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ブログ

巷説百物語の感想

2020/07/17 15:23
感想・考察
京極夏彦の「巷説百物語」を読んだので感想。

このサイト、サウスパークや海外アニメの同人サイトだけど
まさかの最初の感想ブログが京極夏彦になるとはw

京極夏彦自体はずっと前から知っていたし読んではいたんだけど
巷説〜は前々から読もうかどうかめっちゃ迷ってた小説。
この際だからと京極夏彦の小説を一気に買って読むことにした。


今、巷説〜の「潮の長司」まで読んだ。
いや〜〜面白いね。
正直、一番最初の「小豆洗い」を読んだ時は
「え?これ京極夏彦?」と思って、
2話目の「白蔵主」を読んだ段階で
「うっっっわキッツ…このテンションのまま続くの?」
と思った。

いやわかりにくいんだ。文章が。
特に「白蔵主」は登場人物の独白がほとんどで京極夏彦節の「———」が多用されてて、時系列や関係図がわかりにくいまま話が進んで、最後の数ページで仕掛け人の又市、おぎん、治平がペラペラと事件の全貌と仕掛けの種明かし——という名の起承転結あらすじ説明して終わり。
おいおい。
いや、ほんとおいおいと思った。

訳がわからんまま話が進んで最後の最後で登場人物が「これこれこうでしたー!」ってそりゃねーよ。
妖怪の伝説や伝承に沿った出来事に犯人が踊らされて、実はその妖怪は仕掛け人が仕掛けたものでしたってのが大筋なんだけど、
「白蔵主」では読者が妖怪の伝説を理解する前に勝手に進んで勝手に終わってしまう。え?ってなる。

これがね?読者も犯人と一緒に妖怪に驚き、怯え、実は全て仕掛け人の仕掛けでした……って最後のページで種明かしされるんだったらオモシレー!!ってなったと思う。
でもそんな感動がなかった。きっっっっっついわ。
こんな感じで無感動のまま、ただただ犯人が(読者に対して不親切な)独白をしてるだけの話が続くのかと思ったらきっっっっついわ。

まぁそもそも妖怪なんて見たと思ってる人にしか見えないもんだろうさ。
だから「読者置いてきぼりで犯人が勝手に妖怪を怖がっている」ってのも当然なんだ。
犯人はやましい気持ちを抱えているから何でも妖怪に見えてしまうわけ。
壁のシミも風の音も家鳴りも虫の声も、そんな当たり前のものが、やましい気持ちを持つ者には恐ろしい妖怪に見えてしまうモンだよ。
そこは十分にわかってる。巷説〜は妖怪小説だし。
でもそこじゃないんだよ、私が読んだ時に感じた「置いてきぼり〜」は。
単純に読者に与えられている情報が少ないんだよ。
もらえる情報は犯人の(読者に不親切な)独白だけ。
その独白だけで察しろって無理だわよ。
加えて時系列・人物相関図が曖昧な文章。
そして最後の最後で「引っ掛かったな」とばかりに種明かしという名の情報の後出しジャンケン。
引っ掛かってねーよ。何にも引っ掛かってねーよ。
大好きな京極夏彦に期待していた分、その無感動とキツさから京極夏彦に裏切られたような気持ちになった。

だから、「巷説〜は肌に合わなかったのかな…百鬼夜行シリーズ(あのシリーズと呼ばれる京極堂こと中禅寺秋彦や関口巽が主役のシリーズ)や百鬼徒然袋シリーズは面白く読めたんだけどな……今まで巷説〜に手が出なかったのは自分に合わない小説だって人知れず感じてたからかな…」と思ってたの。
「白蔵主」を読み終わった段階では。
そして3話目「舞首」を読むまでは。

「舞首」・・・・オモシレーーーーー!!!!!
仕掛け人に騙された!!読み終わった後思わず
「うあーーー」って声が出た。
時系列が前後してるんだけど、わかりやすいというか、読み終わった後にまた前のページを捲って確認したくなるタイプの時系列前後手法だった。
これこれこれ!!!
面白すぎた。
そして4話目の「芝右衛門狸」も良かった。
仕掛けられているのはわかってはいるけど、読者は仕掛けの全貌が見えないまま、仕掛けられているとは知らない登場人物たちが動き、事が起こり、読者のもしや…という疑問を回収するように仕掛けの種明かし。
オモレーわ。
っぱ京極夏彦よ。
っぱこれよ。

そして「塩の長司」で面白さがピークに来た。
塩の長司。おもしれぇ。
最後の又市による憑物落としと事件の全貌解説、そして妖怪「塩の長司」に絡めた仕掛けの種明かしがすごく面白い。

私の中では「白蔵主」と「舞首」を境にキッパリ面白さが別れる。
思うに、「舞首」からはだいぶ話の進め方・時系列の魅せ方が変わってるんだよな。
京極夏彦に聞かないとその辺はどうだか真実はわからないけど、「舞首」では明らかに登場人物の(読者に対して不親切な)独白が減って、ちゃんと登場人物が(読者への)状況説明を兼ねた状況描写があるんだよな。
かなり読みやすくなってるし、面白さが倍増してる。

もちろん「小豆洗い」「白蔵主」も話の筋は面白いんだ。
だけど魅せ方が不親切というか、本当にわかりにくい。
状況も関係性も時系列もわかりにくい。
文字だけの小説において文章がわかりにくいって、結構致命的じゃん。
だから題材は面白いのにキッッっついわってなっちゃったんだと思う。

巷説〜残りは「柳女」と「帷子辻」の2話。
今日中に読んじゃおうと思う。


コメント

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  • iliwezfzp (非ログイン)2021/12/27 22:35

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