赤い糸40,075km
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「綺麗だね…」
「ちょうど満開だな。写真撮ろ」
春分の日。黒尾が予約まで取ってくれたらしい都内の植物公園。その桜エリアへ足を運ぶと、想像よりずっと多くの桜がこれでもかと咲き誇っていた。こうしてちゃんと桜を眺めるのは、何年も前に友人とお花見をして以来だ。雲一つない青空に薄紅色がよく映え、それはそれはとても美しい。ピロンピロンと写真を撮る黒尾の隣で、その景色を肉眼に焼き付ける。
「撮っていい?」
もう既に撮ってるのに何を言ってるのと思えば、黒尾のスマホはこちらに向けられていた。桜と一緒に人物の被写体が欲しいんだろう。応じるべきか少し考え、写真は慣れないからと断った。黒尾はわざとらしく肩を落としたけど、そこまで深くは気にしていないようで、軽食でもどうかと提案してくれる。この桜達を眺める絶好の位置には飲食スペースが設けられており、少し歩いたところにはちょっとした茶屋がある。そこでサンドウィッチなどを購入して、座って食事しながらお花見…という贅沢なことができるらしい。素敵な提案に二つ返事で乗っかり、空いているテーブルを確保して食事を購入しに行く。
「後で温室も見に行っていい?」
「もちろん。仰せのままに」
ホットドッグにかぶりつきながら、テーブルに園内マップを広げる。桜エリアに来る道中、椿エリアなども眺めながら来たけど、他にも楽しそうなところがたくさんあるようだ。熱帯雨林気候で育つ植物って特徴的で面白いから、そこも絶対見に行きたいと言えば黒尾は嬉しそうに目を細めて承諾してくれる。軽食を済ませ、最後にもう一度近くで桜を堪能してから温室コーナーへ。独特な形、色をした植物達にテンションが上がり、説明プレートを片っ端から熟読する。黒尾も「なんて書いてある?」って言いつつすぐ隣から説明プレートを覗き込み、二人でへぇ〜!って学習しながら見て回った。チューリップなどの季節の花のエリアでは、再び写真を撮っていいか聞かれたが当然またお断りした。そして園内のおおよそを制覇し、ゲートから退場する。お花見っていうから、てっきりレジャーシート敷いた家族連れとかが多い場所かと思っていたのに、結構カップルが多かったな。茶屋も可愛らしい造りだったし、各所に撮影スポットが用意されていたり、女性に人気そうな植物公園だった。
「お勉強楽しかった?」
「うん、楽しかった」
「桜より熱帯雨林コーナーのがテンション高かったもんな」
黒尾はにひひ、と笑う。
「そんじゃ戻りますか」って駅に向かって、地下鉄で帰る。植物公園のチケット代は黒尾が支払ってくれたので、本当に楽しかったと念入りにお礼をすると、まだ時間はあるかと聞かれてしまう。予想はしていたけど、植物公園だけで終わりではないようだ。まだ日も傾いていない時間帯だし、正直に返事をすれば、行きに合流した乗り換え駅で寄り道しよう、という流れになった。
さぁ、あと数時間、頑張ろう。
───────
都内でもお洒落なイメージの強い街を歩く。
美容室、セレクトショップ、カフェ…面白いほどに全てがお洒落だ。街ゆく人々もみんな肩で風を切っているように見えてしまう。ガラス張りの建物の前で黒尾が立ち止まり、「なんかさ」とそこに映った自分達を指差す。
「今日の俺ら、リンクコーデしてるカップルみたいじゃね?」
今日の黒尾は、白いTシャツにカジュアルな黒のセットアップ、靴は弊社の競技用じゃない方のスニーカー。その隣に映る私は、THEオフィスカジュアルって感じのカーキのセットアップに、他は大体黒尾と一緒。待ち合わせ場所で会った瞬間から気にはなっていたけど、ついに指摘されてしまった。しかしながら“リンクコーデしてるカップル”というものを私はよく知らないので、よりピンとくるものに例え直す。
