短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ちっちゃい騰と私 (ちび騰)
うーん…苦しい…
身体が締め付けられる…
…ううう…金縛り…?
「――はっ!!」
苦しくて目を覚ますと、私の体には小さな手足が絡まり、しっかりと抱きつかれている。
ぷくぷくとした頬に長い睫毛。くるくるとした茶色の髪の毛。
寝顔がとっても可愛いこの男の子は、幼馴染の騰。
私にぴったりとくっついてすやすやと眠ってる。
「…また来たのね…」
この子は何かあると、こっそり窓から私の部屋に入ってきては、勝手に寝台に潜り込んで寝ているのだ。
きっとまたお家で怒られたんだろうなぁ。
剣の先生や戦術の先生が来ても、騰は全然興味がないみたいですぐ逃げちゃってるから…
髪の毛を撫でてやると、ふわふわで気持ちいい。
まだ起きるにはちょっと早いし、もう一眠りしよう。
その時ふとお父様の言葉を思い出した。
『沙月はもう子供じゃないんだぞ。後宮に入れるよう、そろそろ勉強を始めないとな!』
よくわからないんだけど、うまくいけば王様のお嫁さんになれるかもしれないんだって!
正直王様ってどんな人なんだかよく分からないけどね。
まぁそこは置いといて…
私はもう7歳だし、騰は6歳。
いつまでも一緒に寝てたらいけないって事です。
お姉さんである私がちゃんと教えてあげないと!
「こらっ、騰!おーきーなーさーい」
「トウはまだ寝てます」
「起きてるじゃん!」
「…ぐうぐう」
「いやもうバレてるし」
騰がすりすりと私の胸に顔をこすりつけてくるから、くすぐったくて笑っちゃう。
「あははは…くすぐったいよー」
随分甘えてくるなぁ。これは何かあったのかも…。
「… 沙月、お嫁に行くの?」
「えっ?」
「昨日の夜、トウの父と沙月の父が話してた」
「あ~…いつかは行くんじゃないのかな?よくわかんないけど…。お勉強して、後宮っていうところに入れたら、王様のお嫁さんになれるらしいよ」
我が家と騰のおうちは仲良しだから、よくお父様同士でお酒を飲んでいる。
それにしても、お父様ってば何でも喋っちゃうんだから!
「…だ…」
「ん?なぁに?」
「そんなのやだ!沙月はトウのお嫁さんにするんだから!」
「ええー?!」
「いや?」
私に抱き着いたまま、上目遣いでこっちを見る騰…なんというか、圧力がすごいよ。
ぱっちりとした目がうるうる…と潤んでくる。
これはまずい…泣いちゃいそう…。
でも、顔も分からない王様よりも、騰のお嫁さんの方が絶対楽しいよね。
それにしても騰が私の事をそんな風に考えてくれてたなんて!
嬉しくてにやけちゃう。
さぁ、私もちゃんと応えてあげないと…
「こほん。騰、あの、私も――」
「あっ、セミ!」
騰はしゅばっと起き上がると、窓の外の木に止まったセミに一直線に向かっていった!
今までのは何だったの?!
私よりセミの方がいいってこと?!
「もう!騰の馬鹿!」
セミを見つめたまま動かない騰に向かって、私は思いっきり枕を投げつけてやったのだった。
おわり。
久しぶりに書いたのがちび騰ちゃん(笑)
めっちゃ可愛いですよね~
師匠も出したいな…
うーん…苦しい…
身体が締め付けられる…
…ううう…金縛り…?
「――はっ!!」
苦しくて目を覚ますと、私の体には小さな手足が絡まり、しっかりと抱きつかれている。
ぷくぷくとした頬に長い睫毛。くるくるとした茶色の髪の毛。
寝顔がとっても可愛いこの男の子は、幼馴染の騰。
私にぴったりとくっついてすやすやと眠ってる。
「…また来たのね…」
この子は何かあると、こっそり窓から私の部屋に入ってきては、勝手に寝台に潜り込んで寝ているのだ。
きっとまたお家で怒られたんだろうなぁ。
剣の先生や戦術の先生が来ても、騰は全然興味がないみたいですぐ逃げちゃってるから…
髪の毛を撫でてやると、ふわふわで気持ちいい。
まだ起きるにはちょっと早いし、もう一眠りしよう。
その時ふとお父様の言葉を思い出した。
『沙月はもう子供じゃないんだぞ。後宮に入れるよう、そろそろ勉強を始めないとな!』
よくわからないんだけど、うまくいけば王様のお嫁さんになれるかもしれないんだって!
正直王様ってどんな人なんだかよく分からないけどね。
まぁそこは置いといて…
私はもう7歳だし、騰は6歳。
いつまでも一緒に寝てたらいけないって事です。
お姉さんである私がちゃんと教えてあげないと!
「こらっ、騰!おーきーなーさーい」
「トウはまだ寝てます」
「起きてるじゃん!」
「…ぐうぐう」
「いやもうバレてるし」
騰がすりすりと私の胸に顔をこすりつけてくるから、くすぐったくて笑っちゃう。
「あははは…くすぐったいよー」
随分甘えてくるなぁ。これは何かあったのかも…。
「… 沙月、お嫁に行くの?」
「えっ?」
「昨日の夜、トウの父と沙月の父が話してた」
「あ~…いつかは行くんじゃないのかな?よくわかんないけど…。お勉強して、後宮っていうところに入れたら、王様のお嫁さんになれるらしいよ」
我が家と騰のおうちは仲良しだから、よくお父様同士でお酒を飲んでいる。
それにしても、お父様ってば何でも喋っちゃうんだから!
「…だ…」
「ん?なぁに?」
「そんなのやだ!沙月はトウのお嫁さんにするんだから!」
「ええー?!」
「いや?」
私に抱き着いたまま、上目遣いでこっちを見る騰…なんというか、圧力がすごいよ。
ぱっちりとした目がうるうる…と潤んでくる。
これはまずい…泣いちゃいそう…。
でも、顔も分からない王様よりも、騰のお嫁さんの方が絶対楽しいよね。
それにしても騰が私の事をそんな風に考えてくれてたなんて!
嬉しくてにやけちゃう。
さぁ、私もちゃんと応えてあげないと…
「こほん。騰、あの、私も――」
「あっ、セミ!」
騰はしゅばっと起き上がると、窓の外の木に止まったセミに一直線に向かっていった!
今までのは何だったの?!
私よりセミの方がいいってこと?!
「もう!騰の馬鹿!」
セミを見つめたまま動かない騰に向かって、私は思いっきり枕を投げつけてやったのだった。
おわり。
久しぶりに書いたのがちび騰ちゃん(笑)
めっちゃ可愛いですよね~
師匠も出したいな…