10.交流戦の曲(165.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
備蓄に余裕があったので補給もバッチリな柚紀は寝坊こそしたが、次の日は普通に登校していた。そして放課後にはボーダーに赴き【新たな対策を講じたトリオン体の試運転】となり笹森を始めとした同級生組とランク戦をしていた。因みにフブキは道場に顔出しする日なので不在であり、シロは大事を取って基地には来ておらず、嵐山隊メンバーは何やら広報関連の打ち合わせで基地には一緒に来たが別行動中。そして昨日の今日なので一部の隊員は"柚紀は自宅で安静にしている"と思っていたらしい。……この方達含めて
「全く!!昨日へばって最後まで任務出来なかったんでしょ?なのに何で今日も来てるのさ〜。……此処一ヶ月、あの双子が退いてから平和だったのに僕達の時ですら亜種が出てきたし…………まだ新種は出てきてないけど、向こうも活動再開しているなら無闇に鶴ヶ峰を現場に出すのはヤバくないですか?そこの所、どうなっているんですか?風間さん」
「……………一応迅に色々視てもらっているが、今回の新人は比較的優秀な隊員が多いらしくて、それなりの人数が既にB級に昇格している。そんな奴等の任務時に亜種が出るより、鶴ヶ峰が居る時にある程度引き寄せてもらうべき……そう言実さん含めた上層部は決断している。例の訓練室で現在確認されている亜種のシミュレーションも可能だろ?あれを活用すれば実際に遭遇しても対処はしやすい筈だ」
「ですがこの場合【亜種と自力で判断する必要があります】……防衛任務時はオペレーターのサポートがありますが、訓練室ではそれは無い状態です。……逆効果になりませんか?」
「そこは利用理由によって調節される筈だ。ちゃんと特定の敵だけを出せるプログラムはされている、それを活用出来るかは本人次第だ。例えその機能を知らなく……はないか?新人も初日のアクシデントでそう言う操作が可能なのを確か嵐山達が話していた筈だからな」
と、任務を終えてロビーにやって来た風間隊三人か各々の考えを口にしつつ柚紀を探していた。そして奥寺・小荒井コンビと今日の露払い役であるバカコンビ(笑)と一緒に談笑している生身の柚紀を見つける。何故か太刀川隊のエンブレム付きの服を着た状態で
話が済んだ二人が離れたのを見計らい近づいてくる三人に目敏く気づいた柚紀が笑顔で駆け寄れば「走る必要ないだろ?俺達は逃げたりしない」と風間に注意され明らかに落ち込む少女の頭を撫でてやり機嫌を取る。そして三人がロビーに現れた理由を訊ねれば呆れた口調で菊地原が答える
「どっかの誰かさんが友達を使って【明日都合が良ければ手合わせ……ランク戦しませんか?トリオン体の調整具合を確かめたくて】ってグループで言われたからね〜。殆どの人が参加意欲を示している状態で無理とか言いづらいから。……烏丸みたいにバイトがあるとか、古寺や別役みたいにポジション的にランク戦相手に向いてない以外はね。それともナニ?…………僕達とは戦えないとか言わないよね?二宮さんやそれこそ風間さんと戦っているんだよ?それはないでしょ?」
『そんな訳ないよ?あ、でも…………サイドエフェクト持ちの人と戦った事無いかも。後……オールラウンダーの人もない、かな?(三輪先輩とのは非公式だからないか?)』
「……前者は分かるが、後者は三輪がそうだろ?ま、アレをカウントしないのはお前らしいな。データは言実さんが削除処理しているから知らない奴が殆どだ」
非公式の三輪隊との戦いを知っている事に戸惑う柚紀に出水がその理由を話せば落ち着きを取り戻し、改めて二人と戦う流れに。そしてトリオン量や精神的な理由で先ずは歌川と手合わせとなり二人はブースへ。それを見送る風間が「で、実際どんな対策を講じる事になったんだ?」と訊ねれば二人が話す前にスクリーンに二人が映し出される。そこには
「……………………は?何で鶴ヶ峰の奴"黒髪"なの?確か髪色を変えてもサイドエフェクトを使えば色変わっちゃうんだよね?……意味なくない?」
「そうなんだが、姐さん曰く実はアレだと"かなりの量のトリオンを無駄遣いしている"らしい。……ほぼ自然体で身体の負担は減るが、結局は長期戦が不可能な状態になる。そして柚紀ちゃんって回避能力は恐らくボーダー内でトップ3に入る位に高いのは二人も知ってるかと思いますが…そのせいで【無傷の状態で活動に必要なトリオン量が無くなれば体が動かなくなり"ベイルアウト出来ない"危険な状態に陥る】事が前回の防衛任務時に判明してしまった。………例の洗脳型のトリガーが負傷する事だったから尚更彼女は気にしてしまい、そう簡単に手傷を追う事は無い。悪い事ではないが【そもそもトリオン浪費によるベイルアウト発動って通常は損傷箇所からのトリオン放出によるもの一択】。だから、柚紀ちゃんみたいなケースは想定されていない。今から更にそれを考慮した設定を捩じ込むのは姐さんと冬島さんでも無理らしい」
「で、考えた結果は【簡単に・自他共に分かりやすく・操作が可能な枷】を設ける事とした。……目印は髪色で、段階は"黒・通常時のモノ・鮮やかな緑色"の三段階で"使えるトリオン量も黒が一番少なく、緑がフル活動可能な状態"。切り替えるには"左手の甲に付けられた石に触れる事"で、他人が触れても切り替えが可能なんですが………あの子なら他人にそう簡単に触られる心配はないじゃないですか?普段から他人…特に異性にいきなり触られたりするのを警戒していますからね。いきなり背後からだと回避は無理ですが、そんな油断を柚紀ちゃんがすると思いますか?」
つまりは柚紀が相手の実力を見極めて自由に使用可能な範囲を設定して戦う事にしたのだ。ただ一番抑制されている黒髪でも隊員の平均トリオン量は使用可能なので、これで負ければ"単純な実力不足"と柚紀が納得出来るのだ。他人……相手から何か言われたりどちらが勝っても負けても、多少わだかまりがあるがそれで騒動に発展する事は少ないだろう。結局は戦闘員は実力主義なのだから。因みにサイドエフェクトはどの状態でも使えはするが、浪費が激しいので負担が掛かるのと……トリオン残量が減るに伴い疲労を感じる設定のせいで、体のキレがなくなるので多様は出来ず結局は【生粋の柚紀本人が能力ナシの状態で、実力を身に付ける・勝つ】のが求められる。ある意味柚紀が一番望んだ状況下となり、大変ではあるが逆に嬉々として進んでランク戦に勤しんでいるのであった