18.貯古齢糖の曲(173.
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さて、場所は屋外・危険区域内にて任務に勤しんでいた風間を始めとしたメンバー達だったが、少し早いが交代となり基地へ帰還している最中、柚紀に何が起きたのかが風間とフブキを中心に話し合いがされていた
「にしても、結局ユズが取り乱した理由って何だったんだ?太刀川隊との共闘なんて何度もあるだろ?……そこの所、どう思いますか?」
「さぁな。ただ、……鶴ヶ峰にとっては予想外なナニかがあってそれが俺達が知らない最大級の問題にして地雷案件だった。とだけしか分からない」
「それもですが、俺は言実さんの根回し相手が東さんだったのが気になります。この手の内容なら"諏訪さんを巻き込むのが常套手段"な筈です。……確かに少し面倒な個体は居ましたがあの人が気にする程でもなかった感じもします。…………これで課題やレポートに追われてなら、まだ分かりますが」
的な事を語りながら最寄りの秘密経路へのロックを外して中に入ろうとした、その時
〜 Reach for my hand, I’ll soar away
Into the dawn, oh, I wish I could stay
Here in cherished halls, in peaceful days
I fear the Edge of Dawn knowing time betrays 〜
「「!!?(ピタッ)」」
「これは……三上、あの馬鹿娘が今何処に居るか分かるか?」
❲少し待って下さい。(カタカタカタカタ……)検索完了!ボーダー本部基地の屋上てす!!❳
「ったく!ナニしてやがるんだよユズの馬鹿はっ!?昨晩倒れたばっかりで寝起きに歌とか……絶対に一発お見舞いしてやる!!?(ダッ!!)」
「一発っておい野々村っ!?お前は今トリオン体で、鶴ヶ峰は……多分生身だぞ?!やるなとは言わないが加減しろよっ!!?(ダッ!!)」
柚紀の歌声が聞こえた事により三人共足を止め、風間は冷静に三上に居場所特定を指示。それを聞いたフブキが一目散に駆け出し、歌川が追随、風間も後を追う
そして辿り着いた先には先行していたフブキ・歌川の他に、東と彼に声を掛けられていたであろう当真に加えて……影浦も集結しており柚紀を取り囲んで何やら色々言っている様子。それを甘んじて聞いていた柚紀だったが、風間の姿を見るや否や包囲網から抜け出して彼の後ろに隠れる始末。……どちらかと言えば風間もフブキ達側の思考ではあるが、涙目の少女を取り囲んで多勢に無勢は宜しくないと判断をする
「(ハァ〜)……とりあえず移動するぞ。防寒しているとは言えど、明け方は冷える。これで風邪でも引かれたら諏訪辺りが煩いからな。が、…………ちゃんと説明はしてもらう。構わないよな?」
『………(コク、リ)…………ぅん。ちゃんと、話します。それに、歌は……私にとっての精神安定剤の1つ、だから………今回は多目に見て、下さい。私室のトレーニングルーム、システムエラーで使えなくて、でも…………ある程度、落ち着きを取り戻さなきゃ、話せない事、だから』
「(テクテクテク、テクテクテク、……ナデナデ)別に俺達は怒っている訳じゃない。どちらかと言えば鶴ヶ峰が心配で、…大事な相手だからこそ向ける感情や言動だ。後、………下準備をするのは構わないが、やはり基地屋上も危険区域内には変わりないから、(ナデナデ)可能な限り単独で歌うのは控えなさい。いいね?」
東がフブキ達の気持ちを代弁した後に屋上から移動となった。行き先は野々村隊作戦室で、理由は昨夜の対話中にラボ・私室に設置したトリオン制御装置が破損し、三度トリオンが暴走した際に被害が少なく出来るのが例の検査室以外ではそこしかないのだ。……嵐山隊の作戦室にも同様の装置は健在だが、部屋主が居ない状態で無断に使うなど、誰も考えたりはしていなかった。そして作戦室に到着すればちゃんと起きたシロに加えて三上と冬島が先に着いており、待ち構えていた。勿論、菊地原も
そして挨拶もそこそこに、お茶を用意されたのを確認して柚紀は語り出す。……昨晩、何故任務が出来ない程の状態に陥ったのか、その理由を
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柚紀から語られた内容に誰もが口を閉ざし表情は暗く、険しいモノとなっていた。(当真が"それ、嘘だよな?"と茶々を入れようとしたが「嘘じゃないですよ?……オトからして本当の事を彼女は話してます」と菊地原が否定)そして、そんな皆の反応が怖くて俯いている柚紀に……やっと声を掛ける者が現れる
