17.革新の曲(172.
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『そんなの、私が一番知りたいよっ!!なんであんな人と再婚しちゃったの?!お父さんの事、嫌いになった訳でも忘れた訳でもないのに!!?だってお母さん、お父さんから誕生日に貰ったピアス、今でも付けているのにっ!!?それだけじゃない!!"ある時を堺に"私を避けるようになった!!?……私、何か悪い事、した?気に障る事言った?ねぇっ!!?誰か教えてよ!!答えてよっ!!……会いたいよ、お母さんっ!!!!(ポタポタ、ポタポタ)』
「(ガクッ!?)っ!!お、落ち着いて下さい、柚紀先輩っ!!?(綾辻先輩や国近先輩もトリオン体だけど、身体機能は生身と大差ない。他の方も生身な以上)……わ、私が、何とか、しないと」
誰もが追求していなかった母親について訊ねた結果、重度の加重現象と照明が点灯し、隅に設置していた制御装置が破損してしまう程の事態に。そしてその現象を引き起こしている柚紀は錯乱状態となり、悲痛の声を上げながら泣いている。これには背を向けていた男子達も動こうとしたが、生身な自身に掛かる重圧のせいで身動きが取れない状況であり、唯一何とか動けて話し掛けれる余力がある木虎が近づいて触れようとした、その横を何かが通過する。それは……
- ヒュッ、トーーン
……チリーン、リーン -
『(……シュウゥー)……今、…鈴の音が、した?『(…フワッ、ギュッ!)……会わせてやりたいが、それではお前の居場所がバレるだけでなく、あの牢獄から逃してくれた者達に危害が加わる。(ポンポン)今暫く、辛抱してくれ。あの男との因縁を断ち切った暁には、必ずお前を義姉さんに会わせてやる。だから、……今はその時を夢見て…(…スッ)"眠れ、柚紀"』言実さ、(クラッ…)……すぅ、すぅ…』
「…………………はぁ〜。なる程、ね。……貴女がシルバーブレットの弾丸形状を"鈴"にしていたのは単に柚紀ちゃんの能力を増幅・制御する媒介にする為かと思っていましたが、……本当に鈴は"柚紀ちゃんを我に戻すキーアイテム"だった訳だ。だから俺に【多少無理をしてでもお守りを持って本部に来い】って言ったんですね。因みに、そのハンカチにはナニを仕込んだんですか?」
『……知り合いに頼んで特別調合して貰った普通の者ならただの香水にしか感じぬが、この子には睡眠効果のある香りを染み込ませたモノだ。………一般的な睡眠薬は柚紀は飲めぬし、辛うじて使える種類のは"既に多用し過ぎて効かぬ"状態だ。こんな強引な方法は取りたくなかったが、……踏み抜いてしまったからな【この子に取っての最大の地雷を連続して】…な』
「(………はぁ〜)き、きつかったぁ〜!?ってかおつるちゃん。……名前も出てこない柚紀の義理の父親は【理不尽な生活を強いられた元凶】だから柚紀が忌み嫌ったり取り乱すのは、まぁ分かるけど………なんでお母さんの話題も地雷なの?去年の、……会う予定だったあの日なら【会えなかった寂しさや、佐鳥が勝手に悪者にしちゃったから取り乱した】のは、分かるけど……」
「それと、……貴女の先程の言い方では【柚紀さんは以前睡眠薬を使用しないと眠れない状態に長期間陥った事がある】と言っているものです。…あれだけ寝付きの良い彼女がそこまでなるとは、おれには想像が付きません」
迅が柚紀に投げて体に当てたあの鈴のお守りのお陰で、一瞬だけ正気を取り戻し負荷が軽くなった隙に言実が距離を詰めて抱き寄せれば口元…目から下をハンカチで覆えば、そのまま気を失うかの様に眠ってしまう。これにより完全に加重現象から解放された一行は安堵し、初体験組を嵐山やA級二人が介抱する中【柚紀のせいで体調不良にも関わらず自分を呼び出された理由】を理解する迅。それとは別にやはり別観点で気になる事を口にする二人を一瞥すれば『少し待て。それと済まぬがロッカーに入っているほうきと塵取りで破片の回収を頼みたい』と、先ずは話の場を整えるのを言実は優先する。ナニをするかと言うと、未だに柚紀が抱っこしているまさくんの後頭部からコードを取り出してベッドに接続して操作をし、女子を中心に破損した装置や湯呑も撤去が済んだのを見計らい言実が二人の質問に答える
