緩やかな一撃[ワンパンマン]
貴方の名前
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キングside
一
初めは特に気にしてなかった。
「レモン氏今日も絶好調ですな」
「そういうキングもね〜」
めちゃくちゃゲームの上手い人だったからなんとなくフレンド申請しただけだった。それに彼が反応してくれてそれ以来何度か遊ぶ仲になって、通話を繋ぐくらい仲良くなって……トントン拍子でオフ会まで開くようになってしまった。……つまり俺の正体を打ち明けた数少ない友人、という訳だ。
「ちょいキング氏〜、もっと手加減しろし!そっち得意キャラだろ」
「全部得意キャラだから」
「屁理屈いうなし」
彼との時間は心地がいい。彼は、小さくて声もそんなに低くなくて、それに顔も可愛いから怖くないし。彼もひと回りは大きい俺の事を怖いとは思っていないようだ。ふと彼を見ると真剣な顔がとても面白い。
「キング氏隙ありですぞ」
「あ」
俺が彼を見ていたらどうやら勝敗は決まってしまったみたいで、俺の画面には“You lose”の文字が浮かんでいた。彼はニヤリと笑いそんな俺をからかった。
「何してんすか急に手を止めちゃって〜」
「いや、どんな顔してゲームをしてるのか気になって……」
「なにそれ〜、俺に見惚れてたってわけね(笑)」
「何を(笑)。男相手にそんなこと思うわけないから」
「え、俺女だよ?」
そこで俺は気絶した。
二
目が覚めると自分の家のソファに寝っ転がっていた。……なんだ夢か。全く、レモン氏が女とかどんな夢だよ。まぁ、こんなに理解のある女の子がいたら嬉しいけど。すると背後のドアから誰かが入ってくる音がする。
「お、キング氏起きたんだ、風呂勝手に借りたぞ」
「レモン氏?」
あれ、家に呼んだっけ?ドアの方に顔を向ける。
「キング氏倒れたじゃん?でも勝手に帰るのもな〜って思いまして。あ、シャツも勝手に借りたわ、いいよな?」
「な、あ、え?」
そこには俺のシャツを着ただけのレモン氏がいた。そしてその姿は明らかに、女性だ。小さいながらも二つの峰がハッキリと主張していた。
「どした〜、やっぱ女苦手?」
「いや、そうじゃなくて」
「……ごめんな、てっきり分かってるもんだと」
「それは気づいてなかった俺も悪かったというか」
「それもそっか」
そういうと起き上がった俺の隣にいつものように座るレモン氏。ち、近っ!?いつもこんな距離で会話してたのか、距離感バグが発生してるよ……!!距離の近さに打ち震えていると、それに気が付かないままレモン氏は俺にくっつく。
「なぁ、俺の事嫌いになった……?」
「なってないよ!!」
あまりの可愛さにそういうしか無かった。そして数日後にレモン氏に告白した。かわいいすぎたしこのまま友人でいられる気がしなかったから。そしたら何故か成功した。やった。
三
「キング氏!またカップ麺で済まそうとしましたな!作り置き無くなったら俺の事呼んでって言ったじゃん!」
「だ、だってイツキ氏は普通に社会人してるから忙しいでしょ」
「再来月には同居するやつにそんな遠慮するな!」
現在レモン氏ことイツキ氏にしこたま怒られている。別にカップ麺でも人は生きられるしいいじゃないか。そう思いつつも彼女のご飯を楽しみにしている身だから口が裂けてもそんなことは言えない。
「キング氏ぃ、俺と二人で長生きしてよ。おじいちゃんになるまで二人で人生楽しみたいな」
「……そんなこと言われると断れないよ」
「へへ、断らせるつもりないもーん」
付き合ってから半年経つけど可愛いがすぎる。告白した日から人生の最高潮を維持している。パタパタと小走りで近づいてくる彼女に手を伸ばすと、イツキ氏は嬉しそうにその手を掴む。
「手ぇおっきいねぇ」
「それは、男だし……」
「違うよ、キング氏だから大きく感じるんだ、俺の恋人の手だから」
愛おしそうに呟く彼女に心臓が痛いほど鳴る。暖かい彼女の頬に手が溶けそうだ。するりと頬に手を滑らせると彼女は可愛らしい顔を綻ばせた。
「ちゅ」
「なにを!?」
「えー、手にちゅーしただけだぜ?」
そう言って彼女はもう一度見せつけるように手のひらにキスをした。うわわわ、見てはいけないもの見ている気がする……!!恐らく真っ赤な顔をもう片方の手で隠してどうしようかと悩む。手にキスをしてイツキ氏はどうしたいんだ……!すると彼女が俺の懐に飛び込んでくる。
「なぁ、彼女がちゅーしたら彼氏もちゅーしろよ」
「え!?!?」
「ほら、ん」
唇を突き出してキスを待つイツキ氏。可愛すぎる……。手で顎を掬って、親指で彼女の唇をなぞる。ぴくりと小さく反応する彼女の頬は赤みを帯びていた。……キスしていいの?ゆっくりと顔を近づけた。
「ん」
「……柔らかい」
「おま、それがキスし終わって言うセリフかよ」
