞おうかな。面倒ごとにはしたくないけど……。
そうやってウダウダと愚痴を言っていると、隣から小さなうめき声が聞こえる。
「にぃ」
うっすらと目を開けたそれはワタのように軽く暖かな笑顔で俺を見つめた。
……はぁ、なんだこの天使は?もしかして俺記憶取り戻したついでに死んだ?ここ天国?こんな可愛いやつが俺のことを兄として認知してる上に『にぃ』って呼んでくれるってどんな善行積んだんだ前世の俺。そんなにいいことした覚えないでやんすよ?
脳内が暴走しつつも、オタクの陽キャ専用クール(仏頂面)フェイスで顔の緩みは死守。はー、こんなクソオタなところ弟には見せたくねぇ。そう思っているとは梅雨知らず、その弟は俺にハイハイで近寄ってくる。んぎゃわい゛ッ!!
「どうした?」
「マッマ、ごは!」
おそらくこれはママがご飯作ってるよ的なことだ。可愛い、そんなことを俺なんかに逐一放送してくる弟ばり可愛い。頭を一撫でしてベッドから降りる。
「うんうんそっか、なら行こう?」
「ん!」
俺がそう促すといい笑顔で俺について行こうとする弟。それを支えて俺は部屋を出た。
とりあえず、オタクとしてはここがなんの世界か把握を急ぎたい。あわよくば俺の好きな漫画であってくれ。
そう願いながらしばらくの間俺は子供時代を満喫することにした。