「…………………………あ〜、うん。……去年【自分は天童寺財閥のご令嬢の付き人で、その仕えている人がもうすぐ嫁入りしてしまい、彼女が居なくなればまた悪質な虐めに遭うのが嫌でつる姐を頼りに三門市に来た】って俺達に説明したが、……まさかユズ自身がお嬢様本人だったとはな〜。因みに、…付き人が別の使用人共に虐められてたのは本当か?」
『虐め、と言うより一方的に忌み嫌われていた感じかな?その………育った環境のせいで感情や判断力が欠落してて、何を考えているか分からないって嫌厭されていたらしいの。尤も、私が屋敷で生活を始めた頃は大分改善されてたから仲の良い別の人から聞いた、感じ。あの、……………ゴメンねフブキ。嘘、言っちゃってさ。風間さん達も、騙してしまって、すみません、でした』
「……………いや、あの後オペレーター二人に調べさせたが天童寺財閥には"実質的に現在財閥運営をしている男が台頭してから、黒い噂が沢山出てきた"のは事実であり、お前が隠したく思うのも無理はない。特にご隠居と呼ばれるお人は、今現在その街の市長も勤めているだけあって影響力は凄まじいだろう。その馬鹿倅と違って公私混同する様な御仁には思えないが、………今までの功績が凄すぎるからな」
「え〜、何々?地主の家系ではあったが、隣町の方が発展してて、努力の末に隣町の地主の娘と結婚。町を現在の市の形に統合し、更に経済成長に乗り遅れて廃れていく街を数々のアイディアで乗り越えて発展。【古き良いモノの伝承を上手く現代にも活用し、幾つかの文化遺産認定を実現させた功労者】って、(パサッ)……確かにすげーお人で、それの後継者に血の繋がりの無い義理の孫娘である柚紀ちゃんが指名されちゃ〜、確かに実の息子のコイツは面白くないわな」
と、誰もが"これは仕方ない"と柚紀が隠していた事を咎める者は居なかった。それどころか大人組は"スポンサー契約を持ち掛けて来たのならコチラに出向いてくる可能性"を視野に対策を講じ始める始末だ。それを見て呆然としている柚紀に当真が「ナニ不思議そうな顔してるんだよ?怒られるとでも思ったのか?」と訊ねれば小さく頷き、その理由を口にする
『だって、下手すれば組織全体に迷惑掛ける程の事を、私は秘密にしてたんだよ?名前は……コッチに来てから言実さんが正式に養子縁組の手続きしたから今は問題ないけどさ、それも夏休み後半だったから初回に会った人には、嘘を言っていた事に変わりない。後、……あの屋敷に居た時は"私の言動は否定や却下される事が多くてさ"、…此処が、アソコと違うって分かっていても、何か……拍子抜けと言うか、…張り詰めていたのが……バカバカしく、…思っちゃ……(フラッ)』
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さて、場所は屋外・危険区域内にて任務に勤しんでいた風間を始めとしたメンバー達だったが、少し早いが交代となり基地へ帰還している最中、柚紀に何が起きたのかが風間とフブキを中心に話し合いがされていた
「にしても、結局ユズが取り乱した理由って何だったんだ?太刀川隊との共闘なんて何度もあるだろ?……そこの所、どう思いますか?」
「さぁな。ただ、……鶴ヶ峰にとっては予想外なナニかがあってそれが俺達が知らない最大級の問題にして地雷案件だった。とだけしか分からない」
「それもですが、俺は言実さんの根回し相手が東さんだったのが気になります。この手の内容なら"諏訪さんを巻き込むのが常套手段"な筈です。……確かに少し面倒な個体は居ましたがあの人が気にする程でもなかった感じもします。…………これで課題やレポートに追われてなら、まだ分かりますが」
的な事を語りながら最寄りの秘密経路へのロックを外して中に入ろうとした、その時
〜 Reach for my hand, I’ll soar away
Into the dawn, oh, I wish I could stay
Here in cherished halls, in peaceful days
I fear the Edge of Dawn knowing time betrays 〜
「「!!?(ピタッ)」」
「これは……三上、あの馬鹿娘が今何処に居るか分かるか?」
❲少し待って下さい。(カタカタカタカタ……)検索完了!ボーダー本部基地の屋上てす!!❳
「ったく!ナニしてやがるんだよユズの馬鹿はっ!?昨晩倒れたばっかりで寝起きに歌とか……絶対に一発お見舞いしてやる!!?(ダッ!!)」
「一発っておい野々村っ!?お前は今トリオン体で、鶴ヶ峰は……多分生身だぞ?!やるなとは言わないが加減しろよっ!!?(ダッ!!)」
柚紀の歌声が聞こえた事により三人共足を止め、風間は冷静に三上に居場所特定を指示。それを聞いたフブキが一目散に駆け出し、歌川が追随、風間も後を追う
