4.巡り合わせの曲(159.
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約束通りの土曜日の午前、入隊後初めて基地に訪れた柚紀は早速ランク戦ロビーへ。そこには既に緑川か出水や米屋と談笑していたが、柚紀に気づけば嬉しそうに駆け寄って来たのだった。先輩への挨拶もソコソコに早速ランク戦を始める二人は勝負内容を決めていた
❲ん〜、一本勝負じゃつまんないし、かと言って長過ぎるのも柚紀ちゃんが辛くなりそうだし……どの位やる?❳
『ん〜と、……三本も短いし五本で良いかな?先取だと終わる時はサクサク終わるけど、実力が拮抗しちゃうと結局四・四とかになって、後が辛くなりそう。って、…………出水先輩達にナニか言われた??』
❲まぁ、一応ね。……人柄を見込まれて嵐山さんを中心に柚紀ちゃんの事を色々教えてくれたんだ。あ、別に強制されてとかじゃないよ?俺は特にこだわりとかないから柚紀ちゃんのご希望通りでいいよ〜❳
『ふふっ、気遣ってくれて有難うね。そんなイイコの緑川くんには何かお礼しなきゃ!!って言っても出来る事は限られているけどさ…』
❲…………じゃあ、勝敗関係なく一つお願いを聞いてよ。コレ、いずみん先輩達でも良いんだけどさ……柚紀ちゃんの方が何か頼みやすい気がする。ま!内容は後で話すから、今はランク戦だね!!………手加減しないよ〜!!❳
そんなやり取りをした末に五本勝負のランク戦が開始される。序盤は互いに一本ずつ取って手の内を探り合うが、三本目で柚紀の"アステロイド"を見抜いた緑川が隙を付いて更に一本取る。このまま緑川の勝ち越しになると殆どのギャラリーが思っているが……
「ありゃ、コレって緑川の奴"知らないパターン"か?柚紀ちゃんのメイントリガーが何かを」
「そりゃあ、あの子はちゃんと実践訓練参加してないからな〜。ま、してても分からないだろうけどさ。……大概の相手なら"真っ直ぐ撃つだけで十分対処できるし"」
「って言ってもC級相手なら当たり前じゃね?柚紀には数ヶ月単位で培ってきた知識があるんだ。基本に忠実にで尚且、間合いさえ気にしてればほぼ無双状態だろ?同じ弾トリガー使う相手でも"遠距離重視の
「それでは威力や弾数が減るが、あの桁外れのトリオンなら問題ないだろう。それに……他の隊員にバレても"鶴ヶ峰を攻略した"とは言い難い、アレもスコーピオン同様"変幻自在"で相性が良いトリガーで軌道も自由自在だ」←今日辺り来る気がして様子を見に来ていたアタッカーNo.2の方
と、四人が語る様に柚紀のメイントリガーはバイパーであり残り二戦はそれを駆使して見事に勝ちを納めたのであった。そしてブースから出て来た柚紀を同期含めたC級の子に取り囲まれ「あのトリガー何なんだ?」や「次、俺とやらない?」更には「良ければ勝つ為のコツ、教えてくれない?」と四方から声を掛けられ対処に困ってしまう。そして野次馬で埋もれているのにも関わらず『うぅ〜〜〜』と泣く前触れの声が四人に届き"マズい"と行動を開始する…その前に
- ズカズカズカズカ……ヒョイッ -
「……………大丈夫か?鶴ヶ峰、……小南頼んだ(…ストン)」
「OK、レイジさん!!(ズイッ!)もうっ!!アンタ達、女の子をよって掛かって取り囲むとか何してるのよっ!!?もう少し配慮しなさいよね!!?」
『……木崎さんに、小南先輩??……(ジワッ)ふぇっ、……ふぇえ〜〜〜ん!怖かったよぉ〜〜〜〜!!!(ダキッ!!)』
「(ナデナデ)……悪い事は言わないからロビーから退避するのを勧める。あと数分したら物凄い形相をした人達がこぞって集まってくる。…どうなるかは去年から居る奴なら、……分かるよな?」
木崎が草木を掻き分けるの様に野次馬の中に躊躇なく入れば、埋もれていた柚紀を見つけ出し持ち上げて救助。直ぐ後ろを追随していた小南の側に下ろせば、強くて優しいお姉さんポジションである小南の存在に涙腺を緩ませ柚紀は泣き付き、それをあやしつつ烏丸が警告を放つ。それを聞いた一部のC級が新人に退避を促し、一部は従うが一部は何故と疑問に思い動かない奴は放っておき退避したのと入れ代わりに諏訪や東、更には冬島・当真の両名に加えて、忍田までロビーに現れれば玉狛メンバーは状況説明を太刀川達に丸投げ。その隙に柚紀を連れてロビーを後にするのだが…………何故か烏丸は緑川を手招きする。それに目敏く気づいたらしく、そろ〜りとロビーを脱出すれば少し先で待っていた四人に合流
「えっと……柚紀ちゃん、この人達は一体…………何者?雰囲気とかで強い人っぽいな〜とは思うけど」
『……………玉狛支部の人達、だよ。多分緑川くんも何かと係わる人々になると思うから覚えておいて損はないと思うよ?』
「???支部って学業優先な人が集う場で、あまり本部である此処には来ないってよねやん先輩から聞いたけど、……知っておく必要あるの??」
緑川の認識は間違えではないが、全員がそうでもない。最近発足した鈴鳴の村上は個人ランク戦や荒船に師事を仰ぐ為にそこそこ来ているのと、玉狛支部に関しては…………
「おっ!?きたきた。お疲れさんレイジさん、小南、京介(ヒラヒラ~)」
「(ズカズカズカ…)ちょっと迅っ!!?何でアタシ達が子どものお使いみたいな事をしなきゃ駄目なのよっ!!!?」
「っ!?仕方ないだろう、俺が行けば太刀川さんに捕まるのがほぼ確定だったんだから!それじゃあ、柚紀ちゃんのお願いが叶えられないからっ!?」
「?………何を迅に頼んだんだ?」
『アハハ、えっとですね…………(チラッ)』
あの喫煙室が併設されている休憩スペースでのんびり待っていた迅に悪態をつく小南に、状況がイマイチ把握出来ていない木崎と"相変わらず仲がいいな〜"と思いつつ"驚きのあまりに声が出なくなるって本当なんだな〜"とサプライズ成功に満足する柚紀。そして……金魚みたいに口をパクパクさせている緑川を心配する烏丸がそこには居たのだった