『………義姉さんだって娘を甘やかすだけでなく、躾の一環として叱る事もある。だが、別に一方的にではなくちゃんと理由を話した上でのモノであり、柚紀も理解していた。が、………何者かが義姉さんに妙な事をしたらしく、劇的に変貌する時があったらしい。暴力こそ無かったが理由も語らずただ冷たくされたり、怒鳴りつけたり、な。……私の前ではあまり変化は無かった故に、話を聞くまで知らなかったがな』
「あ、………確か柚紀ちゃんは【相手が自分に対する接し方が変わるのを嫌っている節がありましたね】。主にボーダー内では言実さんの姪である事や歌姫と言った"特別な立場"を誇大にされるのを、あまり本人も快く思っていなかった。もしかして……母親にそうされたから、ですか?」
『いや、元から"特別視される事をこの子は嫌っていた"。だが、その中でも母親の言動は長時間側に居たり、実際に距離が近い分、やはり子どもは多大な影響を受ける。そして、慣れない生活や環境に身を置けば繊細な子程、精神的な負荷は計り知れぬ。そうなった先に起こりうるのが通常生活すらままならぬ状態となる』
「!!……佐鳥やとっきーが去年やらかした、アレな感じですね。確か情緒不安定・食欲不振に、……!…睡眠障害も、起きてましたね柚紀ちゃんは」
『あぁ。……まだ兄さんの、Divaの封印が作用していた時は髪色が変化したりはしなかったから大事にはならなかった。しかし、隠すのが上手い柚紀の、SOSに気付いた頃には……柚紀はかなり追い詰められていた。あの男と義姉さんが再婚する前から、周囲の人間から色々強要されていたのを後になって知ったよ。因みに鈴は【一種の安定剤】な状態だな。幼い頃は"魔除けの鈴"として所持していたし、再婚する前は"内容を話せなくても辛い事があれば私が電話をした時に鈴を鳴らせ。そうすれば必ずお前の元に行く"と約束をしていた。そして、再婚後は"信頼出来るモノを呼び寄せる呼び鈴"としてご隠居から密かに与えられていた故にな。ま、それはさておき……来馬に唯我、あの男とて柚紀が屋敷から居なくなったと分かれば私の元に居る可能性も考慮している筈だ。そして既にボーダーにスポンサー契約を打診してきている以上、お前達にも接触してくれやも知れぬ。その際は会話内容に注意しろ。アレは"柚紀が義姉さん同様歌が好きなのを知らん"、故に歌姫が柚紀だと気づく可能性は低いが絶対ではない。一応対抗手段は幾つか講じては居るが、追い詰められた者程ナニをしでかすか検討もつかぬから……油断はするな。そして何か動きがあれば出水・村上を経由して私に報せろ、いいな?』
「(ガクッ!?)っ!!お、落ち着いて下さい、柚紀先輩っ!!?(綾辻先輩や国近先輩もトリオン体だけど、身体機能は生身と大差ない。他の方も生身な以上)……わ、私が、何とか、しないと」
誰もが追求していなかった母親について訊ねた結果、重度の加重現象と照明が点灯し、隅に設置していた制御装置が破損してしまう程の事態に。そしてその現象を引き起こしている柚紀は錯乱状態となり、悲痛の声を上げながら泣いている。これには背を向けていた男子達も動こうとしたが、生身な自身に掛かる重圧のせいで身動きが取れない状況であり、唯一何とか動けて話し掛けれる余力がある木虎が近づいて触れようとした、その横を何かが通過する。それは……
- ヒュッ、トーーン
……チリーン、リーン -
『(……シュウゥー)……今、…鈴の音が、した?『(…フワッ、ギュッ!)……会わせてやりたいが、それではお前の居場所がバレるだけでなく、あの牢獄から逃してくれた者達に危害が加わる。(ポンポン)今暫く、辛抱してくれ。あの男との因縁を断ち切った暁には、必ずお前を義姉さんに会わせてやる。だから、……今はその時を夢見て…(…スッ)"眠れ、柚紀"』言実さ、(クラッ…)……すぅ、すぅ…』
「…………………はぁ〜。なる程、ね。……貴女がシルバーブレットの弾丸形状を"鈴"にしていたのは単に柚紀ちゃんの能力を増幅・制御する媒介にする為かと思っていましたが、……本当に鈴は"柚紀ちゃんを我に戻すキーアイテム"だった訳だ。だから俺に【多少無理をしてでもお守りを持って本部に来い】って言ったんですね。因みに、そのハンカチにはナニを仕込んだんですか?」
