19.狡猾の曲(174.
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それから明け方に二人はこっそり各自の家に戻り普通に朝の生活を開始する。が、【昨日のバレンタインのせいで学校内が騒然としてしまったので、登校日までは学校に行かない】と説明して午前中は自宅にて過ごし、昼過ぎは【嵐山から呼び出しの連絡が来たから基地に行く】と言って外出。………基地では数人ボーダー隊員が検査を受けており、それに二人も参加。その中には見知った顔触れがチラホラ
「………ちょっとだけ気にはなったけど、流石に"アーモンド入りの炒飯"を食べる勇気はなかったな〜。さり気なく止めてくれた東さんには感謝しなきゃ。それにしても……かなり悪質な手だね。食べ物を使うなんてさ、……鶴ヶ峰が知ったら悲しみそうだし引っ掛からないか、少し心配かも」
「あ〜、……それは大丈夫です。柚紀ちゃん、お母さんの影響であまりナッツ類食べないみたいなので」
「………そう言えば、小麦粉使うモンもあまり食った事ねぇんだっけか?鶴ヶ峰の奴。だから外食はパンとか麺類を好む感じか?初めて会った時の昼食もうどん食ってたし………後"要注意食材"は【洋酒と炭酸や刺激物】か?海産物は問題ねぇし、卵や乳製品・肉類も平気だな。ナッツもアレルギー体質の奴は一定数居るから、別にあんま食った事ねぇのだって不思議じゃねぇし、薬も健康なら飲む必要はないもんだ。……後はアイツと周囲の奴が気をつければ問題ないな」
「彼女の場合は"食わず嫌い"とかの次元でなく、"摂取したらサイアク命に関わる事"ですから本人も食べようとはしないですし、コレばかりは本気で拒否する筈です。……それでも無理強いする人が居るなら、周囲が不審がると思います。……とりあえず食に関する注意点はこの位ですね」
未遂の堤と"お酒のつまみにナッツ系"はわりとメジャーなので成人の諏訪も参加していた。実はボーダー本部・支部に【支援者からの陣中見舞い】として例のアーモンド含めた食材が届けられており、夜食に……と言った感じにエンジニアを中心に被害が出ていたのだ。それを調査している最中にバレンタインとなり、原因がアーモンドと判明し東や諏訪を起点に"通常のお店で実際に買った物以外のナッツ類は口にするな"と警告が促されていた。(支部の人達は"何でウチにまで届く?"と不審に思って手を出さなかったり、来馬が警戒してたり迅の未来視で被害はゼロで収まっている)……複数の手段を用いるあたり、やはり敵は相当厄介と感じる中、佐鳥達の番が来る。因みに担当は言実の計らいで寺島が務める事に。(堤達は結果待ち)それから検査の為の採血をし、余った時間を寺島の指示で彼のラボにて待たせてもらい、暫くすればボーダーの独自技術で短時間で検査は終了して結果が出たらしく寺島が四人の元へやってくるが、かなり複雑な表情をしていた
「ん?どうかしたのかよ、浮かない顔をしやがって。まさかだとは思うが、……また"喫煙のせいで身体に異常あり"とか抜かすんじゃねぇだろうな?」
「諏訪に関してはまぁ、前回よりは悪くなっているけど本人が承知の上で吸っているだろうから良いとして……(チラッ)二人の結果が"正常値"だったのが、少し気になってね。確か例のアーモンドを一定数摂取して症状出たんだよね?…………その後、ナニか対処した??」
「対処……ですか?えっと、……気を失う直後に嵐山さんが"窓からこんばんは"して、鍵を開けて招き入れて……次に気がついた時には……………柚紀ちゃんに、介抱されてましたが?」
「おれも佐鳥と同じですが、……何か気になる事でも?」
「今回の中毒症状は主に呼吸器官や酸素濃度が変化する事によって生じる症状が出るから、採血して血中の酸素濃度を調べたんだけど……意識混濁するだけの症状が出た割には数値に異常は見られないんだ。この場合専門的な処置が必要になる筈なんだけど…「ったく!あの姫様、また無茶したな!?(スッ、タン・タン・タン……)」……諏訪?誰に電話してるの?」
"正常値であるのが異常"と不可思議な状態に寺島が頭を抱えていると、諏訪が携帯を取り出して誰かに電話をし始める。それから相手と二・三言葉を交わして通話を終えれば重たく溜め息を漏らす。……明らかに苛ついている諏訪に代表して堤が話しかければ、二人が健康だった理由が明かされる
「案の定、と言うべきか……鶴ヶ峰がトリオン使って二人を治療しやがってた。"以前同じ中毒症状を経験して、何をすれば良いか分かっていたからそれを実行した"んだとよ。だが、……二人をまとめて面倒見たせいで今は寝ているって市河に言われたが…………アイツ病み上がりだろ?またぶり返さなきゃいいがな」
