9.初任務の曲(164.
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それから最寄りの秘密経路から通路に入れば程なくして例のベッドと一緒に諏訪が待ち受けていた。それを見れば即座に柚紀をベッドに寝かせた出水は、安堵のため息を漏らす
「助かりました、姐さんが諏訪さんを…それを用意してくれて。(ゴキゴキ)夏みたいに戦闘後じゃない、ただ短距離を抱えて移動しただけなのにかなりシンドかったです。……B型の俺がこうならAの二宮さんは無理なのも頷けます。流石は迅さんって感じです」
「えっ?!出水先輩が来たのはおつるちゃんの指示じゃなかったんですか?」
「いや、米屋経由で迅さん…もっと正確に言えば宇佐美から【学校終わったら任務中の柚紀ちゃんを迎えに行け、じゃないと彼女が危なくなる可能性がある】って連絡があった。(シュウー)……で、鞄は米屋に預けて即座に駆けつけたらあの状態だった訳だ。ってか太刀川さんは何でアソコに?」
「ン??やっとレポート地獄から開放されたから念願の柚紀とのランク戦を楽しもうと迎えに行ったら、……こうなった。こりゃ今日もお預けだな」
「ったりめーだ!!冬島のオッサンが"余計な事"をしたせいで鶴ヶ峰のトリオンがほぼ枯渇してるんだ!!?こんな状態で戦わせる訳ねぇだろうがっ!?ま、かなり深刻な問題だから暫くは任務もランク戦も無理かもな、こりゃ」
話が見えない中学生組が首を傾げる姿を見て「とりあえず説明はアッチに行ってからだ。……姐さん、頼みます」と諏訪が話を打ち切れば"この後の展開が読めた"嵐山隊三人は慌ててベッドの縁を掴み、フブキも反射的に同じ行動を取ればそのままワープし、太刀川隊の二人は置いてけぼりを食らう羽目に
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場所が代わり、到着したのは柚紀の検査室。現在もエンジニア達の研究にて定期的に使用されている室内は適度に清潔感が保たれており、既に観察室側には冬島と寺島がスタンバイしていた。そしてベッドを固定させポケットから手袋を取り出して装着した諏訪がそれでも注意深く柚紀に例のリストバンドを装着に成功すれば、コチラもため息を漏らす。何故その様な事をしたのかを時枝が問えば
「見ての通り、俺もトリオン体だ。そして血液型的に出水以上に簡単にトリオンがこの姫様に流れやすくなっている。で、…対市河用の手袋を使っても完全に遮断は無理だから極力触れない様にしつつアレを装着する必要があった。……お前等は全員素手だからな」
「!……そう言えばユズも手袋してるよな〜。理由は【シルバーブレットを使う際の効率化を図るため】とか言ってたが、……セットしてないよな?」
❲そりゃあアレは言実ちゃん特製で"対亜種用の切り札"的なトリガーだからな。……実力が自他共にA級相当と認められねぇ限りは常時セットはしないだろうさ。因みに今から手袋アリにしたのは馴染ませる為らしいぜ?……途中でデザイン変わると違和感あるだろ?❳
「まぁ、フツーはそうですね。俺は"気を引き締める意味や真似対策"で今の服装にしましたが、以前のデフォルトでも十分に戦えたのは事実であり、デザインを変えるのは稀らしいですから。で、……諏訪さんは【冬島さんが余計な事をしたからユズがこうなった】と話してましたが、ナニをしたんですか?」
大分年上相手には敬語を使える様になったフブキを賞賛する佐鳥は置いておき、視線は冬島に集中する。それに対して寺島を一瞥すれば視線を受けた彼が返答
❲トリオン体ってさ、摂取した栄養の還元率が生身よりかなり良いでしょ?で、万が一にも鶴ヶ峰が俺みたいになったら嫌だと思った冬島さんが"吸収率を人体並みに調整"しちゃった訳。………因みにそのせいでリンクしてた市河のトリオンもゴッソリ持っていかれて共鳴も強制解除。……これもサーバーに仕込んだセーフティの一つで、二人若しくは片方が不測の事態に陥った時に被害を出さない為のね。だから鶴ヶ峰は計算違いを起こした、…通常の吸収率ならアレだけの事をしても帰り道分のトリオンは残る筈だよ❳
