17.革新の曲(172.
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意識を取り戻した迅の言葉で"本当の事"と理解が出来たが"何処からの情報源"かと来馬が問えば『村上と同じ様な現象が迅にも起きている。そこから導き出されたモノだ』と手短に語る。此処で「あの、おつるちゃん。……怒ってるよね?でも、何に対して??」と佐鳥が恐る恐る訊ねれば未だに眠っている柚紀を一瞥後、重々しく口を開く
『…………敢えて言えば己の軽率な頭に対して、だ。……来馬がかつての柚紀と面識があるのなら、同じ金持ちである唯我も有り得る事を失念していた。が、……あの子が公の場に出たのは一度きりで、残りはちょっとした子供たちによるお茶会やペット交流会程度であり、ソレが参加するとは思っておらなかった。だが、まさかのピンポイントて邂逅を果たしていたとは…読みが浅かった』
「!!?ペットの集まり…………市河が、来馬先輩と鶴ヶ峰が会ったきっかけを口にした後に話したアレは…、嘘、だったんですか?」
「(……フルフル)うぅん、確かに鶴ヶ峰柚紀ちゃんと会ったのはアレが初めてだし実際に起きた出来事だけど、……ゆずきちゃん時代に会ったのも僕はペット好きによる集まり会がきっかけだったし、同じ様に小柄な動物が木の上に逃げ出してそれを彼女が追い掛けて捕まえて……落下するまで一緒。因みにあの時は彼女の護衛さんが受け止めて難を逃れたけど、それ以降同じ様な集まりに彼女は参加する事は無かった。聞いた話によれば"令嬢らしからぬ振る舞いをして叱られたのと、同伴していた犬を…殺処分されたから"って」
「っ!!?殺処分って、別に逃げ出したのはその犬じゃないのになんで!?それに、血がお嫌いで他人を大切にする柚紀先輩にその仕打ちは、あんまりです!!!」
「…………………だから現当主の実の息子であり、彼女の義理の父親たるあの人は、僕を含めた多くの人から忌み嫌われている。【自分が正しいと信じて疑わない、否定や反論するモノは金と権力で抑え込む、強欲ながら自分の器の大きさを知らない七光りの道楽息子】とね。ぼ、僕だってそれなりの常識は弁えているさ!?例えば…………(チラッ)言実さんを怒らせたら駄目とか、ね。正直、現当主である通称ご隠居様の唯一の汚点が【後継者である息子の育て方を間違えた】だね。(ハア〜)もう少し家庭を鑑みれば、こんな風にはならなかったし天童寺財閥も傾く心配は無かったし、彼女だって…『唯我、そこから先を語るのは禁ずる。それは本人の口から語るべき内容だ、他人が口を挟むな』ひ、ヒイッ!!?…り、了解、です!!!」
確信に迫る言葉を唯我が口を滑らせそうだったのを言実が強制終了させる。が、中途半端なそれは若者達が気にするには十分な動機となるのを知っているので、仕方無しに柚紀の頭を撫でて起こす事に。それで意識を取り戻すが精神的な理由で気を失った事を考慮して【男子は生身の状態で、なおかつ顔を合わせない状態での対話】を言実は条件とした。オペレーター二人は柚紀の介護要員であり、木虎のみトリオン体のままで"万が一の護衛役"として側に配置した。……幼い頃から世話役や護衛が側に居る環境に居たせいで、やはりこれが落ち着くらしい
そして場を落ち着かせる為にと全員にお茶が用意され、柚紀も水分補給を済ませれば『えっと、何から話せば良いの、かな?』と訊ねればこう言う時の進行役は大体迅だったので、自然と視線が彼に集まり……軽く咳払いをして話を切り出す
「えっとさ、……お母さんが再婚したのって何時頃の話?静樹さんが居なくなって直ぐ、じゃないよね?少なくても二人で頑張って生活していた姿を、……俺は夢を通して視たのを覚えている」
『えっと、一年と少し前、かな?にしても迅さん、夢で視たってそんな事………あ!シロが言っていた【能力の逆転現象】ですか?こう、リアルタイムで発動する人だと、過去に起きた物事を読み取れてしまうアレで、主に私関連のが起きやすいと聞いてます。ん?……もしかして村上先輩も、似た現象に悩まされていますか?』
「!?……あぁ。だが俺の場合は、あくまで自分自身の過去の記憶を夢に見るだけで、鶴ヶ峰の事を夢では見ていない。だが、内容が少し、…良くないモノが続いて顔色が優れないのを来馬先輩が気にして、言実さんに相談する為に此処に来た。………俺の事より鶴ヶ峰、今は君の事を話す場だ。話したくないなは分かるが、もう…そうとは言ってられない事態なのも、分かっているな?」