「つまりは鶴ヶ峰が"人工呼吸器元より人工透析装置代わりを務めた"って感じかな?流石に輸血は、してないでしょ?」
「えっと、……ただ手を繋いでいただけですが、………なんで輸血?」
「言ったでしょ?血中の酸素濃度が変化するって。だから"正常な人からの血を貰う"ってのも一つの処置法なんだけど、………前にも話したかもだけど鶴ヶ峰の血液はかなり特殊らしいから同じ血液型でも容易に輸血出来ないし、逆も無理。一部のエンジニアが興味本位で"体質やサイドエフェクトの解明の為に"って血液検査を提案したんだけど、これを言実さんが即座に拒否したんだ。誰もが分かる程憤激していたから、室長ですら理由が聞けずじまいだったんだけど、……今日佐鳥達を担当するに当たって状況によっては輸血も有り得るって話ついでに再度聞いたら教えてくれたよ【あの子の血液には色んな病に有効な抗体物質が含まれている。中には"難病"と指定されているモノもあり、実際にとある難病の特効薬が血液を媒介に作られた経緯がある。だから容易に他人に摂取させるのは危険であり、逆もあの子が危うくなる。何より彼女を"検体ラット扱い"されるのを望む保護者がどこに居る】って。……これじゃあ鶴ヶ峰が病院や白衣が嫌だと言うのも頷けるよ。人によっては"名誉な事"って思うだろうけど、あの子はそう思えないだけの苦い経験をしているんだから。あ、分かっているでは思うけど、コレ内密にしてよ?バレたら………色々面倒な事になるんだからさ」
「面倒以前に大惨事になるだろコレ!!?だが、風間や東さんには共有するべきだな。………堤、コレは太刀川には伏せておけ。あの馬鹿が"ワクチンや特効薬の作り方や使用に踏み切るまでの過程"なんて知る筈がねぇんだからこっちから小難しい事を言った場合、逆効果になりそうだ。………二人もだからな。別に嵐山達を太刀川みたいに馬鹿呼ばわりする訳じゃなくて"この事を知らなくても鶴ヶ峰が病院等が嫌い"だって事実を知っていれば事足りるからだ。去年の実力テストで俺達がやらかしたみてぇに、下手に知り過ぎると身動きが取れなくなる事がある。…………此処だけの話だが、どうもまだ"内通者"がいるみたいな感じが俺はあるんでな、当たっては欲しくねぇがまぁ、…言動には気をつけろ」
「「………(コクリ)」」
何故ラボに招かれたのか納得した上で"やはり彼女はかなり特殊な体質"と改めて認識するメンバーであった。(因みに朝はごたついてお約束の連絡を取るのを忘れていたが、夜はちゃんと二人ともメッセージを送る。たが返信したのはシロであり、【明日までには回復するから心配しないで】と言われ、ヤキモキしながら一晩過ごしたらしい)
「………ちょっとだけ気にはなったけど、流石に"アーモンド入りの炒飯"を食べる勇気はなかったな〜。さり気なく止めてくれた東さんには感謝しなきゃ。それにしても……かなり悪質な手だね。食べ物を使うなんてさ、……鶴ヶ峰が知ったら悲しみそうだし引っ掛からないか、少し心配かも」
「あ〜、……それは大丈夫です。柚紀ちゃん、お母さんの影響であまりナッツ類食べないみたいなので」
「………そう言えば、小麦粉使うモンもあまり食った事ねぇんだっけか?鶴ヶ峰の奴。だから外食はパンとか麺類を好む感じか?初めて会った時の昼食もうどん食ってたし………後"要注意食材"は【洋酒と炭酸や刺激物】か?海産物は問題ねぇし、卵や乳製品・肉類も平気だな。ナッツもアレルギー体質の奴は一定数居るから、別にあんま食った事ねぇのだって不思議じゃねぇし、薬も健康なら飲む必要はないもんだ。……後はアイツと周囲の奴が気をつければ問題ないな」
「彼女の場合は"食わず嫌い"とかの次元でなく、"摂取したらサイアク命に関わる事"ですから本人も食べようとはしないですし、コレばかりは本気で拒否する筈です。……それでも無理強いする人が居るなら、周囲が不審がると思います。……とりあえず食に関する注意点はこの位ですね」
未遂の堤と"お酒のつまみにナッツ系"はわりとメジャーなので成人の諏訪も参加していた。実はボーダー本部・支部に【支援者からの陣中見舞い】として例のアーモンド含めた食材が届けられており、夜食に……と言った感じにエンジニアを中心に被害が出ていたのだ。それを調査している最中にバレンタインとなり、原因がアーモンドと判明し東や諏訪を起点に"通常のお店で実際に買った物以外のナッツ類は口にするな"と警告が促されていた。(支部の人達は"何でウチにまで届く?"と不審に思って手を出さなかったり、来馬が警戒してたり迅の未来視で被害はゼロで収まっている)……複数の手段を用いるあたり、やはり敵は相当厄介と感じる中、佐鳥達の番が来る。因みに担当は言実の計らいで寺島が務める事に。(堤達は結果待ち)それから検査の為の採血をし、余った時間を寺島の指示で彼のラボにて待たせてもらい、暫くすればボーダーの独自技術で短時間で検査は終了して結果が出たらしく寺島が四人の元へやってくるが、かなり複雑な表情をしていた
