❲で、何で組み合わせが俺と柚紀ちゃん何ですか？普通なら俺といずみん先輩が妥当じゃないの〜？実力とかトリオン量的にさ〜〜❳
❲と、思うジャン？けど、俺と柚紀ちゃんの組み合わせって実はまだ一回も無かったりするんだよな〜。ちゃんとした手合わせもした事が無いから多分"連携に支障が出る"。それなら経験のある緑川の方がまだ勝機があるってもんだ！？❳
❲ま、次があれば槍バカと組ませれるから今回はコレで我慢しろ。それともアレか？……勝つ自信ないのか？❳
❲(ムッ)それは無い！！絶対に先輩達に勝つんだから！！？ねっ？柚紀ちゃんだって負ける気ないでしょ？！❳

柚紀はこの面子なら誰と組んでも、誰が相手でも問題ないので傍観に徹していたが意見を求められて『少なくとも簡単には負けも勝ちも出来ないかな？勿論手加減はしないか、そこは安心して』と意気込みを話した上でどのステージにするかを話し合う。その際に、風間とは市街地Ａで戦った事を理由に"少し特徴のあるステージが良い"と柚紀が意見すれば"なら……"と、出水がステージを決めてランク戦開始となる。そのステージは………

-　ステージ・市街地Ｃ、ランク戦開始　-

「(スタン)うわぁ〜、こりゃまた高低差のあるマップだね〜。コレ、アタッカー不利じゃない？」
『まぁそうなるね。更に言えば高い所を取った方が色々有利な地形でもあるから【相手より上を取る】ってのがセオリーになるかな？でも、離れ過ぎればシューターだって攻撃が通しづらいから一番輝く…有利になるのはスナイパーかな？兎に角あまり今は気にする必要ないよ？それに……私達には"コレ"があるし(ブォン)』
「……なる程、勉強になるな〜(-　ヒュウゥー　-)って早速いずみん先輩の攻撃が来てる〜！！(ブォン、…ダン！)」

比較的近場……低い位置に転送された二人がそんな感じで話していると上から出水の攻撃が飛来。それをグラスホッパーを展開して各自回避しつつ、発射元に向かって進行する。勿論それを米屋が邪魔するのだが、止められるのは一人のみでもう一人はそのまま出水目指して距離を詰める。今回は柚紀が足止めを食らう事になり片手にスコーピオン、周囲に弾を浮遊させて身構える

「(那須やつる姐みたいに弾を周囲に浮遊させているって事は弾種はバイパーか？)……俺とやり合いながら弾道を引く暇、あるのかな？」
『……別に複雑なモノでなければある程度なら出来る様になってますよ？…試してみますか？』
「うんじゃまぁ…(クルクル、スチャッ)柚紀ちゃんのお手並み、拝見と行こうか！！(ダン！)」

接近し攻撃を繰り出す米屋の刃を、先ずはスコーピオンで受け太刀する柚紀だがオプショントリガー・幻踊の効果によって刃が変形し片手首を切断されてしまう。それにより後退する柚紀は風間から言われた"自分の得意な間合いで戦え"のアドバイスを思い出し、射撃に移行する。今の柚紀は出水と同じトリオン量なので威力や速度もあまり変わらない影響か、米屋は余裕で回避や捌いてみせる。それを見て特に焦る事もなく、距離感を気にしつつ攻防戦を繰り広げていると「いずみん先輩、後輩に対して手加減してくれたって良くない？」「そんな事をすれば隙を付かれてお前に斬られるからゴメンだ」と、向こうの会話が聞こえアチラも苦戦していると察すれば米屋を見据えたまま

『(スウゥ、…スッ)……"緑川くん、その場から離脱して！！"……追尾弾（ハウンド）！！？(ババババババババババ……)』
「は、ハウンドだとっ？！誰もその弾を撃たずに浮遊させている奴、居ないぜ？！」
『あら？お忘れですか？サイドエフェクトありきですが、あの時生身になってしまった佐鳥くんを守る為に周囲を浮遊させていたのはハウンドだったと。それに撃たずにそのまま浮遊させるのは全ての弾で可能ですよ？バイパーは弾道を設定する関係上、直ぐに撃てないから浮遊させている印象が強いってだけの事。……さて、米屋先輩…(-　ドスッ！　-)背中がお留守、ですよ？』
「げっ！？…緑川っ、いつの間に……」
-　戦闘体活動限界　ベイルアウト　-

二人が居る方角に手を掲げれば浮遊していた弾がそのまま発射。トリガーの種類を読み間違えた米屋が動揺している隙に降下してきた緑川によりトリオン器官を破壊されリタイア。そして二対一となり、更にはリミットも解除された柚紀を相手に、流石の出水も冷や汗を掻かずには居られなくなったが、一先ず応戦の体制は取りルーキー二人を迎え撃つのだった


初回は柚紀達が勝利し、次はそれぞれ一勝ずつ取った第四回戦目。今度はシンプルにアタッカー・シューター同士の戦いとなり、やはり新人二人が苦戦を強いられていた

「(キイィーン)さて今度はどうやって俺を倒すつもりだ？同じ手は、通じないぜ？(ババババババババババ…)」
『(ババババババババババ…)そんなの分かってますよ〜！！(とは言っても出水先輩にはトリガー慣れる為の練習に付き合って貰ってるからな〜。……となると…)撃ち合いじゃジリ貧だったけど(-　ガチャリ　-)……リミット解除とサイドエフェクトありきなら、話は変わりますね(キイィーン……フワフワ…)』
「！？(確かに弾の大きさは変わったけど…)"弾数を絞る"とか柚紀ちゃんにしては珍しいね。……何が狙いな訳？」
『(クスッ)直ぐに種を明かしたら面白くないじゃないですか。ま、それも直ぐに分かりますよ。………変化弾（バイパー）(ババババ……)』

分解した弾の数が通常よりかなり少なく、一つ一つの弾の大きさが心無しか大きいのに疑念を出水が抱くがコチラに向かって放たれた弾を相殺目的で放つ。が

-　スッ…クイッ、…キュイィーン　-
「俺の弾を避けたっ？！いや、バイパーならそんな風に軌道は変えれるけど……(弾数が少ない分速度重視の調律にしたのかって思ったけど、そこまで早くはないし、距離だってあまり変わってないから調節する意味がない。更に言えば………複雑な弾道を引いてる訳じゃない。だって)(…スッ)普通に避けれる位、単調な弾道だよ？もしかしてもう疲れた感じ？」

発言からして柚紀が何か仕込みをしたのは明白なのだが、それが分からずに居る出水だが放たれた弾を簡単に回避し"手ぶらになった柚紀目掛けて"新たな弾を放とうとした、その時

-　ボヨーン、ボヨーン……ドドッ！！……タンタンタンタン…　-