「あ〜、だから柚紀は慌てたのか。最初からヤバいって分かってたら佐鳥に運搬任せますよね〜。………で、その設定戻しますか?それによって色々対処法変わると思いますが…」
❲…………一応言実ちゃんの許可ありでこの設定にしている。となるとやっぱり戻すのは良くねぇだろうな。(コリコリ)が、体調面や精神的観点から柚紀ちゃんを頻繁に任務には出せねぇ以上【現場に出れば今回みたいになる】と考えるのが妥当だ。………かと言って戦わせないは無理だぞ?それをすれば確実に精神的にヤバくなる。さて、どうしたものか……❳
一応贔屓せず他のB級隊員と同じ扱いをしたいと思っている大人達はかなり難しい表情をしていた。勿論中学生組もそれは同じだが、満足に任務をこなせないのは恐らく柚紀本人が一番納得しないのも分かっていた。そんな中、どうすれば柚紀がちゃんと任務を遂行出来るかを木虎が口に出し始める
「結局は無駄が多いんですよシューターは。それが無ければもっとトリオンを節約出来ますし、柚紀先輩だって長期戦が可能となります。ですが、サイドエフェクトを用いて制御は本末転倒……それをトリオン体の方で何とか出来ませんか?」
❲出力抑えるのは可能だが、いきなり亜種が出たら火力不足になる。……となると【ナニかで自由に火力調節が可能】にした方が良いか?❳
「それと可能でしたら【傍目から見ても今の制御状態がどうなっているか分かって、なおかつ第三者もそれを操作可能】に出来ませんか?……柚紀さんは平気と思っていても他人から見たら"戦わせるべきでない"って場面もきっと出てきます。こうなると強制的に前線から退く要因がないと、彼女は素直に従わないかと」
「時枝の意見には俺も賛成だ。となると、……着脱式の何かか?…………いや、激戦状態だとそれを無くした時にこの姫様は探しに行きそうだからそれも駄目だな。……どうすべきだ?」
どうしたいか、どうすべきかは纏まりつつあるが、"それを実行する為の設備をどうするか"が議題となる。……全員が唸り声を上げる中、フブキが"ある事"を口にする。それを聞いて全員が"確かに良いかも"と納得すれば諏訪が柚紀のトリガーホルダーを持って退室し、入れ替わりに綾辻がやってくると今回の任務の反省会が此処で開かれ、大人二人は言実に連絡を入れたり柚紀の回復に勤しんだりと、各自の役目を全うするのであった
「助かりました、姐さんが諏訪さんを…それを用意してくれて。(ゴキゴキ)夏みたいに戦闘後じゃない、ただ短距離を抱えて移動しただけなのにかなりシンドかったです。……B型の俺がこうならAの二宮さんは無理なのも頷けます。流石は迅さんって感じです」
「えっ?!出水先輩が来たのはおつるちゃんの指示じゃなかったんですか?」
「いや、米屋経由で迅さん…もっと正確に言えば宇佐美から【学校終わったら任務中の柚紀ちゃんを迎えに行け、じゃないと彼女が危なくなる可能性がある】って連絡があった。(シュウー)……で、鞄は米屋に預けて即座に駆けつけたらあの状態だった訳だ。ってか太刀川さんは何でアソコに?」
「ン??やっとレポート地獄から開放されたから念願の柚紀とのランク戦を楽しもうと迎えに行ったら、……こうなった。こりゃ今日もお預けだな」
「ったりめーだ!!冬島のオッサンが"余計な事"をしたせいで鶴ヶ峰のトリオンがほぼ枯渇してるんだ!!?こんな状態で戦わせる訳ねぇだろうがっ!?ま、かなり深刻な問題だから暫くは任務もランク戦も無理かもな、こりゃ」
話が見えない中学生組が首を傾げる姿を見て「とりあえず説明はアッチに行ってからだ。……姐さん、頼みます」と諏訪が話を打ち切れば"この後の展開が読めた"嵐山隊三人は慌ててベッドの縁を掴み、フブキも反射的に同じ行動を取ればそのままワープし、太刀川隊の二人は置いてけぼりを食らう羽目に
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場所が代わり、到着したのは柚紀の検査室。現在もエンジニア達の研究にて定期的に使用されている室内は適度に清潔感が保たれており、既に観察室側には冬島と寺島がスタンバイしていた。そしてベッドを固定させポケットから手袋を取り出して装着した諏訪がそれでも注意深く柚紀に例のリストバンドを装着に成功すれば、コチラもため息を漏らす。何故その様な事をしたのかを時枝が問えば