そして辿り着いた先には先行していたフブキ・歌川の他に、東と彼に声を掛けられていたであろう当真に加えて……影浦も集結しており柚紀を取り囲んで何やら色々言っている様子。それを甘んじて聞いていた柚紀だったが、風間の姿を見るや否や包囲網から抜け出して彼の後ろに隠れる始末。……どちらかと言えば風間もフブキ達側の思考ではあるが、涙目の少女を取り囲んで多勢に無勢は宜しくないと判断をする
「(ハァ〜)……とりあえず移動するぞ。防寒しているとは言えど、明け方は冷える。これで風邪でも引かれたら諏訪辺りが煩いからな。が、…………ちゃんと説明はしてもらう。構わないよな?」
『………(コク、リ)…………ぅん。ちゃんと、話します。それに、歌は……私にとっての精神安定剤の1つ、だから………今回は多目に見て、下さい。私室のトレーニングルーム、システムエラーで使えなくて、でも…………ある程度、落ち着きを取り戻さなきゃ、話せない事、だから』
「(テクテクテク、テクテクテク、……ナデナデ)別に俺達は怒っている訳じゃない。どちらかと言えば鶴ヶ峰が心配で、…大事な相手だからこそ向ける感情や言動だ。後、………下準備をするのは構わないが、やはり基地屋上も危険区域内には変わりないから、(ナデナデ)可能な限り単独で歌うのは控えなさい。いいね?」
東がフブキ達の気持ちを代弁した後に屋上から移動となった。行き先は野々村隊作戦室で、理由は昨夜の対話中にラボ・私室に設置したトリオン制御装置が破損し、三度トリオンが暴走した際に被害が少なく出来るのが例の検査室以外ではそこしかないのだ。……嵐山隊の作戦室にも同様の装置は健在だが、部屋主が居ない状態で無断に使うなど、誰も考えたりはしていなかった。そして作戦室に到着すればちゃんと起きたシロに加えて三上と冬島が先に着いており、待ち構えていた。勿論、菊地原も
そして挨拶もそこそこに、お茶を用意されたのを確認して柚紀は語り出す。……昨晩、何故任務が出来ない程の状態に陥ったのか、その理由を
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「…………………………あ〜、うん。……去年【自分は天童寺財閥のご令嬢の付き人で、その仕えている人がもうすぐ嫁入りしてしまい、彼女が居なくなればまた悪質な虐めに遭うのが嫌でつる姐を頼りに三門市に来た】って俺達に説明したが、……まさかユズ自身がお嬢様本人だったとはな〜。因みに、…付き人が別の使用人共に虐められてたのは本当か?」
『虐め、と言うより一方的に忌み嫌われていた感じかな?その………育った環境のせいで感情や判断力が欠落してて、何を考えているか分からないって嫌厭されていたらしいの。尤も、私が屋敷で生活を始めた頃は大分改善されてたから仲の良い別の人から聞いた、感じ。あの、……………ゴメンねフブキ。嘘、言っちゃってさ。風間さん達も、騙してしまって、すみません、でした』
「……………いや、あの後オペレーター二人に調べさせたが天童寺財閥には"実質的に現在財閥運営をしている男が台頭してから、黒い噂が沢山出てきた"のは事実であり、お前が隠したく思うのも無理はない。特にご隠居と呼ばれるお人は、今現在その街の市長も勤めているだけあって影響力は凄まじいだろう。その馬鹿倅と違って公私混同する様な御仁には思えないが、………今までの功績が凄すぎるからな」
「え〜、何々?地主の家系ではあったが、隣町の方が発展してて、努力の末に隣町の地主の娘と結婚。町を現在の市の形に統合し、更に経済成長に乗り遅れて廃れていく街を数々のアイディアで乗り越えて発展。【古き良いモノの伝承を上手く現代にも活用し、幾つかの文化遺産認定を実現させた功労者】って、(パサッ)……確かにすげーお人で、それの後継者に血の繋がりの無い義理の孫娘である柚紀ちゃんが指名されちゃ〜、確かに実の息子のコイツは面白くないわな」
と、誰もが"これは仕方ない"と柚紀が隠していた事を咎める者は居なかった。それどころか大人組は"スポンサー契約を持ち掛けて来たのならコチラに出向いてくる可能性"を視野に対策を講じ始める始末だ。それを見て呆然としている柚紀に当真が「ナニ不思議そうな顔してるんだよ?怒られるとでも思ったのか?」と訊ねれば小さく頷き、その理由を口にする
『だって、下手すれば組織全体に迷惑掛ける程の事を、私は秘密にしてたんだよ?名前は……コッチに来てから言実さんが正式に養子縁組の手続きしたから今は問題ないけどさ、それも夏休み後半だったから初回に会った人には、嘘を言っていた事に変わりない。後、……あの屋敷に居た時は"私の言動は否定や却下される事が多くてさ"、…此処が、アソコと違うって分かっていても、何か……拍子抜けと言うか、…張り詰めていたのが……バカバカしく、…思っちゃ……(フラッ)』