「ん?どうかしたのかよ、浮かない顔をしやがって。まさかだとは思うが、……また"喫煙のせいで身体に異常あり"とか抜かすんじゃねぇだろうな?」
「諏訪に関してはまぁ、前回よりは悪くなっているけど本人が承知の上で吸っているだろうから良いとして……(チラッ)二人の結果が"正常値"だったのが、少し気になってね。確か例のアーモンドを一定数摂取して症状出たんだよね?…………その後、ナニか対処した??」
「対処……ですか?えっと、……気を失う直後に嵐山さんが"窓からこんばんは"して、鍵を開けて招き入れて……次に気がついた時には……………柚紀ちゃんに、介抱されてましたが?」
「おれも佐鳥と同じですが、……何か気になる事でも?」
「今回の中毒症状は主に呼吸器官や酸素濃度が変化する事によって生じる症状が出るから、採血して血中の酸素濃度を調べたんだけど……意識混濁するだけの症状が出た割には数値に異常は見られないんだ。この場合専門的な処置が必要になる筈なんだけど…「ったく!あの姫様、また無茶したな!?(スッ、タン・タン・タン……)」……諏訪?誰に電話してるの?」
"正常値であるのが異常"と不可思議な状態に寺島が頭を抱えていると、諏訪が携帯を取り出して誰かに電話をし始める。それから相手と二・三言葉を交わして通話を終えれば重たく溜め息を漏らす。……明らかに苛ついている諏訪に代表して堤が話しかければ、二人が健康だった理由が明かされる
「案の定、と言うべきか……鶴ヶ峰がトリオン使って二人を治療しやがってた。"以前同じ中毒症状を経験して、何をすれば良いか分かっていたからそれを実行した"んだとよ。だが、……二人をまとめて面倒見たせいで今は寝ているって市河に言われたが…………アイツ病み上がりだろ?またぶり返さなきゃいいがな」
「つまりは鶴ヶ峰が"人工呼吸器元より人工透析装置代わりを務めた"って感じかな?流石に輸血は、してないでしょ?」
「えっと、……ただ手を繋いでいただけですが、………なんで輸血?」
「言ったでしょ?血中の酸素濃度が変化するって。だから"正常な人からの血を貰う"ってのも一つの処置法なんだけど、………前にも話したかもだけど鶴ヶ峰の血液はかなり特殊らしいから同じ血液型でも容易に輸血出来ないし、逆も無理。一部のエンジニアが興味本位で"体質やサイドエフェクトの解明の為に"って血液検査を提案したんだけど、これを言実さんが即座に拒否したんだ。誰もが分かる程憤激していたから、室長ですら理由が聞けずじまいだったんだけど、……今日佐鳥達を担当するに当たって状況によっては輸血も有り得るって話ついでに再度聞いたら教えてくれたよ【あの子の血液には色んな病に有効な抗体物質が含まれている。中には"難病"と指定されているモノもあり、実際にとある難病の特効薬が血液を媒介に作られた経緯がある。だから容易に他人に摂取させるのは危険であり、逆もあの子が危うくなる。何より彼女を"検体ラット扱い"されるのを望む保護者がどこに居る】って。……これじゃあ鶴ヶ峰が病院や白衣が嫌だと言うのも頷けるよ。人によっては"名誉な事"って思うだろうけど、あの子はそう思えないだけの苦い経験をしているんだから。あ、分かっているでは思うけど、コレ内密にしてよ?バレたら………色々面倒な事になるんだからさ」
「面倒以前に大惨事になるだろコレ!!?だが、風間や東さんには共有するべきだな。………堤、コレは太刀川には伏せておけ。あの馬鹿が"ワクチンや特効薬の作り方や使用に踏み切るまでの過程"なんて知る筈がねぇんだからこっちから小難しい事を言った場合、逆効果になりそうだ。………二人もだからな。別に嵐山達を太刀川みたいに馬鹿呼ばわりする訳じゃなくて"この事を知らなくても鶴ヶ峰が病院等が嫌い"だって事実を知っていれば事足りるからだ。去年の実力テストで俺達がやらかしたみてぇに、下手に知り過ぎると身動きが取れなくなる事がある。…………此処だけの話だが、どうもまだ"内通者"がいるみたいな感じが俺はあるんでな、当たっては欲しくねぇがまぁ、…言動には気をつけろ」
「「………(コクリ)」」
何故ラボに招かれたのか納得した上で"やはり彼女はかなり特殊な体質"と改めて認識するメンバーであった。(因みに朝はごたついてお約束の連絡を取るのを忘れていたが、夜はちゃんと二人ともメッセージを送る。たが返信したのはシロであり、【明日までには回復するから心配しないで】と言われ、ヤキモキしながら一晩過ごしたらしい)