鳴子章吉
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二間続きの和室に大きな長方形のコタツ。三つある卓上コンロにのせられた土鍋の味はそれぞれ違う。
お酒を呑んで上機嫌なパパさんと、ハキハキと闊達なママさんと。お兄ちゃん大好きな弟たち。
それに自転車競技部同級生の今泉くんと小野田くんと杉元くん。さらにマネージャーの幹ちゃんとテニス部の綾ちゃんと一緒に、私名前は鳴子くんの家にて年末の夜を過ごしていた。
もともと男の子たちを集めて計画していたみたいなんだけど、側にいた幹ちゃん綾ちゃんも誘われ、彼女たちと一緒にお昼を食べていた私も何故か誘われた。
私は幹ちゃん綾ちゃんとは仲が良いけど、自転車競技部の男の子たちとはあまり話したことはない。
だけど赤い髪の彼とは同じクラスで、密かに憧れていた。
人が好きでいつも輪の中心で笑いをとる彼を眩しく見ていた。お調子者の彼が自転車に跨ると人が変わったように頼もしく逞しく感じるのも見てる。レースにだってこっそり応援に行っているのだ。
それを知ってる幹ちゃん綾ちゃんたちはニコニコと誘いを受け、良かったね名前と耳打ちされた。
そして年末。鳴子くんの家でお鍋をごちそうになり、みんなで近くの神社に二年参りに行くことになった。
お鍋を食べているときは男の子たちが固まってはしゃいでいたからあまり鳴子くんとは喋れなかったけど、女の子同士話が弾んだし、楽しそうな彼らを見ているだけで嬉しくなった。
みんなで洗い物もしてお家の方にお礼を言って、ぞろぞろと夜道を歩く。
小さな神社だけど、参拝する人が多くて賑やかだ。甘酒も振舞っている。
「名前ちゃん甘酒もろてくる?」
「な、鳴子くん」
「ん」
ニコニコと人懐こい笑顔で話しかけてくる彼に緊張してしまう。
さっきまで小野田くんと肩をくんで歩いていたから油断していた。
小野田くんを真ん中に今泉くんと杉元くんが話しているのが少し先に見えた。
幹ちゃんと綾ちゃんは姿が見えないから後ろにいるのだろう。なんだか応援されてる気がした。
「う、うん。一緒にいこ」
勇気を出して誘う。鳴子くんは八重歯を覗かせて笑ってくれた。
甘酒の列に並び、二つもらったけど、鳴子くんは一口飲んで小野田くんにあげてしまった。
「小野田くんやるわー」
「あ、うん、ありがとう鳴子くん…っ熱っっ」
「カッカッカー気をつけぇや小野田くんー」
「甘酒ってうまいのか」
「今泉は飲んだことないんだね、なんならボクがもらってきてあげようか」
仲よさそうな彼らを見てるだけで心が暖かくなる。
その後参拝をして、鐘をつき、おみくじを引いた。
小吉やー、ワイの年やー!と章吉くんだけに嬉しかったみたいではしゃいでいたけど、今泉くんに引きずられるように強制的に帰路につかされた。
お風呂は家で入ってきたので寝床だけを借りる。なんと今日はみんなでお泊まりだ。
「ワイの部屋ですまんけど、布団干したしかんにんなー」と女の子たちは鳴子くんの部屋に通された。
男の子たちはコタツで雑魚寝すると言っていた。風邪ひかないかな。
鳴子くん部屋のベッドと、もうひと組床に布団が敷いてあった。
「私と綾ちゃんは布団で寝るから名前ちゃんベッド使いなよ」
「そうだよ名前ー。匂いつけとけ」
幹ちゃんも綾ちゃんもニコニコと楽しそうだ。私は真っ赤になってしまう。好きな人のベッドとかハードル高くない?
「綾ちゃんも小野田くんとたくさん話せたし良かったね」
「いやメガネのこととかなんとも思ってないし。幹こそどうなのよ」
「私は自転車が好きだし、自転車が好きなみんが好きだよ」
そう言い切った幹ちゃんの目は真っ直ぐで、幸せそうだ。
私もそうありたい。
彼の好きなものを心から応援したい。
鳴子くんのベッドの匂いを心ゆくまで吸い込んで、この恋心は部活の引退までしまっておくことを決めた。
夜?寝られるわけないよ、鳴子くんがいつも寝てるベッドだよー!!!