「それよりも、コンビ芸人っぽくない?漫才にする?コントにする?」
「、ぅえ、え?!やんの?!」
「昨日の夜まで何もなかったのにハンバーガー屋ができてるぞ…、興奮してきたな」
「ア待ってそれ誰のネタだっけ?!聞いたことある!!」
勝手に好きな芸人さんのコントを始めて、それに対応できず頭を抱える黒尾を見て笑う。悔しそうにしながら正解を教えてくれって言うからコンビ名を教えたら、「あ〜!知ってた!思い出した!くそ〜!」と再び頭を抱えた。その姿を見て、私もまた笑う。そんな他愛もない話をしながら歩き、話題が一段落ついたところで、黒尾が「ちょっとカフェにでも入って休憩するか」って先導してくれて、私は大人しくそれに従う。黒尾は今日ずっと、スマホであれこれ調べてくれてる。視線がすぐ泳いで、すぐに首の後ろを掻いて、ずっと何かを考えてる。ずっと、何かに焦ってる。私はそれらを全て、見なかったことにしている。
───────
黒尾が連れてきてくれたのは、アパレルブランドが経営するお洒落なカフェ。打ちっぱなしコンクリートの壁に、鉄製の椅子。天井やテーブルは暖かな木目調になっていて、人工物と自然が融合した内装になっている。天井から提げられた丸い照明や各テーブルの上に置かれた小さな間接照明も暖かな色味、大きな窓の外には整えられた緑が見える。棚にはブランドの小物が展示販売されていて、簡単な仕切りの向こう側には服も並んでいる。お洒落な、お洒落なカフェだ。女性が好きそう。
私は季節限定のサクラ抹茶ラテ、黒尾はエスプレッソマキアートに決めて、何故か奢られそうになったのを断固拒否し、受け取って空いてる席に着く。植物公園の受付で入園料を確認したが、私が黒尾へ贈ったバレンタインチョコの金額の4分の3くらいだったので、お返しとしてはアレでもう十分だ。そもそも初めから求めてないし、これ以上何かを受け取る気はない。手元のドリンクにはアートが施されており、何から何まで全てがお洒落だ。すごい。映えだ。黒尾が写真を撮りたいというので一旦そちらにカップを向け、撮影が終わってからアートが崩れてしまうのを惜しみつつカップに口をつける。本格的な抹茶の苦味と、鼻から抜けていく桜の香り、フォームミルクの滑らかさ。お洒落なだけのカフェじゃない。ちゃんと美味しい。
「ふふ、美味い?」
「美味しい。正直見掛け倒しかと思っちゃってたけど、ちゃんと美味しいしすごく本格的…!こんなに濃厚な抹茶ラテってなかなか無いし、ちゃんと苦味はあるのにミルクでふわっと包まれて、桜の香りと一緒にすっと消えていく。後味が爽やかで飲みやすい。素晴らしい1杯だと思います」
「っはは、食リポかよ。かわいい、」
「味は伝わった?」
「あハイ、伝わりました…」
そっか。じゃあいいか。いいよね。
せっかく調べて連れてきてくれたであろう場所。ちゃんと楽しんでるってことを伝えなくちゃ。でも黒尾はやっぱり落ち着かない様子で首の後ろを掻いている。それもそうだろうな。きっと私の返答は黒尾の求めるものじゃない。分かってるよ。
展示されているクッションやスマホケース、お財布などはどれもシンプルで、人気そうだなというのが私でも分かる。なんとなく棚にばかり視線を向けていると、せっかくだし後で見てみるか、と黒尾が提案してくれるので、素直に頷く。
「黒尾はこのブランド好きなの?」
「いや、特にそういう訳じゃねぇけど…カフェが人気だからさ」
「そうなんだ。でも普通に着てそうだよね」