「見ての通り、俺もトリオン体だ。そして血液型的に出水以上に簡単にトリオンがこの姫様に流れやすくなっている。で、…対市河用の手袋を使っても完全に遮断は無理だから極力触れない様にしつつアレを装着する必要があった。……お前等は全員素手だからな」
「!……そう言えばユズも手袋してるよな〜。理由は【シルバーブレットを使う際の効率化を図るため】とか言ってたが、……セットしてないよな?」
❲そりゃあアレは言実ちゃん特製で"対亜種用の切り札"的なトリガーだからな。……実力が自他共にA級相当と認められねぇ限りは常時セットはしないだろうさ。因みに今から手袋アリにしたのは馴染ませる為らしいぜ?……途中でデザイン変わると違和感あるだろ?❳
「まぁ、フツーはそうですね。俺は"気を引き締める意味や真似対策"で今の服装にしましたが、以前のデフォルトでも十分に戦えたのは事実であり、デザインを変えるのは稀らしいですから。で、……諏訪さんは【冬島さんが余計な事をしたからユズがこうなった】と話してましたが、ナニをしたんですか?」
大分年上相手には敬語を使える様になったフブキを賞賛する佐鳥は置いておき、視線は冬島に集中する。それに対して寺島を一瞥すれば視線を受けた彼が返答
❲トリオン体ってさ、摂取した栄養の還元率が生身よりかなり良いでしょ?で、万が一にも鶴ヶ峰が俺みたいになったら嫌だと思った冬島さんが"吸収率を人体並みに調整"しちゃった訳。………因みにそのせいでリンクしてた市河のトリオンもゴッソリ持っていかれて共鳴も強制解除。……これもサーバーに仕込んだセーフティの一つで、二人若しくは片方が不測の事態に陥った時に被害を出さない為のね。だから鶴ヶ峰は計算違いを起こした、…通常の吸収率ならアレだけの事をしても帰り道分のトリオンは残る筈だよ❳
「あ〜、だから柚紀は慌てたのか。最初からヤバいって分かってたら佐鳥に運搬任せますよね〜。………で、その設定戻しますか?それによって色々対処法変わると思いますが…」
❲…………一応言実ちゃんの許可ありでこの設定にしている。となるとやっぱり戻すのは良くねぇだろうな。(コリコリ)が、体調面や精神的観点から柚紀ちゃんを頻繁に任務には出せねぇ以上【現場に出れば今回みたいになる】と考えるのが妥当だ。………かと言って戦わせないは無理だぞ?それをすれば確実に精神的にヤバくなる。さて、どうしたものか……❳
一応贔屓せず他のB級隊員と同じ扱いをしたいと思っている大人達はかなり難しい表情をしていた。勿論中学生組もそれは同じだが、満足に任務をこなせないのは恐らく柚紀本人が一番納得しないのも分かっていた。そんな中、どうすれば柚紀がちゃんと任務を遂行出来るかを木虎が口に出し始める
「結局は無駄が多いんですよシューターは。それが無ければもっとトリオンを節約出来ますし、柚紀先輩だって長期戦が可能となります。ですが、サイドエフェクトを用いて制御は本末転倒……それをトリオン体の方で何とか出来ませんか?」
❲出力抑えるのは可能だが、いきなり亜種が出たら火力不足になる。……となると【ナニかで自由に火力調節が可能】にした方が良いか?❳
「それと可能でしたら【傍目から見ても今の制御状態がどうなっているか分かって、なおかつ第三者もそれを操作可能】に出来ませんか?……柚紀さんは平気と思っていても他人から見たら"戦わせるべきでない"って場面もきっと出てきます。こうなると強制的に前線から退く要因がないと、彼女は素直に従わないかと」
「時枝の意見には俺も賛成だ。となると、……着脱式の何かか?…………いや、激戦状態だとそれを無くした時にこの姫様は探しに行きそうだからそれも駄目だな。……どうすべきだ?」
どうしたいか、どうすべきかは纏まりつつあるが、"それを実行する為の設備をどうするか"が議題となる。……全員が唸り声を上げる中、フブキが"ある事"を口にする。それを聞いて全員が"確かに良いかも"と納得すれば諏訪が柚紀のトリガーホルダーを持って退室し、入れ替わりに綾辻がやってくると今回の任務の反省会が此処で開かれ、大人二人は言実に連絡を入れたり柚紀の回復に勤しんだりと、各自の役目を全うするのであった