17.革新の曲(172.
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それから数日、祝・野々村隊結成ムードにより来客やらお祝いの品を貰ったり等も一段落し、密かに加古隊メンバーとの対面を柚紀が済ませたりしたある日、出水と約束していた任務共同日がやって来た。因みに曜日は金曜日であり「明日土曜日だし、任務終わったら皆でゲーム大会しない???場所は柚紀ちゃん所の作戦室でさ〜」と国近に提案され"ならば…"とシロとフブキは用意の為に任務不参加を表明。……太刀川隊なら柚紀一人でも色んな意味で平気と判断し、鶴ヶ峰の二人も特に異論はなかった。そして調子に乗った国近はさらなる注文を柚紀にお願いする。それは………
〜太刀川隊・作戦室〜
『ぁ、あのぅ〜柚宇先輩。その、……変じゃない、ですか?と言うより……か、体のラインが出る服って私、どうも苦手で、お、…落ち着きません(モジモジ)』
「大丈夫大丈夫!似合ってるから心配しないで〜(ナデナデ)にしても、……うん、私の予想通りやっぱりイイ感じになったね〜。柚紀ちゃんはさ〜、スタイル良いんだからもっと自信持って堂々としたらどうかな〜?そうすれば男子に絡まれる事も少なくなるよ〜?(ナデナデ)ま、今日は少なくとも基地内に居る時は太刀川さんといずみんが側に居てくれるから大丈夫大丈夫!(ナデナデ)」
「へぇ〜。……こりゃイイな〜。京介は元ウチの隊員でこの服もそつなく着こなしていたが、柚紀みたいな女子が着るとまた味があるな。…迅の意見無視して去年の内にヘッドハンティングすれば、コレが常に見れたって考えると…………勿体なかったかもな」
「た〜ち〜か〜わ〜さぁ〜ん?それは言わない約束でしょ?ってかそんな事を言うから……ほら!!柚紀ちゃんが隠れちゃったじゃないですかぁ〜!!!大丈夫、今からそんな事をしたら姐さんを筆頭に皆からの非難買うって分かってるからしないよ〜。だから出ておいでよ〜(チョイチョイ)」
結論から言えば【太刀川隊の隊服女子バージョンを柚紀に着させた】のだった。今は節約モードなので黒髪の柚紀には黒を基調としたコレが見事にマッチしていたりする。但し、本人の希望でアウターはタートルネックにしたりラインの色は緑にしたり、腕のエンブレム部分はボーダーを表すロゴのままにしてもらったり、女子らしさを出す為にボトムスはショートパンツにニーハイからのピンヒールブーツを採用されている。(ピンヒールで任務をする事に最初は難色を示した柚紀だが「トリオン体だし、黒歌姫モードの時もヒールで駆けていたのなら大丈夫だろ?」と太刀川に言われて渋々折れたと追記)そして、太刀川の意味深な視線や発言に警戒心を抱いた柚紀がソファー後ろに隠れたのを出水が手招きして呼び出して、三人並んだ所を国近が携帯で写真を撮った辺で、柚紀は出入り口のドアを一瞥する
『それにしましても、……いらっしゃいませんね。もう一人の方が。………ちゃんと任務の連絡、してますか?太刀川さん』
「ちゃんとしたぜ?今回は【サボればお前より色んな意味で上位互換な立ち位置に居る隊員と入れ替える】って、脅し文句付きでな。……歌姫は一応"今後スポンサーとなる企業の令嬢でどんな組織かを知る為に選考視察の為に入隊した"的な設定になっているだろ?だから彼奴も出鱈目だって流せない訳だ」
『…………来馬さんや、その人みたいに企業のご子息がボーダーみたいな活動をしているのに参加するのが珍しいですし、更には女の子がってのがもっと無いであろう事ですからね。で、……その人の名前は?ずっとちゃんとしたのを聞いた覚えがないですよ私。出水先輩ですら"お荷物くん"呼びですからね。後、彼のポジションとトリガー構成を知りたいです』
「あ、そう言えばそうだな。だけど彼奴はウチにコネ入隊で実力で入った訳じゃねぇし、スポンサーの息子だからって遠征行きも免除されててさ、正直あんま好きになれねぇんだ。あの性格含めてな(ん?……なんで柚紀ちゃんは来馬さんがスポンサーの御曹司って知ってるんだ?姐さんから聞いた?……いや、別にボーダーでやっていくのにそれは不必要な情報だし、何よりそう言う序列的なのはこの子はどちらかと言えば好まない筈。……なんだ?このモヤモヤ感は?この感じ…前にも何処かで………)」
出水が会話内容から"妙な違和感"を感じで考え込む姿に((……何か気になる事あるのか?))と、隊長らしく太刀川が説明を求める。とりあえず手短に思った事を同じく内部通話で伝えている間に、国近がタブレットを用いて彼の説明をする。……ポジション含めた必要情報を伝える為に。そしてお荷物くんの名前と顔を見た瞬間
『…………………………えっ?な、なんで、彼が?』
「えっ?どうかしたの柚紀ちゃん、もしかして唯我くんの事、知ってるの?」
- ウィーン -
「お、遅れてすみませんっ!?任務があるって同級生に話したら逆に興味を持たれて中々学校を出れなくてっ!!ま、まだ大丈夫ですよね?!この隊を辞めさせられたりしないですよね?!と、言うより………そもそも歌姫は今年入ったばかりの新人で、サポートメインの動きが得意と聞いています。ならば例えトリオン量が多かったり特殊な能力を持っていても前線で戦ったり使いこなせてなければ意味がない。なら先に入隊した僕の方が断然有能!!それにウチより格上の企業なんて早々な(ピタッ)………………ま、まさかっ!?き、き、君が、あの歌姫、なのかい?!あ、あり得ないっ!!?だって、君を……ご隠居様なら兎も角、あの"社長"がボーダーに入れるのを許可する訳がない!!!そもそも、何故この街に居るんだ?!君は三門市民じゃないのに!!?」
「………は??遅刻の件は良いとして唯我、……お前、ナニを言ってるんだ?社長とかご隠居とか、誰の事を指してるんだ?そもそも柚紀には叔母であるつる姐と、病弱で別居中の母親以外の家族は居ない筈だぞ?」
やっとやって来たお荷物くんこそ唯我尊の言動により場の空気が一変する。柚紀の実力を知っていない事は別に良いとしても、かなり意味深な発言に流石の太刀川も怪訝そうな表情を浮かべる。そして、"唯我の存在を視認し、この後に発せられる発言が何か"を察してしまった柚紀は顔を真っ青にさせ、タブレットを手放して耳を塞ぐ様にして後退りする。床に落ちる前に何とか出水がチャッチするが、国近同様に彼女の変貌した理由が分からずにいた。そして………
「だ、だって彼女は、かの有名な天童寺柚紀(てんどうじゆずき)嬢なんですよ!?義理とは言えどあの天童寺財閥の唯一の御令嬢で、現当主のご隠居の直系にして御曹司である現社長を差し置いて時期当主は彼女にするとご隠居自ら明言する程の、聡明で人格者の!!!………もしかして、あの噂は本当で、それを回避する為に、名や身分を偽ってボーダーに?……そ、それなら納得だ!!アレは僕的にも賛同出来ない内容だからね、うんうん!」