14.招待の曲(169.
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それから歴の長いC級隊員や、大学生ながらフリーのB級隊員を対象に【今後ボーダーにてどうしたいか】を主な題材とした面談が上層部メンバーを含めて行われた。ボーダーの存在意義や責任感を理解してない者や遊び半分の者達のせいで、一生懸命に頑張る者に被害やら負担があるのは流石に良くは無いのを今回の件で理解したらしく、ある程度の基準や巽の調査で引っ掛かった輩は理由を告げた上で除隊処分となった。これは現場責任者である忍田やボーダー最高責任者である城戸から通達されたので反論は出来ず、渋々受け入れるしかない隊員達であった(中には"アンチ思考"を持つ隊員がいる可能性を言実が指摘し、その危険がある隊員かは迅や菊地原、シロがチェックしており記憶処置が行われるらしい)
一方でフリーだったからこそ被害を受けてしまったフブキは【同じ事に巻き込まれない為に】と柚紀とシロとチームを組むのをやっと決意し、正式に届け出を出せばこれが受理され"野々村隊"が結成される。が、他のチームとは些か特殊な立ち位置であり
・高校受験を二人が控えており、進学後もボーダーを続けると明言しているのを考慮して今シーズンのB級ランク戦参戦は見送る
・なお、今後新たな亜種が現れた際には即座に現場に急行して対処する"亜種対処特別部隊"扱いとする
・基本の防衛任務は主に二人で行うが、上記の条件や歌姫の体調を考慮して控え目とし、"チーム単位での合同任務"をその分追加する
と、各チームを中心に通達が回っていた。その中には"主に柚紀の交友関係を基準に合同チームは選定される"とチーム相手にのみ追記があったので、全く関わりのない隊は安堵したとの事である。(逆に関わりの薄い弓場隊(主に王子)と加古が言実に直談判したが『あくまでも一時的な処置だ。悪く思わないでくれ』と言い分が却下されたらしい)
そんな話題がボーダー内で持ちきりとなり、会う人達から「結成おめでとう」や「やっとかよ!待ちくたびれたぜ」とお祝いやら色んな言葉や結成祝いの品を貰っている二人は別行動をしていたが、各自"仲の良い隊員"を引き連れてある場所に向かっていた。そこは………
- テクテク、テクテク、カツカツ…… -
「にしても、色々貰ったな〜。主にユズ宛の菓子ばっかりだが、中には"少しは女らしくしろ"って意味を込められたであろう品がチラホラ。余計なお世話だっつーの全く!!……あの二人はそんな事言わねぇ、そのままの俺を受け入れてくれるから良いんだよ!」
「………多分、お二人も"フブキ先輩にそうして貰えているのが嬉しいから"じゃないですか?あの二人は容姿や…育った環境が些か特殊だと私も本人達より伺っています。それでも特別視しない先輩の性格や気質が………好きなんですよきっと。後は、理由は違えど対人関係に難があるお二人にはその、………相手が年上や大人であろうと立ち向かってくれる貴女が、ヒーロー的な存在なんですよ。私が話を聞いた限り、勝手に抱いた感想ですがね」
「……………ま、頼られるのは悪くないから別に良いけどな。ってか木虎、あの二人と戦略やら地形戦の話をしながらそんな事も話してたのかよ?……何か妙な事、吹き込まれてねぇか?主に俺関係の」
「…………あくまでも世間話程度の事しか話してませんので、その中に"フブキ先輩が知られたくない事"が含まれているとは私は思いませんよ?あのお二人が貴女を陥れるなんて事、される訳がありませんからね。あ、でも……佐鳥先輩や時枝先輩の失敗談を語った時に、それに似たエピソードを聞いた記憶が……」
「よし分かった。後で佐鳥を締める事にする」
……この後に佐鳥と会う約束はしてないが"高確率で目的地にて遭遇する"のを分かっていたフブキがかなり物騒な発言をする。これに対してあの二人の関係性を把握している木虎は止めるつもりはない様子。そして"とある部屋の前"で柚紀と……案の定一緒に居た二人を見つけたフブキが佐鳥を強襲するが、生身のフブキの攻撃がトリオン体の佐鳥に当たる訳もなく見事に回避される。これに対して「ちょっ?!いきなりナニするのさっ、風音ちゃん!??もし柚紀に当たったらどうするの??」「俺がそんなヘマするかよ!!それに万が一があっても時枝が居るし、……お前だってその可能性があれば受けて立つ位の度胸はあるだろう?」と反論と持論による討論バトルが勃発。……通常なら直ぐに佐鳥が白旗を上げるのだが柚紀が関わるので例えフブキが相手でも引くに引けないのだった。それを横目に状況についていけてなく、咄嗟に時枝に庇われている柚紀の元へ木虎が近づき声を掛ける。すると我に返れば時枝に礼を行った後に離れて二人の仲裁に入る。それを少し寂しげに見つめる時枝に木虎は気づいているが此処は見ないフリをする。……彼にもプライドがあり、大分性格も掴んできたからこその選択である
そして落ち着かせたフブキが「ドア前でナニをしてたんだ?」の問にどの部屋にも採用されているパネルを指差しながら柚紀が説明をする
『ウチの解除コード、互いをもっと知ろうって事で"ある内容の数字"を何種類か登録してランダムに表示される様にしているでしょ?で、今月はフブキの好きな幕末…新選組に関わる年号でスタンダードな"池田屋事件が何時の事か"で、佐鳥くんだけ覚えてなくて……ちょっとムキになっちゃって暫く待っていたの。別に試験に出る程必須内容じゃないから知らなくても不思議じゃないのにさ。っしょ!』
「(ムー)だって二人は知っているのに佐鳥だけ知らないのは、何か嫌だったんだもん!!それに新選組を題材にした作品って結構あるから何となく思い出しそうな気がして。そこまで有名じゃない赤穂浪士のアレも、何となく覚えてるしオレ!!」
「……アレとか言っている時点でかなり曖昧だって自覚しろよ全く。赤穂浪士討ち入りの日取りは確かに合っていたからって池田屋のも当たるとは限らないだろ?………柚紀さんが荷物抱えてるの、目に見えてないの?今は答えを考えるより先に中に入って貰い物を降ろしてあげるのが先決じゃないの??」
経緯は不明だがフブキ同様に色んな人から粗品を貰っていた柚紀は"自分達へのモノだから自分で運ぶ"と言って聞かずで、両手いっぱいにモノを持っている状態。だからこそ代わりにコード入力しようとした佐鳥だったが、恐らく時枝への対抗心からこんな状況になったのだろう。そして何となくソレを理解したフブキが代わって答えを入力して中に招き入れる。………野々村隊の作戦室に