20.試金石の曲〜貴方の実力は?〜(175.
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「ったく!!なんで解説役がコッチに来るんだよ!!?普通ねぇだろうがっ!!!?……今度のランク戦、ゼッテェ彼奴を捻じ伏せてやる(ズカズカズカズカ)」
「あはは。生身でなくトリオン体、…ランク戦でって所はカゲらしいね〜。アレはどう考えても佐鳥くんが悪いんだから、生身で一発貰っても彼は反論出来ないのにさ〜。((………君も彼が姪っ子ちゃんの"王子様候補"って知ってるの???))」
「((………………ケッ!……知りたくもねぇし、興味もねぇよそんなの。たが、……(チラッ)"勝手に流れ込んでくる"から仕方ねぇだろ?))だから……(ピタッ)…テメェは何も悪くねぇしそうやって勝手に落ち込んだりスンナ。嫌なら俺から関わらければ良い事だ、………あの人だって当人が嫌なら強要はしない。無理強いするのもさせるのも嫌いな人だからな」
『……うん、有り難うカゲ先輩。後……(チラッ、チラッ)実は犬飼先輩と仲が良かったりするんですか?ゾエ先輩の代わりに一緒にランク戦観賞するの、正直承諾するとは思わなかったので』
言実のラボ……元より私室への帰り道にそんなそんな話をしている三人。そして柚紀の発言に「チゲェから!!」「あは〜、そう見える?」と正反対な反応を見せる二人が随伴者…露払い役になった経緯だが、先ずはその"体質から"柚紀の体調が気になった影浦が北添と一緒に様子を見に来たのから始まり、今回のランク戦を実況・解説付きで見たいと柚紀が発言(理由の半分は佐鳥に誘われたからである)。影浦は特に用事もないのと対戦カードを見て承諾したまでは良かったが、運悪く北添は同時間に行われる別ランク戦の解説を頼まれて随伴出来ず、"せめてもう一人欲しい"と言実にも言われて絵馬に連絡しようとした所に、【ドイツ語講座の追加問題集】を届けに来た犬飼とエンカウント。丁度良いと言った感じにランク戦観戦に付き合ってくれないかと頼んだ次第だ。北添以外の三人は難色を示したが『犬飼なら以前にも同じ事を頼んだ事もあるし、万が一になっても柚紀の能力の影響も殆ど受けぬ故に随伴者としては最も適任だ。実力も申し分ないしな』と保護者が太鼓判を押したのと、柚紀自らお願いした事によりほぼ言い分が却下されてしまい、犬飼も承諾したのでこの面子で観戦していたのだ
「でも、俺が居るのを許したのってやっぱりカゲは自覚してるんだね"自分と姪っ子ちゃんとの相性の悪さ"を。あ、性格とか交友度とかじゃなくて"能力の相性"ね。確か精神的にギリギリな姪っ子ちゃんのせいでお店潰れかけたんでしょ?そういう理由もあって頻繁に交流をするつもりはないが、同じ事にならないかを気にしてる感じ〜?」
「ったく!いちいち癇に障る言い方すんじゃねぇ犬!!?……当真の奴が任務で動かせねぇから仕方なくテメェで我慢してやったんだ!!だがな、……あまり"自分は鶴ヶ峰の能力は効かない事"を過信すると何時か痛い目に遭うぜ?店のアレも当真にだって影響は出ていた。本気を出せば……コイツは誰にだって干渉出来るんだよ。ま(…ナデナデ)普段は甘ちゃんで泣き虫だから、そんな心配ねぇだろうけどな」
「甘ちゃんなのは知ってるけど泣き虫なんだ〜。……一度見てみたいかも」
『(ピクッ!タタタ……スススス)』
嫌な予感を察した柚紀が犬飼の側から影浦の後ろに避難。それを見て「もう〜、逃げないでよ〜。変な事したり意地悪しないからさ〜」「テメェも前科持ちだろ?自業自得だ」のやり取りを足を止めてしていると、試合を終えた奥寺・小荒井がやって来る