『(……ギュッ!)……はい、分かって、ます。遅かれ、早かれ、こうなるって分かってました。……あの人が、私の家出に気付けば、必ず連れ戻す為に動き出すのは分かってましたから』
「えっ?!柚紀ちゃん、家出をして姐さんを頼りに三門市に来た感じ?!でもさ、……あれから半年近く経過してるよな?普通、気付かないもんか?」
『………あの人は家庭を、…私には興味がないんです。あの人が欲しかったのは母親であって、私はただの付属品でしかない。だから、……一度も私を、名で呼んだ事もないし、ちゃんと話すら、聞いてくれた事もない!!私はゆずきじゃないって、言っているのに、その声すら、あの人には届かない!!無視され続けた!!?それだけじゃない!あの人は、……"私の未来すら勝手に決めようとした"!!!だから、私はっ!(サアァ〜……)』
- ズシッ!! -
感情の高ぶりと共に髪色が変化し、加重現象が発生してしまう。これに対して全員が椅子に座っていたのであからさまにバランスを崩す者はおらず、唯我達現象未経験にも"こんな現象が起こるかも"とあらかじめ説明をしていた。そして、この部屋にも嵐山隊作戦室に取り付けていたトリオン吸収装置が設置されており、無事に発動して身体が楽になったのを見計らい柚紀に"まさくん"を抱っこさせて落ち着くのを待つ。その間をただ待つのも惜しいので『……二人に説明させて良いか?お前の家出を決定付けた理由を』と言実が訊ねて頷いたのを確認すれば、……来馬が口を開く
「天童寺財閥が運営する会社の社長さんが彼女の義理の父親なんだけど、先代のご隠居様みたいな経営手腕は持ってなくて、色んな事業に好き勝手に手を出した結果、経営は右下がりな状態。それをどうにかしようと、有力な会社を経営する社長さん所のご子息と、……柚紀ちゃんを結婚させようとしたんだ。所謂"政略結婚"だね。それも見た目が大人っぽい彼女の容姿を逆手に取って"年齢を一つ偽らせていたんだ"。更に学校すら無理して一つ上の学級に通わせていたらしい。なのに"天童寺の一員だから"と高水準の成績や作法や立ち振る舞いを要求した。(ハァ〜)………これだけ無理難題を強要されれば、逃げ出したくもなるよ。まだ僕や唯我くんみたいに親と血の繋がりがあるなら、納得出来るけど、彼女は違う。……僕も、風の噂程度しか聞いていなかったけど、この町で柚紀ちゃんと会った後、真意を言実さんに訊ねた後に【天童寺財閥の現状を探れないか】って頼まれて調べたら簡単にコレだけの事情が出てきたって事は、………本気で"真実を知られても他人にはどうにも出来ない"って思っているのかもね。あの人は」
『…………敢えて言えば己の軽率な頭に対して、だ。……来馬がかつての柚紀と面識があるのなら、同じ金持ちである唯我も有り得る事を失念していた。が、……あの子が公の場に出たのは一度きりで、残りはちょっとした子供たちによるお茶会やペット交流会程度であり、ソレが参加するとは思っておらなかった。だが、まさかのピンポイントて邂逅を果たしていたとは…読みが浅かった』
「!!?ペットの集まり…………市河が、来馬先輩と鶴ヶ峰が会ったきっかけを口にした後に話したアレは…、嘘、だったんですか?」
「(……フルフル)うぅん、確かに鶴ヶ峰柚紀ちゃんと会ったのはアレが初めてだし実際に起きた出来事だけど、……ゆずきちゃん時代に会ったのも僕はペット好きによる集まり会がきっかけだったし、同じ様に小柄な動物が木の上に逃げ出してそれを彼女が追い掛けて捕まえて……落下するまで一緒。因みにあの時は彼女の護衛さんが受け止めて難を逃れたけど、それ以降同じ様な集まりに彼女は参加する事は無かった。聞いた話によれば"令嬢らしからぬ振る舞いをして叱られたのと、同伴していた犬を…殺処分されたから"って」
「っ!!?殺処分って、別に逃げ出したのはその犬じゃないのになんで!?それに、血がお嫌いで他人を大切にする柚紀先輩にその仕打ちは、あんまりです!!!」
「…………………だから現当主の実の息子であり、彼女の義理の父親たるあの人は、僕を含めた多くの人から忌み嫌われている。【自分が正しいと信じて疑わない、否定や反論するモノは金と権力で抑え込む、強欲ながら自分の器の大きさを知らない七光りの道楽息子】とね。ぼ、僕だってそれなりの常識は弁えているさ!?例えば…………(チラッ)言実さんを怒らせたら駄目とか、ね。正直、現当主である通称ご隠居様の唯一の汚点が【後継者である息子の育て方を間違えた】だね。(ハア〜)もう少し家庭を鑑みれば、こんな風にはならなかったし天童寺財閥も傾く心配は無かったし、彼女だって…『唯我、そこから先を語るのは禁ずる。それは本人の口から語るべき内容だ、他人が口を挟むな』ひ、ヒイッ!!?…り、了解、です!!!」