「マジ?…じゃあなんか見繕ってくんない?なんちゃらかんちゃらって資格持ってるっつってたよな?」
「えぇ…知識があるだけで、センスはないよ?」
「いいよ。お前が何選んでくれるか知りたいだけだから」
「分かった」と微笑んでおく。
お互いに飲み物が無くなったので、カップを返却して、展示販売コーナーに行ってみた。正直どれもシンプルすぎて、ブランドの特徴というものが分からない。ただ、どの服も素材がしっかりしているので、そこがこだわりなんだなと納得した。オーソドックスな形のTシャツやパーカーは、黒尾ならどれも普通に着こなせそうだ。ああでも、深いVネックのカーディガンとかはあんまりイメージにないかも…?うーん…。ちゃんと診断させてもらった訳でもないので、何が似合うかなんてイメージでしかない。黒尾は悩む私の後ろをワクワクした様子で付いてくる。プレッシャーだ。そんな中、薄手のスウェット生地のハーフジップが目に留まる。少し触れてみると、滑らかで軽やかな質感をしていて、季節問わず長く着られそうだ。胸にブランドロゴが刺繍されているだけのシンプルなスウェットだけど、ハーフジップ…いい気がする。私がじっと見ていることに気付いた黒尾が「お?それ良さそう?」って覗き込んで来て、同じようにその質感を確認する。「これと太めのストレートデニムとか似合いそう」と言ってみれば、なるほどなってそのハーフジップの黒と白を手に取った。
「久世は白似合いそう」
「白も可愛いね」
「なんならお揃いにしちゃう?」
「あはは、しないよ」
「しないか〜…しないよなぁ…」
黒尾は肩を落としながら手に取った服を元に戻し、そろりと値段を確認して「やっぱ結構すんな…」と悩み始めた。私が勧めたままに購入しようとしているようなので、ちゃんと自分が気に入ったものにするべきだと説得してお店を後にした。
はぁ。お洒落なところは緊張するなぁ。
───────
「ちょっともう一箇所だけ付き合ってもらっていい?」
「いいよ」
もう一箇所だけ。よし。あともう少し、もう少しだけ頑張ろう。オレンジ色の空の下、スマホを見ながら先導してくれる黒尾にただ付いていく。私はこの背中がずっと好きだった。大好きだった。自然な感じでどこに向かっているのか聞いてみると、「まぁ、ちょっと…」と濁される。今日の黒尾はどこか黒尾らしくなくて、私はその原因を考えないまま、知らないまま今日をやり過ごしたい。
「バレンタインに手作りのチョコくれたの、本当に嬉しくてさ。ちゃんと、お返ししたくて」
早口で言う黒尾に、お返しならもう入園料で済んでると返せば、そうじゃないと遮られる。もっと、ちゃんと、と。正直バレンタインのことは蒸し返さないでほしい。どうかしていた。人生で初めて、好きな人に贈るチョコ。せっかくならと、せかせか制作キットを何個も買って、何度も練習して。その頃はピエロになる覚悟とやらを決めていた時期だったから、思考を途中で止めていた。実際に渡すかどうかだけはギリギリまで悩んで、渡さない方を選んだのに、結局はバレてしまった。そもそも当日持って行った私の落ち度だ。その日はまだピエロだったから良かったけど、その次に黒尾に会った後、我に返った。羞恥心どころの騒ぎじゃなかった。自分が滑稽すぎて耐えられなくなった。私が滑稽だったのは何もその日だけじゃなく、もっとずっと前からだ。この人の何気ない発言から何ヶ月も慣れない服を挑戦したりして、意味不明だ。私は無自覚に、ずっっと馬鹿だった。もう本当に耐えられない、と思った。これ以上、馬鹿な自分を観測したらおかしくなってしまうと思った。もう、次で最後にしようと思った。ちょうど年度末は仕事が忙しくなるし、それを理由にして全て断り、フェードアウトして、もう、二度とは会わないように。