「あ!?居た居た!!お〜い鶴ヶ峰〜!!?体調が良ければ個人戦しないか〜?!」
『ふへっ?!!あ、えっと……た、多分大丈夫だけど、………何か相手側からランク戦のお誘いされたの緑川くん以来だな〜。…でも何でこのタイミング?(コテン)』
「先に言っておくと俺達はずっと鶴ヶ峰へのリベンジマッチを願ってたけど、隊員としての生活慣れを待っていたのと少し前に体調崩して寝込んでただろ?タイミングを見計らっていたら東さんが【君は勉強熱心だからB級ランク戦は可能な限りリアルタイムで見ようとするだろうから"他の日よりは体調万全にしている"】ってアドバイスくれたんだ。後今日にしたのは……ランク戦勝利した勢いそのままに戦えば少しは勝機あるかな〜って、根拠のない理由から、です」
「ま、その気持ちは分からなくもないかな?実力が拮抗しているのなら最後には"勝利への執念や気持ちの強さ"が勝敗の別れ道になるって、何かの本で読んだ記憶があるからね〜(でも、現段階じゃどう考えても姪っ子ちゃんの方が実力は上だろうけど、ね)……東さんも居る事だし、俺はお役御免かな?(ナデナデ、パッ)近いうちにまた勉強会と交流会しようね〜。無理そうなら顔出し程度でも良いから、考えておいてよ。二宮さん含めて皆君の事を心配してたからさ(ヒラヒラ~…テクテクテク)」
"複数の相手"が居てその内一人が東なら、影浦に毛嫌いされている自分は不必要と判断した犬飼はそそくさと退散。特に反論せずに見送る柚紀に"犬飼含めた二宮達と何時から仲良くなったのか?"と二人から訊ねられる。最初は戸惑うが「ゆっくり焦らず順番に過程を話せば良い、……二人も鶴ヶ峰をあまり困らせるなよ?」と先に助け舟を出し、移動をついでに促しながら三人に追随しつつ影浦に「……大丈夫そうか?」と訊ねる
「…………ソレ、俺に対してっすか?それとも……アイツの事か?」
「"両方"だが?彼女が不安定なら色々受信しやすくなっているだろうし、それにお前が当てられてないか気になってな。……俺も中々彼女の心情やら体調状態を察するのが難しいんだが、お前になら菊地原同様に"隠しても無駄"とかなり割り切って自然体でいるらしいと、言実さんが話していた」
「………………佐鳥の野郎が乱入してきて一時的に取り乱しはしたが、今は問題なさそうっス。今もあの二人が矢継ぎ早に訊ねず"待ち"の状態を心掛けているのもあるし、今までのあった事を時系列に話しているだけ。……これで二宮との仲が悪ければ状況が変わっただろうが、…………こうなるのを見越してアンタは手を貸したのか?」
「ん???……二宮はA級であり言実さんとも師弟関係な間柄、やはり鶴ヶ峰との関係性は良好であるに越した事はないし"鶴ヶ峰が体調崩した際に使う特殊トリガーがあるんだが、性能上トリオン能力が高い協力者が必要でその役目を出水にだけにするのはリスクがある"。それに、(クスッ)あれだけ盛大にランク戦で対戦すれば誰だって二人の間柄やら関係性を気にするだろ?時に、このままランク戦ロビーに行くが、お前も来るのか?」
「………………………観戦が終わったら部屋までお前が責任持って送れ。それがあの人からの"命令"なんでね、破る訳にはいきませんよ」
好戦的な影浦だが、そのサイドエフェクトからかあまりランク戦を進んでしないしロビーに滞在もしない。なのに友人に誘われれば基本断らないし今回も柚紀の意思は尊重し、保護者枠の東に役目を任せることも可能だがそれもしない。……諏訪並みに見た目がアレで態度からして誤解されやすいが、彼の人の良さは知る人ぞ知るものであり、柚紀が懐くのも頷けるのだ