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人見知り猫ちゃんの手懐け方




震える身体

冷や汗がとまらない。



目付きが変わったクロはたまに見せる変なクロ


擦れる布の音
クロの手は離れない




黒尾「そんな怖がんな」




今からする事は、そういうのに興味がないおれでも分かる。


冗談で言ってる訳じゃない
クロの目は本気だから。




黒尾「慣らすから、力抜け…」


研磨「…っ」




見られているという羞恥心より、次に襲ってくる痛みの恐怖心の方が強い


力を抜けとか、何をする…とか。


そんなのおれには分かんないよ。




濡れた指が、触れた時…

ただシーツをギュッと固く握って待っているだけ



普通なんだよね。
これがクロの"普通"




研磨「……ぅ、」




その中に、指なんか入る事は絶対にないと思ってた。


これから先もずっと…。




黒尾「やっぱ一本でもキツイな…。」



おれはこんなにも怖いのに、

クロは冷静に何もなく言う。




黒尾「研磨、」


研磨「…な、に。」




シーツに押し付けていた顔を少しだけ上げてクロを見る。



合図も何もない
目が合ったら、気付いたらクロの唇が目の前にあって…。




研磨「…っ?」




なにも抵抗する間もなく重なった。



離してくれたと思ったらまたくっ付いての繰り返し


一瞬だけ長距離でクロの眼がおれを捉えてて、すぐに逸らした。




嫌な…予感がしたから。





研磨「…ゃ、だっ」


黒尾「…」




後ろに違和感

さっきより異物感が増す


普段触られない所をクロの指が暴れている


身体の震えがとまらない。

おれがおかしい、の…?





研磨「く、ろ…やめよ…!」




痛いし、怖い



なのに、クロは手を止めない。

やめてって言っても無言で中を押し広げるように早くなる。





研磨「ぅ…ね、ってば」


黒尾「…良くなるから」


研磨「っ…」




いやでも耳に入る水音

聞きたくない。




黒尾「だいぶ解れたか…」


研磨「…おわった、?」




中の異物感がなくなって、身体をゆっくり起こす


良くなるって、これの事だったの。



痛くて変な感じがするだけで、何もない。




ベッドの端に追いやられていたズボンを取ろうと腕を伸ばした。





研磨「…ぇ。」


黒尾「これからなんですけど研磨くん。」


研磨「だって…終わった」


黒尾「そんなこと一言もいってねぇよ」


研磨「…!」





腕を掴まれたと思ったら、視界には部屋の天井とクロの顔


近くで、服の擦れる音が聞こえた。




研磨「…な、っ」


黒尾「研磨、ちゃんと呼吸しろよ」


研磨「な、むり…!」




そんなの、入るわけないじゃん

指であんなに苦しかったんだから


焦ってるのはおれだけで、クロはなんで平気でいられるの…。




黒尾「……」


研磨「や、だ…くろ!」


黒尾「…キッつ」


研磨「ぃっ…ぅ…」




またさっきの異物感

でも、全然違う


比べ物にならないくらい痛いし、怖い。




研磨「やめ、よ…」


黒尾「っ…力抜け」


研磨「い、たいっ…」


黒尾「…仕方ねぇな。…研磨」


研磨「…あ!」




一気に力が抜けていくのが自分でも分かる。


上下にさすられている事に気付いて、咄嗟にクロを見た。

余裕そうな表情じゃなくて、キツそうな顔してる。





研磨「え、は…ぁ…っ!」


黒尾「…はぁ」


研磨「…く、 っ」


黒尾「研磨、呼吸忘れんな…!」


研磨「…は、ぁっ」





お腹の中が苦しい

痛くてどうにかなりそう

裂けるんじゃないの…。

何がいいの



ねえ、クロ。





研磨「ぬ、いて…」




動かないで。

もうぬいて。



ここで終わろう




黒尾「ごめん、研磨…」




掴まれる太もも

離れようとしないクロ



体制を整える為に動くから、中のモノが奥深くにまで来たような感覚がして…


何も考えられなくなる。




研磨「ーーっ」


黒尾「ごめんな」




目尻から下に流れる水滴

視界が水で覆われている




研磨「う"…ぃ、あ…くろ、うごかな…でっ」


黒尾「…やば、」


研磨「ん…はぁ」




何かを掴んでいないとダメになりそうで、目の前のクロの服を掴んだ。


欲望のままに動くクロなんて嫌いだ

おれのことなんてお構い無し。



欲望に負けるクロなんて…




研磨「んっ…や、だ…おかし…からっ」


黒尾「やだって言う癖にとろんって顔してるけど」


研磨「してなっ…ッ」




おれの身体は変で。

ある一点にクロが動かした時から熱くなって、身体がおかしくて




研磨「クロっ、やめて、…おねがい…!」




やめて。

じゃないと…おれ。




黒尾「素直になれよ」


研磨「ほんと、にっ…やめ」




じゃ、ないと…。



クロの言う"普通"に、呑み込まれてしまいそうになるから。




ビクビクと身体が反応する

足の先が張って、クロに抱きついた。


頭の中が真っ白になる。





研磨「ぁ…ゃ、〜っ!」


黒尾「おまっ、締め付けすぎ」


研磨「…は、ぁ…」


黒尾「っ…」




呼吸が乱れて、力の抜けた身体はベッドに沈んだ。


その数秒後、クロも大人しくなって中から抜いた。


お腹の中にあった窮屈さはなくなって、腕を目元に置いて呼吸を整える。





研磨「……?」




その数分後、何かが溢れ出てきた感覚がして、瞑っていた目を開く。




黒尾「あ…。わり、中に出しちまった」


研磨「…これ、このままにしといたら、悪くなる…?」


黒尾「病気にはならないと思うけど」


研磨「ならいい。…おれ寝る」


黒尾「ちょ、出さなくていいんですか研磨くん」


研磨「面倒臭い。」








これが、クロの言う"普通"?










END.

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