確信に迫る言葉を唯我が口を滑らせそうだったのを言実が強制終了させる。が、中途半端なそれは若者達が気にするには十分な動機となるのを知っているので、仕方無しに柚紀の頭を撫でて起こす事に。それで意識を取り戻すが精神的な理由で気を失った事を考慮して【男子は生身の状態で、なおかつ顔を合わせない状態での対話】を言実は条件とした。オペレーター二人は柚紀の介護要員であり、木虎のみトリオン体のままで"万が一の護衛役"として側に配置した。……幼い頃から世話役や護衛が側に居る環境に居たせいで、やはりこれが落ち着くらしい
そして場を落ち着かせる為にと全員にお茶が用意され、柚紀も水分補給を済ませれば『えっと、何から話せば良いの、かな?』と訊ねればこう言う時の進行役は大体迅だったので、自然と視線が彼に集まり……軽く咳払いをして話を切り出す
「えっとさ、……お母さんが再婚したのって何時頃の話?静樹さんが居なくなって直ぐ、じゃないよね?少なくても二人で頑張って生活していた姿を、……俺は夢を通して視たのを覚えている」
『えっと、一年と少し前、かな?にしても迅さん、夢で視たってそんな事………あ!シロが言っていた【能力の逆転現象】ですか?こう、リアルタイムで発動する人だと、過去に起きた物事を読み取れてしまうアレで、主に私関連のが起きやすいと聞いてます。ん?……もしかして村上先輩も、似た現象に悩まされていますか?』
「!?……あぁ。だが俺の場合は、あくまで自分自身の過去の記憶を夢に見るだけで、鶴ヶ峰の事を夢では見ていない。だが、内容が少し、…良くないモノが続いて顔色が優れないのを来馬先輩が気にして、言実さんに相談する為に此処に来た。………俺の事より鶴ヶ峰、今は君の事を話す場だ。話したくないなは分かるが、もう…そうとは言ってられない事態なのも、分かっているな?」
『(……ギュッ!)……はい、分かって、ます。遅かれ、早かれ、こうなるって分かってました。……あの人が、私の家出に気付けば、必ず連れ戻す為に動き出すのは分かってましたから』
「えっ?!柚紀ちゃん、家出をして姐さんを頼りに三門市に来た感じ?!でもさ、……あれから半年近く経過してるよな?普通、気付かないもんか?」
『………あの人は家庭を、…私には興味がないんです。あの人が欲しかったのは母親であって、私はただの付属品でしかない。だから、……一度も私を、名で呼んだ事もないし、ちゃんと話すら、聞いてくれた事もない!!私はゆずきじゃないって、言っているのに、その声すら、あの人には届かない!!無視され続けた!!?それだけじゃない!あの人は、……"私の未来すら勝手に決めようとした"!!!だから、私はっ!(サアァ〜……)』
- ズシッ!! -
感情の高ぶりと共に髪色が変化し、加重現象が発生してしまう。これに対して全員が椅子に座っていたのであからさまにバランスを崩す者はおらず、唯我達現象未経験にも"こんな現象が起こるかも"とあらかじめ説明をしていた。そして、この部屋にも嵐山隊作戦室に取り付けていたトリオン吸収装置が設置されており、無事に発動して身体が楽になったのを見計らい柚紀に"まさくん"を抱っこさせて落ち着くのを待つ。その間をただ待つのも惜しいので『……二人に説明させて良いか?お前の家出を決定付けた理由を』と言実が訊ねて頷いたのを確認すれば、……来馬が口を開く
「天童寺財閥が運営する会社の社長さんが彼女の義理の父親なんだけど、先代のご隠居様みたいな経営手腕は持ってなくて、色んな事業に好き勝手に手を出した結果、経営は右下がりな状態。それをどうにかしようと、有力な会社を経営する社長さん所のご子息と、……柚紀ちゃんを結婚させようとしたんだ。所謂"政略結婚"だね。それも見た目が大人っぽい彼女の容姿を逆手に取って"年齢を一つ偽らせていたんだ"。更に学校すら無理して一つ上の学級に通わせていたらしい。なのに"天童寺の一員だから"と高水準の成績や作法や立ち振る舞いを要求した。(ハァ〜)………これだけ無理難題を強要されれば、逃げ出したくもなるよ。まだ僕や唯我くんみたいに親と血の繋がりがあるなら、納得出来るけど、彼女は違う。……僕も、風の噂程度しか聞いていなかったけど、この町で柚紀ちゃんと会った後、真意を言実さんに訊ねた後に【天童寺財閥の現状を探れないか】って頼まれて調べたら簡単にコレだけの事情が出てきたって事は、………本気で"真実を知られても他人にはどうにも出来ない"って思っているのかもね。あの人は」