だから借りは作りたくないけど、黒尾の気が済むなら受け取ろう。ちゃんとしたお返しとは一体何だろう。黒尾は落ち着かない様子で「えーっと、こっちの方…」と進んでいく。そしてやがて立ち止まり、振り返る。その表情はどこか緊張していて、やっぱり焦っているように見える。
「あー……、久世もたまにはこういうのとか、どう?」
こういうの。
黒尾が指差すのは、ガラス張りのアクセサリーショップ。
あ
まずい
少し耳が遠くなる感覚がする。
駄目だよあともうちょっとなんだから、頑張らなきゃ。
いやでもおかしいでしょこんなの。なんで。なんで。
さすがにこれは、軌道修正が必要でしょ。
「あんまギラギラしてなさそうだしさ、ちょっと見てみよーぜ」
「いや、あの、」
「遠慮はナシで。ほら、」
黒尾がドアを支えてくれて、促されるままに中に足を踏み入れてしまう。どうするのが正解?軌道修正ってどうやってするの?それって黒尾のこと傷付ける?私は何を望まれてる?白を基調とした明るい店内に、ガラスケース、スーツ姿の店員さん。自然と背筋が伸びる。なんで、私はこんなところに居るんだ。植物公園はまだ良かった。お花見なんて誰とでもすることだし、学習に意識を向ければ気にしないで居られた。カフェもまだどうにかなった。あれはただの飲食店だ。歩き疲れてカフェに入るのは自然なこと。
じゃあ、ここは?
「どれがいい?…とかは、無さそうだな。っじゃあ、今度は俺は久世に似合いそうなの選ぶわ」
「こういうブレスレットとかは…?」
「これはちょっと可愛すぎ…?いやっでも、似合いそう。うん、アリだわ」
「やっぱさ、こっちのシンプルなネックレスどう?」
「ん、似合ってる。これ贈らせてよ」
私は今どんな顔をしていて、黒尾は今、誰と喋ってるんだろう。
私だってさすがに気付いてたよ。今日はいわゆる“デート”なんだなって。黒尾が私を、そういう対象としてるんだなって。気付いてたけど、気付きたくなかった。嫌だった。普通に考えたら、これはきっと両想いと思っていい状態だ。好きな人が、自分に好意を向けてくれている。きっと喜ぶべきことだ。でも、私は喜べない。私は望んでない。私はもう13年近く、ずっと好きだったの。何も要らなかった。汗を垂らしてボールを追う姿を思い返すだけで、なんだって頑張れた。こんな風に、一般的な女性、手近な女性として口説かれたいなんて、思ったことない。だって、私がお洒落なカフェやアクセサリーで喜ぶタイプじゃないなんて、ねぇ、分からない人じゃないでしょ。
「…ごめん、帰るね」
「え」
これ以上なにも見たくない。
振り返らずお店を出て、駅まで真っ直ぐ向かう。遮るものなく届くオレンジ色の光が、お洒落なお店の窓ガラスにキラキラと反射する。勝手に涙が流れていくのが許せなくて、許せなくて、もうどうしたらいいのか分からなくて、拭うこともできずに歩く。
なんて、なんて身勝手な。
こんなのは私の我儘だ。
せっかく好きな人が好意を向けてくれたのに、それが自分と同じものではないからと突っぱねた。
なんて我儘で、自己中心的で、最低なんだ。
黒尾は何も悪くない。
女性ってアクセサリー好きな人多いよね。プレゼントされたらきっと喜ぶよね。私もそう思う。お洒落なカフェも、花と撮る写真も、きっと喜ばれる。私みたいな変な奴じゃなければ。
