ふたりの物語
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ひょい、と首の座り始めた息子を抱き上げるとぱちぱちと瞬きして、純粋な瞳がこちらを見つめた
「なぁ、ママのお腹はどうだった?きっとすごく心地よかったんだろうなぁ」
そう言って、小さな身体を優しく腕の中に抱き込んだ
初めの頃はつわりがかなりきつかったようで、水を飲むだけでもトイレに駆け込んでいた美穂
体重が減って、何かの数値がやばいとかで1週間以上入院もした
その姿を見て代わってあげたい、少しでも楽にしてあげたい、と思ったが結局オロオロと戸惑い「ごめんね」と言うことしか出来なかった
男ってなんて無力なんだ、とその時思い知った
つわりがマシになってからは、
太りすぎたら赤ちゃんが産む時に苦しんじゃうんだって!と、大好きなお菓子を我慢して、
運動が嫌いなのに、産む時のために備えなきゃねと、と必死でウォーキングして、
その十月十日のゆっくりと、しかし、すぐに過ぎた時間のすべてを、お腹の中の小さな存在のためだけに過ごしていた美穂
杉元はそれが羨ましくて、悔しくて、ほんの少し寂しかったりもした
「本当に愛されて産まれてきたんだぞ」と鼻先をくすぐると愛しいその存在は目を細めた
美穂と出会えてすべてが変わった
それまで生きてきた意味なんてよく分からなかったが、出会った時に分かった
美穂と出会うために生まれてきたんだと
そして美穂がこの世に生まれてきてくれたことがなにより嬉しく、同じ人生を共に生きていく選択をしてくれたことが、なにより幸せなのだ
きっと、出会えたことは人生最大のラッキーで、一生分の運がそこに集まったのだ
こんな事誰かに言うと大袈裟だ、と鼻で笑われるかもしれないが、そう杉元は確信していた
はぁ、と長めのため息をついて、
「すごいよな、お前のママは、パパのことこんなに好きにさせちゃうんだもんなぁ」
と呟くと
いつの間にか腕の中で息子はすやすやと眠っていた
ちょうどその時、玄関からドアの開く音がした
パタパタと歩く足音は真っ直ぐこちらへ向かっているようだ
部屋へ入って、そっと腕の中を確認した美穂は
「あ、寝ちゃってるんだね」
と小さな声で話しはじめる
「佐一くん、今日はありがとうね」
そう言いながら隣に座る美穂
「あ、やっぱり前髪切ったんだ。可愛い」
「ふふっ、ありがとう。あのね、担当の美容師のお姉さんが佐一くんみたいな旦那様、すごく羨ましいです、だって」
「え?そうなの?なんでなんで?」
「せっかくのお休みなのに、子供見るしご飯も作るからエステと美容室行っておいで、なんて言ってくれる旦那様なかなかいないでしょう?」
そう言いながら、美穂が体重をかけないよう、そっとその逞しい肩に頭を寄せる
杉元が首を少し傾け美穂の柔らかい髪に頬擦りすると美穂が顔を少しあげたので、触れるようにキスをした
「ちょっと早いけどご飯、食べようか。今日は早めから煮込んだから美味しいと思う」
そう言って、起こさないように腕の中の夢を見ているであろう息子を優しくベッドに寝かせる
「わーい!佐一くんのビーフシチュー大好き。ありがとう。あ、そういえば、なにかお話してあげてたの?」
そう言って覗き込む美穂に
「うん。いつか俺と同じように一生分の運を使えますように、って」
そう伝えると、
その言葉にきょとんとした美穂は
「えー、なにそれ?どういうこと?」
と、クスクス笑った
「なぁ、ママのお腹はどうだった?きっとすごく心地よかったんだろうなぁ」
そう言って、小さな身体を優しく腕の中に抱き込んだ
初めの頃はつわりがかなりきつかったようで、水を飲むだけでもトイレに駆け込んでいた美穂
体重が減って、何かの数値がやばいとかで1週間以上入院もした
その姿を見て代わってあげたい、少しでも楽にしてあげたい、と思ったが結局オロオロと戸惑い「ごめんね」と言うことしか出来なかった
男ってなんて無力なんだ、とその時思い知った
つわりがマシになってからは、
太りすぎたら赤ちゃんが産む時に苦しんじゃうんだって!と、大好きなお菓子を我慢して、
運動が嫌いなのに、産む時のために備えなきゃねと、と必死でウォーキングして、
その十月十日のゆっくりと、しかし、すぐに過ぎた時間のすべてを、お腹の中の小さな存在のためだけに過ごしていた美穂
杉元はそれが羨ましくて、悔しくて、ほんの少し寂しかったりもした
「本当に愛されて産まれてきたんだぞ」と鼻先をくすぐると愛しいその存在は目を細めた
美穂と出会えてすべてが変わった
それまで生きてきた意味なんてよく分からなかったが、出会った時に分かった
美穂と出会うために生まれてきたんだと
そして美穂がこの世に生まれてきてくれたことがなにより嬉しく、同じ人生を共に生きていく選択をしてくれたことが、なにより幸せなのだ
きっと、出会えたことは人生最大のラッキーで、一生分の運がそこに集まったのだ
こんな事誰かに言うと大袈裟だ、と鼻で笑われるかもしれないが、そう杉元は確信していた
はぁ、と長めのため息をついて、
「すごいよな、お前のママは、パパのことこんなに好きにさせちゃうんだもんなぁ」
と呟くと
いつの間にか腕の中で息子はすやすやと眠っていた
ちょうどその時、玄関からドアの開く音がした
パタパタと歩く足音は真っ直ぐこちらへ向かっているようだ
部屋へ入って、そっと腕の中を確認した美穂は
「あ、寝ちゃってるんだね」
と小さな声で話しはじめる
「佐一くん、今日はありがとうね」
そう言いながら隣に座る美穂
「あ、やっぱり前髪切ったんだ。可愛い」
「ふふっ、ありがとう。あのね、担当の美容師のお姉さんが佐一くんみたいな旦那様、すごく羨ましいです、だって」
「え?そうなの?なんでなんで?」
「せっかくのお休みなのに、子供見るしご飯も作るからエステと美容室行っておいで、なんて言ってくれる旦那様なかなかいないでしょう?」
そう言いながら、美穂が体重をかけないよう、そっとその逞しい肩に頭を寄せる
杉元が首を少し傾け美穂の柔らかい髪に頬擦りすると美穂が顔を少しあげたので、触れるようにキスをした
「ちょっと早いけどご飯、食べようか。今日は早めから煮込んだから美味しいと思う」
そう言って、起こさないように腕の中の夢を見ているであろう息子を優しくベッドに寝かせる
「わーい!佐一くんのビーフシチュー大好き。ありがとう。あ、そういえば、なにかお話してあげてたの?」
そう言って覗き込む美穂に
「うん。いつか俺と同じように一生分の運を使えますように、って」
そう伝えると、
その言葉にきょとんとした美穂は
「えー、なにそれ?どういうこと?」
と、クスクス笑った
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