主鍵
「僕が先に死んだら、先輩はどうします?」
「そうだな。考えたくもないんだけど」
「きっと君を食べちゃうよ。頭からつま先まで全部」
「全部、ですか?」
「そう。包丁で綺麗に捌いて、余すところなく食べてあげる」
「でも、先輩、お肉食べれなかったんじゃ」
「食べれないわけじゃないよ。食べないだけで」
「……昔、飼ってた鳥が死んだんだ」
「………………」
「狭い鳥籠にいるのが可哀想で、空に放したら、戻ってこなくなっちゃって……見つけた時には、もう冷たくなってた」
「……それから、食べられなくなっちゃったんですか?」
「うん……」
「……君に、僕の隣は狭くない?」
「おかしなことを聞く人ですね。僕がいたくているのに、狭いも何も、ないですよ」
「ほんと?」
「先輩の心配性は知ってますけど、僕の気持ちを疑われるのは悲しいなぁ。狭いなんて、思ってませんってば」
「……貴方の傍は、鳥籠なんかじゃないですよ」
「うん」
「先に死んだり、しませんから」
「……うん」
「……意地悪言ってすみませんでした」
「うん……長生き、してね」
「もちろん」
「……ねえ、鍵介」
「はい」
「僕が先に死んだら、どうする?」
「……そうですねえ」
「貴方のことを想った曲を、ずっとずっと作ろうかな」
「そうだな。考えたくもないんだけど」
「きっと君を食べちゃうよ。頭からつま先まで全部」
「全部、ですか?」
「そう。包丁で綺麗に捌いて、余すところなく食べてあげる」
「でも、先輩、お肉食べれなかったんじゃ」
「食べれないわけじゃないよ。食べないだけで」
「……昔、飼ってた鳥が死んだんだ」
「………………」
「狭い鳥籠にいるのが可哀想で、空に放したら、戻ってこなくなっちゃって……見つけた時には、もう冷たくなってた」
「……それから、食べられなくなっちゃったんですか?」
「うん……」
「……君に、僕の隣は狭くない?」
「おかしなことを聞く人ですね。僕がいたくているのに、狭いも何も、ないですよ」
「ほんと?」
「先輩の心配性は知ってますけど、僕の気持ちを疑われるのは悲しいなぁ。狭いなんて、思ってませんってば」
「……貴方の傍は、鳥籠なんかじゃないですよ」
「うん」
「先に死んだり、しませんから」
「……うん」
「……意地悪言ってすみませんでした」
「うん……長生き、してね」
「もちろん」
「……ねえ、鍵介」
「はい」
「僕が先に死んだら、どうする?」
「……そうですねえ」
「貴方のことを想った曲を、ずっとずっと作ろうかな」