『……知り合いに頼んで特別調合して貰った普通の者ならただの香水にしか感じぬが、この子には睡眠効果のある香りを染み込ませたモノだ。………一般的な睡眠薬は柚紀は飲めぬし、辛うじて使える種類のは"既に多用し過ぎて効かぬ"状態だ。こんな強引な方法は取りたくなかったが、……踏み抜いてしまったからな【この子に取っての最大の地雷を連続して】…な』
「(………はぁ〜)き、きつかったぁ〜!?ってかおつるちゃん。……名前も出てこない柚紀の義理の父親は【理不尽な生活を強いられた元凶】だから柚紀が忌み嫌ったり取り乱すのは、まぁ分かるけど………なんでお母さんの話題も地雷なの?去年の、……会う予定だったあの日なら【会えなかった寂しさや、佐鳥が勝手に悪者にしちゃったから取り乱した】のは、分かるけど……」
「それと、……貴女の先程の言い方では【柚紀さんは以前睡眠薬を使用しないと眠れない状態に長期間陥った事がある】と言っているものです。…あれだけ寝付きの良い彼女がそこまでなるとは、おれには想像が付きません」
迅が柚紀に投げて体に当てたあの鈴のお守りのお陰で、一瞬だけ正気を取り戻し負荷が軽くなった隙に言実が距離を詰めて抱き寄せれば口元…目から下をハンカチで覆えば、そのまま気を失うかの様に眠ってしまう。これにより完全に加重現象から解放された一行は安堵し、初体験組を嵐山やA級二人が介抱する中【柚紀のせいで体調不良にも関わらず自分を呼び出された理由】を理解する迅。それとは別にやはり別観点で気になる事を口にする二人を一瞥すれば『少し待て。それと済まぬがロッカーに入っているほうきと塵取りで破片の回収を頼みたい』と、先ずは話の場を整えるのを言実は優先する。ナニをするかと言うと、未だに柚紀が抱っこしているまさくんの後頭部からコードを取り出してベッドに接続して操作をし、女子を中心に破損した装置や湯呑も撤去が済んだのを見計らい言実が二人の質問に答える
『………義姉さんだって娘を甘やかすだけでなく、躾の一環として叱る事もある。だが、別に一方的にではなくちゃんと理由を話した上でのモノであり、柚紀も理解していた。が、………何者かが義姉さんに妙な事をしたらしく、劇的に変貌する時があったらしい。暴力こそ無かったが理由も語らずただ冷たくされたり、怒鳴りつけたり、な。……私の前ではあまり変化は無かった故に、話を聞くまで知らなかったがな』
「あ、………確か柚紀ちゃんは【相手が自分に対する接し方が変わるのを嫌っている節がありましたね】。主にボーダー内では言実さんの姪である事や歌姫と言った"特別な立場"を誇大にされるのを、あまり本人も快く思っていなかった。もしかして……母親にそうされたから、ですか?」
『いや、元から"特別視される事をこの子は嫌っていた"。だが、その中でも母親の言動は長時間側に居たり、実際に距離が近い分、やはり子どもは多大な影響を受ける。そして、慣れない生活や環境に身を置けば繊細な子程、精神的な負荷は計り知れぬ。そうなった先に起こりうるのが通常生活すらままならぬ状態となる』
「!!……佐鳥やとっきーが去年やらかした、アレな感じですね。確か情緒不安定・食欲不振に、……!…睡眠障害も、起きてましたね柚紀ちゃんは」
『あぁ。……まだ兄さんの、Divaの封印が作用していた時は髪色が変化したりはしなかったから大事にはならなかった。しかし、隠すのが上手い柚紀の、SOSに気付いた頃には……柚紀はかなり追い詰められていた。あの男と義姉さんが再婚する前から、周囲の人間から色々強要されていたのを後になって知ったよ。因みに鈴は【一種の安定剤】な状態だな。幼い頃は"魔除けの鈴"として所持していたし、再婚する前は"内容を話せなくても辛い事があれば私が電話をした時に鈴を鳴らせ。そうすれば必ずお前の元に行く"と約束をしていた。そして、再婚後は"信頼出来るモノを呼び寄せる呼び鈴"としてご隠居から密かに与えられていた故にな。ま、それはさておき……来馬に唯我、あの男とて柚紀が屋敷から居なくなったと分かれば私の元に居る可能性も考慮している筈だ。そして既にボーダーにスポンサー契約を打診してきている以上、お前達にも接触してくれやも知れぬ。その際は会話内容に注意しろ。アレは"柚紀が義姉さん同様歌が好きなのを知らん"、故に歌姫が柚紀だと気づく可能性は低いが絶対ではない。一応対抗手段は幾つか講じては居るが、追い詰められた者程ナニをしでかすか検討もつかぬから……油断はするな。そして何か動きがあれば出水・村上を経由して私に報せろ、いいな?』