12.克服訓練の曲(167.
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サイドエフェクトの先輩方との手合わせを終えた柚紀を出迎えた言実から【約一週間、ランク戦禁止】が言い渡される。理由は多少なりともシステムに歌姫が影響を及ぼしているらしく、数日後に始まるB級ランク戦に支障が出ないかを危惧してとの事だ。だがあくまでもC級ランク戦ロビーでのバトル禁止であり、ラボや各作戦室にあるトレーニングルームでの戦闘訓練は問題なしと言われたので特に問題なさそうな柚紀に、追随していた嵐山達は安心していた
そして実践もさる事ながら、地形戦やシロと約束していた戦略戦の勉強を中心に暫くは励んでいると、あっという間に2月となりB級ランク戦も開始された。そして早速既存チームからスカウトされた緑川に"ランク戦見に来て"と言われたので行く事になったのだが、一般隊員達と同じ場所に行けば注目が集まり集中して見れない事を考慮して……
「皆さん初めましてこんにちは!今シーズンからB級ランク戦実況に携わる事になりました、海老名隊オペレーター・武富桜子です!!若輩者ながら精一杯務めさせて頂きますので宜しくお願い致します。さて、始まりましたB級ランク戦・昼の部ですが、今回の解説役には昨シーズンの新人王・野々村隊員と、昨シーズンにてA級昇格に一役買った嵐山隊の新たなるエース・木虎隊員にお越し頂きました〜!本日は宜しくお願いします」
「こちらこそ宜しくお願いします(ペコリ)」
「ってか、俺に解説役務まるか微妙だぞ?ぶっちゃけ感覚系で理論とか戦略とかからっきしだし」
「えっとですね〜、【今回登場します新生佐伯隊改めて草壁隊の戦闘データがほぼ皆無な状態なので、逆に野々村先輩みたいな人の方が解説に向いている】と巽先生からアドバイスを頂きまして、それで今回お声を掛けさせて頂きました。それと、草壁隊長とはお二人は同期ですし、そのチームに加入しました緑川隊員はお二人と同じ黒服でしたので何か情報をお持ちかなと思った所存です!!」
「あ、一応それなりに理由があった訳か。ん〜……草壁って確かガンナーだった気がするからそこは木虎に投げるわ。緑川とはそこそこ交流あるからそっち方面に語って平気か?」
「ハイ!!この会話内容はデータに残りませんのでご自由に語って下さい!!?会場の皆さんも初心者トリオと言う事で、暖かく見守って頂けたら助かります!」
『あ、フブキと藍ちゃんがアッチに居るならVIPじゃ無くても良かったかも。でも試合中にナニあれば多分解説そっちのけで……来ますよね二人とも』
「だろうな。ってかランク戦やってるのにその心配なくないか?あ、……………もしかしてそう言う経験、あったりするの?」
『……………(コクン)アッチ、少し薄暗くなるじゃないですか?だから、その……それも怖い、要因だったりします。…………すみません』
「……(ナデナデ)大丈夫、俺もアッチで見るよりコッチの方が槍バカも居ないから楽だから良く多様するんだ。今回は当真さんの変わりだったけど、必要なら声を掛けてよ。任務と被ってなきゃ全然同伴出来るからさ、な?(ナデナデ、ナデナデ)」
VIP観戦室にてランク戦観賞にやって来ていた柚紀と出水がそんな会話をしていた。ナニを基準にかは分からないがこの部屋を使えるのはごく一部の隊員だけらしく、あまり人目を気にせず見れるが一応立場上B級隊員である柚紀が一人で来るにはまだ敷居が高いらしく、更に当真は丁度任務中の事もあり出水が同伴していた。が、例え出水が相手でも"二人っきりの空間"は避けたく互いに思っていたらしく、とある方達にお声掛けをしていた。その人物は……
- ………スッ -
「えっと、……コレで、良かった…かな?……ぃ、犬飼先輩に"駄目な飲み物"は、聞いてたから、と、とりあえず女子が好きそうなのに、……したけど…。あ、(スッ)出水くんも、どうぞ」
「おっ?!わざわざ有難うな"辻ちゃん"。……うん、問題なさそうかな?ほい、柚紀ちゃん"ホットのココア"飲んで一旦落ち着こうか」
『ぁ、………はい。……辻先輩、有難う、御座います。(ペコリ、……フーフー……チビチビ)』
「あは〜、上手くお使い出来て良かったね辻ちゃん!……二宮さんは何時ものにしましたが平気ですか?」
「………あぁ、問題ない。………………お前も大変だな出水」
「へっ?……柚紀ちゃんの事を言ってるなら二宮さんだろうと怒りますよ俺。彼女は悪くない、悪いのは非常識で自分勝手な馬鹿野郎であって彼女は被害者でしかない。他の人と同じ風にしていたくても、過去の嫌な記憶のせいでそれが出来ない、でも友人の頼みは断れないからこうやって妥協案を講じる事にした。色々考えた末の行動に俺が勝手に付き添ってるだけですから、その考えはお門違いです」
「……………それも、そうだな。済まなかった」
二宮隊の三人と一緒に観戦する事になったのだが、二宮の余計な一言で場の雰囲気が険悪ムードになりかけるが彼が謝った事により「ハイハイそこまで。……一応コレ"異性が苦手な二人の為に設けた場"でもあるんだから、協力してよね〜」と犬飼が仲介に入り何とか場を整える。……流石に出水みたいに隣には座れないが一つ離れた椅子に座り、何とか柚紀と話そうと努力する辻と答えようと頑張る柚紀。出水はそんな二人に話題を振り、茶々入れて反応を楽しんでいる犬飼とそんなやり取りを遠くから眺める二宮……中々シュールな風景である