彼女は赤い耳を隠すように俺の胸に顔を押し付けた。
一
初めは特に気にしてなかった。
「レモン氏今日も絶好調ですな」
「そういうキングもね〜」
めちゃくちゃゲームの上手い人だったからなんとなくフレンド申請しただけだった。それに彼が反応してくれてそれ以来何度か遊ぶ仲になって、通話を繋ぐくらい仲良くなって……トントン拍子でオフ会まで開くようになってしまった。……つまり俺の正体を打ち明けた数少ない友人、という訳だ。
「ちょいキング氏〜、もっと手加減しろし!そっち得意キャラだろ」
「全部得意キャラだから」
「屁理屈いうなし」
彼との時間は心地がいい。彼は、小さくて声もそんなに低くなくて、それに顔も可愛いから怖くないし。彼もひと回りは大きい俺の事を怖いとは思っていないようだ。ふと彼を見ると真剣な顔がとても面白い。
「キング氏隙ありですぞ」
「あ」
俺が彼を見ていたらどうやら勝敗は決まってしまったみたいで、俺の画面には“You lose”の文字が浮かんでいた。彼はニヤリと笑いそんな俺をからかった。
「何してんすか急に手を止めちゃって〜」
「いや、どんな顔してゲームをしてるのか気になって……」
「なにそれ〜、俺に見惚れてたってわけね(笑)」
「何を(笑)。男相手にそんなこと思うわけないから」
「え、俺女だよ?」
そこで俺は気絶した。
二
目が覚めると自分の家のソファに寝っ転がっていた。……なんだ夢か。全く、レモン氏が女とかどんな夢だよ。まぁ、こんなに理解のある女の子がいたら嬉しいけど。すると背後のドアから誰かが入ってくる音がする。
「お、キング氏起きたんだ、風呂勝手に借りたぞ」
「レモン氏?」
あれ、家に呼んだっけ?ドアの方に顔を向ける。
「キング氏倒れたじゃん?でも勝手に帰るのもな〜って思いまして。あ、シャツも勝手に借りたわ、いいよな?」
「な、あ、え?」
そこには俺のシャツを着ただけのレモン氏がいた。そしてその姿は明らかに、女性だ。小さいながらも二つの峰がハッキリと主張していた。
「どした〜、やっぱ女苦手?」
「いや、そうじゃなくて」
「……ごめんな、てっきり分かってるもんだと」
「それは気づいてなかった俺も悪かったというか」
「それもそっか」
そういうと起き上がった俺の隣にいつものように座るレモン氏。ち、近っ!?いつもこんな距離で会話してたのか、距離感バグが発生してるよ……!!距離の近さに打ち震えていると、それに気が付かないままレモン氏は俺にくっつく。
「なぁ、俺の事嫌いになった……?」
「なってないよ!!」
あまりの可愛さにそういうしか無かった。そして数日後にレモン氏に告白した。かわいいすぎたしこのまま友人でいられる気がしなかったから。そしたら何故か成功した。やった。
三
「キング氏!またカップ麺で済まそうとしましたな!作り置き無くなったら俺の事呼んでって言ったじゃん!」
「だ、だってイツキ氏は普通に社会人してるから忙しいでしょ」
「再来月には同居するやつにそんな遠慮するな!」
現在レモン氏ことイツキ氏にしこたま怒られている。別にカップ麺でも人は生きられるしいいじゃないか。そう思いつつも彼女のご飯を楽しみにしている身だから口が裂けてもそんなことは言えない。
「キング氏ぃ、俺と二人で長生きしてよ。おじいちゃんになるまで二人で人生楽しみたいな」
「……そんなこと言われると断れないよ」
「へへ、断らせるつもりないもーん」
付き合ってから半年経つけど可愛いがすぎる。告白した日から人生の最高潮を維持している。パタパタと小走りで近づいてくる彼女に手を伸ばすと、イツキ氏は嬉しそうにその手を掴む。
「手ぇおっきいねぇ」
「それは、男だし……」
「違うよ、キング氏だから大きく感じるんだ、俺の恋人の手だから」
愛おしそうに呟く彼女に心臓が痛いほど鳴る。暖かい彼女の頬に手が溶けそうだ。するりと頬に手を滑らせると彼女は可愛らしい顔を綻ばせた。
「ちゅ」
「なにを!?」
「えー、手にちゅーしただけだぜ?」
そう言って彼女はもう一度見せつけるように手のひらにキスをした。うわわわ、見てはいけないもの見ている気がする……!!恐らく真っ赤な顔をもう片方の手で隠してどうしようかと悩む。手にキスをしてイツキ氏はどうしたいんだ……!すると彼女が俺の懐に飛び込んでくる。
「なぁ、彼女がちゅーしたら彼氏もちゅーしろよ」
「え!?!?」
「ほら、ん」
唇を突き出してキスを待つイツキ氏。可愛すぎる……。手で顎を掬って、親指で彼女の唇をなぞる。ぴくりと小さく反応する彼女の頬は赤みを帯びていた。……キスしていいの?ゆっくりと顔を近づけた。
「ん」
「……柔らかい」
「おま、それがキスし終わって言うセリフかよ」
彼女は赤い耳を隠すように俺の胸に顔を押し付けた。
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