11.総稽古の曲(166.
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- スタン -
『(キィーン)さて、レーダー反応と人物の照らし合わせが先かな?えっと、………わぁ〜、いきなり荒船先輩とカゲ先輩がエンカウントしちゃってる!?となると……フブキ〜"貴女から見て屋上に更にL字の物体がある建物"って、右左どっちにある〜?』
❲ん?……かなり前方"右"だな。それがどうした?❳
『(右側……なら、この反応がフブキだね。となると……)…その建物近辺で荒船先輩がカゲ先輩とバトルしてるから早急に援護して!!私は作戦通り(キイィーン)ゾエ先輩を倒しに行ってくるから(ダン!)』
❲了解した!俺も急ぐがお前も急げよ!!(……ん?かなり距離あるのに何でユズの声、聞こえるんだ?オペレーターなしだと通信機能使えない筈じゃ…)……そこは後でシロにでも聞くか❳
オペレーター支援なしなので、開始早々見晴らしの良い場所へ駆け上がった柚紀は視覚を強化してレーダーと人物の照らし合わせを開始する。(因みにフブキに声が届いたのは桁外れなトリオン量がある柚紀ならではの離れ業であり、普通の人には無理な事と追記)それから唯一"動いていない反応"が北添と判断すればグラスホッパーを使って一直線に向かい、速攻で落としに掛かる
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「あ〜、ゾエの奴油断したな。隠れるつもりなら"ちゃんとバックワーム使うべき"だろうが。……レーダー機能はC級ランク戦でも使えるんだ、それを柚紀が見逃す訳がねぇ」
「C級の子達がやる訓練にもレーダーを使った目標捕捉するのあるけど、チーム組んじゃうとソレをオペレーターに任せっきりになるから意外と見落としやすい落とし穴になるよね〜。………あ、ゾエくんが落ちた」
「柚紀ちゃんは基礎を重視する子ですから、彼女ならではの動きですね。特に個人戦では戦う事による経験を積む事をメインに考えられていてチーム戦は主にB級ランク戦から……の考えで十分ですが、あ〜やって活用出来ている姿を見ると教えた甲斐があります」
「ふむ、新人指導をする嵐山くんらしい発言が飛び出した所で、歌姫ちゃんも仲間の所へ急行中〜!!……そうとう焦ってるね〜、髪色が緑だ〜。甲の石は天鵞絨色のままなのにさ」
「ま、焦るだろうな。……歌姫を使うならガードは多いに越した事はねぇ。特に相手があの二人だ、…強さやリスクは本人が一番よく分かっているってこった」
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- キイィーン、ババババババ! -
『(スタン!…ポン!)すみません!!遅くなりました!?まだ平気ですか?!二人とも!!?』
「まぁ何とか、な。……致命傷は避けたが見ての通り損傷はしてる。特に先輩は片腕を落とされているから、長期間は難しいぞ?」
『……利き手の左が無事なら何とかなりそうですね。さて、…………此処から反撃の狼煙を上げさせて頂きます。ま、狼煙は語弊がありますね、私の場合は………(キイィーン)"歌"ですから』
「……(ニヤリ)イイぜ来いよ!?その歌こど、お前達を叩きのめしてやるよ!!?」
『では、……(ニコッ)一曲お付き合い下さい!』
射撃で二人との距離を取らせと状況を確認した柚紀は、早急に切り札を切る事に。その証となるインカムが出現したのを見て、影浦は愉しげな笑みを浮かべ、村上は武器を一段と強く握り締める。そして紡ぎ出すのは
- 運命に贖い前へ進む者の決意の
「むぅ〜。ゾエ先輩に許可貰えればアッチに潜り込めると思ったのに、……残念」
「ゴメンね役に立てなくて。でも、それが出来ちゃったら簡単に復帰出来ちゃうから仕方ないよ。……"セットトリガーを使用不可能にしたトリオン体を転送"とかは出来ないみたいだからね」
「ま、それが出来ないから以前柚紀さんが飛ばされた時大変だったの、佐鳥は忘れたの?後、……歌は諦めなよ。聴きたい気持ちは…分かるけどさ」
一足先にベイルアウトしてきた北添に頼んで戦場に潜り込もうとした佐鳥だったが思惑が外れて意気消沈し、それを見て申し訳なさそうにする北添をフォローしつつそもそも乱入したかった理由を言い当てた上で諦める様に時枝が説得するが、……彼自身も聴きたかった様子。そんな二人に聞こえてきたのは実況・解説の声でなく……
〜 運命なんてくそくらえ
やりきれなくて cry for pride
ah,ah,ah, alone in my world
響く愛の
歪んだ
崩れさっていく理想と明日
吐いて捨てるほどに退屈だった
good bye, precious life 〜
「!?えっ!!………なんで…」
「………多分、サビの部分だよね。……どうして?」
「ん?ん??………えっと、どうしたの?二人とも?!?」
……聴こえないと思っていた柚紀の歌声が聞こえて戸惑う二人と、状況についていけない北添。スクリーンでは二番を歌っているであろう柚紀が映し出されているが、その歌声が聴こえてこない。…今までこんな事がなくて戸惑う二人に、…………彼と彼女が動く
「あ〜、……もしかしてサビだけ二人に聴こえた感じか?確か姐さんだったか本人が言ってたっけな〜【サビ部分はより一層チカラが入りやすくやる】って。だが何で二人だけ??」
「ん〜…………それだけお二人が彼女に寄せる想いが強いんですよ。今のユズちゃんは目標の為に歌っています。でもそれを目指す理由がS級としてってのもありますが、"二人の側に…隣に立っても恥ずかしくない自分になる為"でもあります。(クスッ)システムの壁を越えてまで歌声が聴けるなんて、本当に二人は彼女が好きなんだね。………羨ましいよ」
「「っ!!?」」
出水とシロは兎も角、今ので北添にもバレたらしく「頑張って!?陰ながら応援しているよ!!?」とエールを送られて顔を赤らめる。……殆どの人がスクリーンに注目したり実況・解説組が気を引いているので二人の変化に気付いた者は…ほぼ皆無であった。因みに結果は弾丸攻撃により"狙い通り"を空中へ回避した二人にフブキが追撃しようとたが返り討ちに遭う。しかし、影浦の利き腕を切り落とす仕事は果たし、注文通りにその隙に荒船が仕留める。それに動揺した村上は柚紀が放った"マンティス"によりトリオン器官を破損させられ、無事に柚紀達の勝利となったのであった