一人残された黒尾は今頃どうしてるだろう。きっとすごく困っているはず。私のせいで困らせた。私のせいで恥をかかせた。黒尾がいつからそういう風に思っていたかは分からないけど、その分だけ、時間を無駄にさせてしまった。旧友の範囲を超えてるんじゃないかって気付いた時に、さっさと距離を置くべきだった。私が間違った。黒尾はたまたま恋人の居ないタイミングで異性の同級生と再会して、自然な流れで距離が縮まって、自然な流れで関係性を進めようとしただけ。それが今回たまたま私だっただけ。黒尾は何も悪くないのに、こんなハズレくじを引いたばっかりに…。
会いたくなかった。
知りたくなかった。
私は黒尾しか好きになったことはないけど、それは結構特殊なことなんだと分かってる。黒尾は普通の人だ。生涯で好きになる人は一人じゃないし、忘れられない人が居ても身近に居る別の人を好きになることもできる。普通のこと。何も悪くない。だけど私はそれを知りたくなかった。勝手な理想像を押し付けて、それと違うからって勝手に失望して。最低。最低だ。結局私は黒尾本人よりも自分の恋心が大事なんだ。黒尾を傷付けると分かっていたのに、長年守り抜いた気持ちにちょっとでも泥が付くことが耐えられなかった。そこまでして守った想いも、その瞬間に価値がなくなってしまった。素敵な人を好きになれた、って、それだけで嬉しかった。彼から貰ったものだけで、どこまでも頑張れると思った。でも実際はこれだ。私は彼のために頑張れないし、彼の気持ちを尊重することすらできない。自分という人間の、底を見てしまった。
───────
駅に着いて、やっと涙を拭う。
耳がキンキンと鳴り、頭がずしりと重たい。頭痛薬を買って帰らなきゃ。多少人の視線を感じながらも、どうにか薬を買って帰宅した。頭が痛くて、目眩、吐き気までしてくる。食事は無理そうだし、頭痛薬は胃に優しいタイプを選んだから、すぐに飲んで床に横になる。本当は、帰宅したらすぐにあれこれ整理したかった。クッキー缶に入ってるルーズリーフとかは、もう呪いを解いてあげなきゃいけないし、大きいぬいぐるみの捨て方、もしくは譲り方も調べたかったのに何も出来ない。自分の無力さにまた泣けてきて、最低のくせに泣くことが許せなくて、どんどん頭が痛くなる。
気付けばそのまま眠ってしまっていたようで、ぼんやりする頭でスマホを探す。頭痛は無くなってはいないものの、全体的な症状は幾分か和らいだように思う。寝っ転がったままカバンからスマホを取り出し時間を確認すると、まだ22時過ぎだった。そして、LINEの通知が来ていることに気付いてしまう。ブルーライトが直に脳に刺さるので一旦目を閉じ、考える。黒尾からのメッセージだった場合、どうするべきか。どうすることができるのか。どうしたいのか。返信しないのは、さすがに失礼だよな。黒尾は何一つ悪くなくて、突然帰った私が全て悪いんだと、ちゃんと謝罪しなくちゃ。重たい瞼を少しだけ開き、メッセージを確認すると、それはやはり黒尾からだった。
◯< 今日はごめん。俺浮かれてて、色々間違ってたよな
◯< 埋め合わせさせてほしい
◯> 急に帰ってごめんなさい。私が全部悪い
◯> 黒尾は何も悪くないから、気にしないで
黒尾のメッセージ内容をきちんと読みもせず、自分の言いたいことだけを言う。最低に最低を重ねる自分がもはや笑えてきて、それが頭痛に障り、呻く。
もう、ここよりも下はない。
もう全部が、終わった。
これから仕事が忙しくなるのが唯一の救いだ。今年度の精算をしつつ、次の担当者にも分かるように、マニュアル化されてなかった作業の手順書も作ろう。来月の研修の準備もあるけど、Vリーグも終わった今、休日はやっぱり暇な時間ができてしまう。また何か資格の勉強でもしようか。ずっとやってみたかった硬筆の通信講座でも始めようかな。まずは、明日、ちゃんと出社しなくちゃ。ふらっふらなままシャワーを浴び、ろくなケアもできないまま、ベッドに倒れ込んだ。