21.金緑石の曲〜アレキサンドライト〜(176.
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〜弓場隊・トレーニングルーム〜
「(ガバッ!)ランク戦最中の貴重な時間を、自分の為に割いて頂き感謝します!諏訪さん!!!」
「あ〜、気にスンナすんな。今回はステージ選択権、別の所だから作戦のへったくれもねぇし暇だったからな。それに……"アタッカー対策を試行錯誤している"って聞いたら、同じガンナーのよしみで手伝いたくなるってもんだ。………俺は少なくともタメ相手には無理って思っているから、そんな事考えたりしねぇ」
「諏訪さんと同じ歳って事は………風間さんと木崎さんですね。確かにあの二人相手なら、俺でも無理せず自分の得意な間合いで戦うのを意識します」
「それでもA級隊長だけあってフツーに諏訪さんなら負けそうですがね〜。…………悔しくはないんですか?」
ランク戦最中なので他の部隊と交流を絶つ、と言う訳もなく弓場に協力している諏訪。その理由を聞いて神田・王子が反応するが、後者の発言に蔵内が「王子、少しは発言内容気をつけなよ。それとも……"八つ当たり"してるの?」と意味深な発言をする。それらを聞いても顔色を変えず、とりあえず質問に答える事に
「…………別に全く悔しくない訳じゃねぇが、彼奴等は才能もあるがちゃんと努力や修練した上で結果を出している。だから必然であり、こうなっても俺は問題ねぇよ。そりゃあオメェー等みたいによく見比べられるし、影で色々言われているだろうが……良いんだよ。彼奴等も今の俺との関係に文句を言ったり疎遠になってねぇし、………言われたんだ『お前はお前の出来る範囲で周囲を助けてやれ。文句を言う輩には"自分と同じ事をお前は出来るか?"とでも言ってやれ。ま、その前に周辺の奴がお前を助けてくれるだろうがな』って」
「……(クイッ)姐さんらしい発言、ですね。それと…実は貴方には鶴ヶ峰に関する助力を請おうとしてました。偶然と言いますか王子の運のなさと言うべきか………唯一彼女との間にある溝が埋まらなくて。本来なら俺が干渉すべき事ではないのですが、明らかにランク戦で影響が出てきたので」
「あ〜……草壁隊に居る緑川に何か言われた感じか?アイツと同期で年下だけあって付き合いが短い割には仲良いからか〜。因みにだが、具体的にどの位仲良くなりたいんだあのお姫様と。流石に"恋仲"じゃねぇだろ?」
「ん〜〜……同級生で例えるとカゲまでとは行かないですが、普通に談笑したりランク戦出来るだけの仲にはなりたい、ですね」
弓場の言う通り本来は当人同士でどうにかする事だが、諏訪にも柚紀と王子との溝が中々埋まらないのを噂で聞いているのと、彼以外とは出会った時期が王子と遅くても比較的良好な関係を築いているのがかなり堪えているらしい。ので、先ずは"明白な目標はあるか?"を訊ねる事に。……笹森みたいにならない為にも、と。その回答を聞いて神田が意見を述べる
「あれ?彼女と仲が良い奴なら当真の名前が出てきそうだけど、どうして例えがカゲ?」
「当真は無理!!あそこまで親密になれる気がしないし、何よりな多分ヒメちゃんも嫌がる。って言うより……ボディタッチによるスキンシップをすればトラウマ再発する可能性があるから止めておけって、まさかの迅さんに言われたからね〜。僕でも流石に諦めるよ。カゲを例に出したのは"実力の立ち位置的な意味を込めて"かな?………少なくとも彼女より僕が今は強い筈。彼女の手は大体把握しているから、後は要所を気にしつつ自分のペースに持ち込めば……ね。あ!でも切り札使われたら無理だろうけど、そう簡単には使わないかな?言葉通りのモノだからね」
「(……これなら大丈夫か?だが…)そこまで考えているなら後は焦らず間合いや多数を巻き込んで交流を地道に重ねていくしかねぇな。俺の場合、仕組まれた感はあるがそれを抜かしても所謂"吊り橋理論"があったからこそ鶴ヶ峰との仲が構築されたとも言える。が、今となればその手を使うのは無理だ。……隊長である野々村も難敵だが去年の段階で完璧な連携・防衛システムが確立しちまっている。因みに不仲を囁かれた二宮はどうしたかって言うと……彼奴も亜種やらつる姐との関係も相成りかなりややこしくなったが、結局は"危ない所を助けてくれた恩人効果"が働いて今に至る。これも参考には出来ねぇから、他に使えそうな手は……………"秘密の共有"か?」
「秘密の……それこそ無理ですよ。クラウチやカンタダとも弓場さんだって彼女とそこまで仲良くないですよ?なのに秘密を打ち明けるなんて事、あるんですか?」
《話し合いの所悪いが諏訪、手を貸せ。………柚紀が癇癪を起こした、鎮めるのに協力しろ。可能なら弓場達も済まぬが手を借りたい》
「「「「!!?」」」」
「癇癪って、赤ん坊じゃあるまいしその例えはどうなんだよ?いや、それより……アイツに何が遭ったんだ??少なくともかなり面倒な事になっているんだろ?本来ならオペレーターを通して通信する筈が、こうやって連絡してくるって事は」
明確な目標を聞いた上でアドバイスをしている所に突然言実からの通信が入る。弓場隊の四人が驚く中、彼女の破天荒な言動に慣れている諏訪が事情を訊ねる。これに対して《一先ずあの子と"今日の護衛役"をそちらに転送する。話はソイツに聞け。だが先に一つだけ言っておく。"今のあの子は鶴ヶ峰柚紀であるのは間違えないがお前達が知る鶴ヶ峰柚紀ではない"。…色んな意味でな》と、意味深な事を告げる。それを追求する暇もなく
- キイィーン……スタッ、スタッ!! -
「チッ!?間一髪だったぜ!!?ン?……何で寄りにもよって弓場さん所にアンタが居るんだっ!?……今のアイツを王子に見られたくなかったっていうのに…」
「ちょっとカゲッ?!!それどう言うい、…………えっと、……………彼女が、ヒメちゃんだよ、ね?…………何で髪色が赤いの??」
「………………………マジかよ。確かに今のアイツは"癇癪を起こしている"って例えは、強ち間違えじゃねぇかもな。((影浦、知ってる情報寄越せ。それと弓場隊四人、……今のアイツは"何時もの優しい慈愛に満ちたお姫様"じゃねぇ。下手な言動は命取りになるから気をつけろ))」
比較的諏訪達の近くに転送された影浦は、此処が何処かを察すると悪態を放つ。その対象である王子が反論しようとしたが、離れた場所に同じく転送されてきた柚紀を見て戸惑いを隠せずに居た。その赤き髪の少女を見た事がある諏訪は【対象者は定かではないが、第三者が柚紀の逆鱗に触れた】と察して警戒態勢を取る。が、武器は構えずに居た。何故なら
『あら?てっきり諏訪隊のトレーニングルームに転送されるかと思いましたが、此処はどうやら弓場隊の…みたいですね。同じB級で、それも今後戦う可能性があるのにご指導されるとか(クスッ)本当にお人好しな方ですね諏訪さんは。で、……(スウゥ)貴方達が