1.入隊前日の曲(156.
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年末年始に色々あったりもしたが、いよいよ明日にボーダー入隊式を控えた柚紀は、いつも通り基地内を歩いていた。本来なら新人隊員は仮入部期間はメイントリガーを使っての基本的な訓練等をするのだが……この少女は不要である。サイドエフェクトによる無茶はしたが実際にトリガーもどきを用いてトリオン兵との戦闘経験済みであり、その実力は……下手なB級より上なのだから。さて、そんな柚紀の行き先はと言うと…………
- コンコン、コンコン -
『あの、柚紀で…(ウィーン)「柚紀ちゃんいらっしゃーい!!待ってたよー!!?」………(ニコッ)こんにちは佐鳥くん。でも君が作戦室に居るとはちょっと意外かも、だってスナイパーは他のポジションと色々違うよね?』
「まぁね。だからこそ前日に打ち合わせ的なのは必要ないからこうやって自由に出来…(グイッ!!)「柚紀先輩がいらっしゃって嬉しいのは分かりますが、早く中に招き入れて下さい!……嵐山先輩達だって待っているんですから!!」ち、ちょっと木虎っ!?どこ引っ張ってるのさ!?そこ耳、耳!!!痛いからっ!?」
「その手は喰らいませんよ?先輩やお姉様に言われて痛覚はアリでも生身よりかなり低くしていると窺ってます。大袈裟なリアクションして柚紀先輩の気を引こうなんて、子どもがする事ですよ?」
嵐山隊作戦室を訪れた柚紀を佐鳥が笑顔で出迎えるが、そのまま話し込みそうだったので木虎が些か乱暴なやり方で二人の距離を離す。それを抗議する佐鳥を横目に嵐山が改めて柚紀を招き入れれば時枝も綾辻もおり、テーブルには資料やら色々置かれている。……明日の入隊式以外の資料もあるかもと極力見ない様にしつつ柚紀は持って来た"手土産"を運ぶ
- カラカラカラカラカラ…… -
「!!……ワゴン持参とか珍しいね。一体"どれだけ作ったの"?」
『えっと、私お手製はそんなにないよ?おば様達との共同だから。ただ、……出来立てを持っていくともしかしたら火傷するかもって事で、これを使いなさいと言われて…』
「(クスッ)暇潰しに食堂でナニかを作るのが柚紀ちゃんの趣味になりつつあるわね。で、今回はナニを持ってきてくれたの?温かいものなのと、その"容れ物"で何となく分かるけど」
「ま、中身はさておき少し休憩にしようか!!木虎が進行側初めてだから念入りに打ち合わせをしていたが、根を詰めすぎるのもあまり良くはないからな」
こんな感じで打ち合わせが一時中断となり、お茶の用意が始まる。木虎が給湯スペースへ行きお茶の用意をしている間に他のメンバーが資料等を片付けをしている中、佐鳥が中身が気になり蓋を開けようとするが………そこは柚紀と時枝がきっちりガードする。そしてお茶の準備が完了し、"五段中、上三段"を柚紀がテーブルに運ぼうとしたが……嵐山に横取りされてしまい少し不機嫌になるが、改めて蓋を開けると
- パカッ………モヤン…………ホカホカ… -
『えっと、コンビニの"肉まん"を初めて食べたら凄く美味しかったっておばちゃん達に話したら……何か対抗心を燃やさせてしまったみたいで、色んな中身のを大量生産される状況に。えっと、……一番上がスタンダードな肉まんで、二段目はピザまんとかカレーまんのコンビニで売っている甘くない系。で、三段目が私が食べてみたいな〜って思った変わり種の具材入りのです。……お好きなのどうぞ』
「お〜!!?セイロに入ってとか本格的だね〜!ん〜………やっぱりスタンダードな肉まんからかな?いったっだっきまーす!!?(カプッ……モグモグ…ゴックン!)…うん!!美味しいー!!?」
「ガッツキ過ぎだよ佐鳥。(それにしても……【一つのセイロに五つ】じゃ、誰が食べれないよな)」
『あっ、えっと……わ、私は肉まんを味見として既に食べているから皆でどうぞ!!ただ、ピザまんにはチーズが入っているからコッチは食べたいのと…………残り二段は甘い中華まん系で、そっちは多めに食べたいから下さい、です』
佐鳥を筆頭にやはり皆最初は肉まんに手を伸ばすが、時枝は数的な理由で手に取るのを躊躇する。それに気づいた柚紀が"自分は平気"と話した上で二段目に入っている白い中華まんを手に取る(カレーまんは黄色い生地で見分けが付くようにしていた)。言い分を聞いて時枝も肉まんを食べ初めた後に、綾辻が「私も甘いの食べたいからコッチはセーブしようかな〜。で、柚紀ちゃんさえ良ければはんぶんこしない?私もピザまん食べたいけど一つ入るかかなり微妙だから」と割った肉まんを差し出される。それを見て『……構いませんよ』と同じく半分にしたピザまんを綾辻に渡す。それを見て(その手があったか!!)と思う中学生三人だったが、ゆっくり食べる柚紀に更に新たな中華まんを上げるのは些か不自然とも思い、今回は見送る事に。そんなこんなで一番先に一つ完食した嵐山が柚紀の"アイディアまん"に手を伸ばすが……気になるものを見つける
「ん??なぁ柚紀ちゃん。この"赤い斑点"は食紅だよな?……なんで一つだけ付いているんだ?」
『あ、えっと………それ、藍ちゃん用に作ったものだから間違えて誰が食べない様に目印を。その、…ぐ、具材はおば様達お手製だから味の保証はするから心配しないで!!?』
「???…フブキ先輩から【アイツは自分で味見をした料理しか基本他人に振る舞わない】と窺ってますから、疑ったり私はしてませんよ?とりあえず、…折角作って頂いたので二個目はコレにします(……パクリ)…!…………麻婆豆腐?それも、ソコソコ辛口の…」
確かに変わり種の中身に興味を示した嵐山も一つ食べてみると、当たったのはエビマヨ入りであった。完食した佐鳥と時枝もソチラに手を伸ばして食べると青椒肉絲と回鍋肉が当たり『じゃあ残りは酢豚だったかな?』と手つかずの最後の中身を先に言い当てると、誰が食べるかひと悶着が発生。理由は【唐辛子系の辛いのが苦手な柚紀なので、麻婆豆腐は兎も角、他の中身は彼女お手製の可能性が高いから】であった。因みに最後の一つは用事があって訪れたフブキが"晩飯代わりに食うからくれ"の発言で一件落着している