END
お酒を呑んで上機嫌なパパさんと、ハキハキと闊達なママさんと。お兄ちゃん大好きな弟たち。
それに自転車競技部同級生の今泉くんと小野田くんと杉元くん。さらにマネージャーの幹ちゃんとテニス部の綾ちゃんと一緒に、私名前は鳴子くんの家にて年末の夜を過ごしていた。
もともと男の子たちを集めて計画していたみたいなんだけど、側にいた幹ちゃん綾ちゃんも誘われ、彼女たちと一緒にお昼を食べていた私も何故か誘われた。
私は幹ちゃん綾ちゃんとは仲が良いけど、自転車競技部の男の子たちとはあまり話したことはない。
だけど赤い髪の彼とは同じクラスで、密かに憧れていた。
人が好きでいつも輪の中心で笑いをとる彼を眩しく見ていた。お調子者の彼が自転車に跨ると人が変わったように頼もしく逞しく感じるのも見てる。レースにだってこっそり応援に行っているのだ。
それを知ってる幹ちゃん綾ちゃんたちはニコニコと誘いを受け、良かったね名前と耳打ちされた。
そして年末。鳴子くんの家でお鍋をごちそうになり、みんなで近くの神社に二年参りに行くことになった。
お鍋を食べているときは男の子たちが固まってはしゃいでいたからあまり鳴子くんとは喋れなかったけど、女の子同士話が弾んだし、楽しそうな彼らを見ているだけで嬉しくなった。
みんなで洗い物もしてお家の方にお礼を言って、ぞろぞろと夜道を歩く。
小さな神社だけど、参拝する人が多くて賑やかだ。甘酒も振舞っている。
「名前ちゃん甘酒もろてくる?」
「な、鳴子くん」
「ん」
ニコニコと人懐こい笑顔で話しかけてくる彼に緊張してしまう。
さっきまで小野田くんと肩をくんで歩いていたから油断していた。
小野田くんを真ん中に今泉くんと杉元くんが話しているのが少し先に見えた。
幹ちゃんと綾ちゃんは姿が見えないから後ろにいるのだろう。なんだか応援されてる気がした。
「う、うん。一緒にいこ」
勇気を出して誘う。鳴子くんは八重歯を覗かせて笑ってくれた。
甘酒の列に並び、二つもらったけど、鳴子くんは一口飲んで小野田くんにあげてしまった。
「小野田くんやるわー」
「あ、うん、ありがとう鳴子くん…っ熱っっ」
「カッカッカー気をつけぇや小野田くんー」
「甘酒ってうまいのか」
「今泉は飲んだことないんだね、なんならボクがもらってきてあげようか」
仲よさそうな彼らを見てるだけで心が暖かくなる。
その後参拝をして、鐘をつき、おみくじを引いた。
小吉やー、ワイの年やー!と章吉くんだけに嬉しかったみたいではしゃいでいたけど、今泉くんに引きずられるように強制的に帰路につかされた。
お風呂は家で入ってきたので寝床だけを借りる。なんと今日はみんなでお泊まりだ。
「ワイの部屋ですまんけど、布団干したしかんにんなー」と女の子たちは鳴子くんの部屋に通された。
男の子たちはコタツで雑魚寝すると言っていた。風邪ひかないかな。
鳴子くん部屋のベッドと、もうひと組床に布団が敷いてあった。
「私と綾ちゃんは布団で寝るから名前ちゃんベッド使いなよ」
「そうだよ名前ー。匂いつけとけ」
幹ちゃんも綾ちゃんもニコニコと楽しそうだ。私は真っ赤になってしまう。好きな人のベッドとかハードル高くない?
「綾ちゃんも小野田くんとたくさん話せたし良かったね」
「いやメガネのこととかなんとも思ってないし。幹こそどうなのよ」
「私は自転車が好きだし、自転車が好きなみんが好きだよ」
そう言い切った幹ちゃんの目は真っ直ぐで、幸せそうだ。
私もそうありたい。
彼の好きなものを心から応援したい。
鳴子くんのベッドの匂いを心ゆくまで吸い込んで、この恋心は部活の引退までしまっておくことを決めた。
夜?寝られるわけないよ、鳴子くんがいつも寝てるベッドだよー!!!
END
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