2.入隊の曲〜個性派揃い〜(157.
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結局昨日は色々あって基地で一泊した柚紀は朝から些か気分が下がり気味だが、朝食時に食堂のおば様達からのサービスでちょっとだけ気分が浮上する。そしていざ黒服のトリオン体に換装する際に、緊張し過ぎて何か大きな失敗をしそうな気がして言実の許可を貰い、早い時間から換装をして基地内をブラブラ。……その際に聞き覚えのある人と、そうでない人達の声が聞こえ興味本位でソチラに足を向け、見つけたのは
『あれ?……来馬さん??えっと、…こんにちわです。あの、…その方達って鈴鳴支部の方、ですか?にしても……以前訪ねた際にお会いした覚え、ないですが………』
「!?……久し振りだね柚紀ちゃん。最後に会ったのはクリスマスパーティー以来かな?えっと、……彼等は鈴鳴の人じゃないよ。その、……ボーダー入隊希望の一般の人なんだ」
『……………つまりは一般人の分類の方、ですよね?……大丈夫、何ですか?基地に入れて』
来馬が黒髪で印象が異なる二人を引き連れて居たのだ。そして柚紀の至極当然な発言に苦笑いを浮かべつつ「一応言実さんに許可を貰ったから大丈夫だよ」と話した上で、説明をする。曰く二人とも嵐山隊が進行を務めた大学のオープンキャンパスの動画を見てボーダーに入りたくなり、今日の入隊式には間に合わないがせめてどんな所かもっと知りたくて冬休みを利用して三門市を訪れ、電車の駅から一番最寄りの支部までタクシーで連れて行ってもらい鈴鳴支部を訪問し"基地内を見学出来ないか?"と直談判したのだ。普通なら断るがわざわざ遠方から来た二人を何もせずに帰すのは可哀想と思った来馬がダメ元で言実に相談したら『なら、お前が責任持って面倒を見るのを条件に基地内の見物を許可する。……丁度明日は入隊式だ。見るモノには困らぬだろう』と言われたのだ。……相変わらずな叔母の対応に苦笑いを浮かべていると……少し厳つい方の男子が話に参加し始める
「いや〜ダメ元やったんだけど、以外と融通聞いてくれてホンマ感謝やわ。因みに……君もボーダー隊員なん?」
『あ、……はい、まぁ………今日から正式に、ですが。えっと……………………鶴ヶ峰柚紀です(ペコリ)』
「……あれ?鶴ヶ峰って言いますと、もしかして俺達のワガママを聞いて下さった…」
「そ。言実さんは柚紀ちゃんの保護者だよ。因みに関係性は叔母と姪で、見た目的には年の離れた姉妹にも見えるけど………彼女に何かあったら容赦ないから、一応気をつけてね?」
ありきたりな質問には何とか答えたが、話題がないのでとりあえず挨拶をする柚紀。その苗字からどうやら既に言実とは面識があるらしく、烏丸並にイケメンな男子が二人の繋がりを察し、柚紀の対人…異性に対する懸念事項を考慮して来馬がさり気なく牽制しておく。そして厳つい男子……生駒達人に「有り難や〜」と何故か拝まれついでに名乗りを上げ、イケメンな男子……隠岐孝二には「よろしゅうな〜」と挨拶ついでに頭を撫でられる。……ちょっぴり戸惑いを抱くが嫌じゃないので暫くそのまま穏やかな雰囲気が流れ、来馬"は"安心して見守っていたが………
- タタタタタタタタ……ガシッ!? -
「……誰だアンタ。誰の許可を得て俺のダチに気安く触っていやがるんだ?あ"っ!?!(キリ、ミシミシッ)」
『に、にゃうあぁー!!?ふ、フブキ落ち着いてっ!?隠岐先輩、生身!貴女、トリオン体!!ってかオト!その音はヤバイから離して〜!!!』
「………………何で野郎の方じゃなくてユズが焦っているんだよ、ったく!(…パッ)……言っておくが謝らないからな俺は。悪い事したつもりはねぇもん」
「アハハ、……野々村ちゃんらしいね。とりあえず隠岐くんは少しでも手首に違和感を感じたら遠慮せずに言ってよ?…見た目こそアレだけど、今の彼女は戦闘用の……変身した状態で、握力とか含めて身体機能が向上しているんだ。だから女性だからとか甘い考えを持っていると後で後悔するだろうから、絶対に無茶したら駄目だよ?」
「…………………もしかしなくても君、女の子なん?(ジーー)…………どこら辺が???」
柚紀を気にして今日も基地に来ていたフブキとエンカウントし、見知らぬ男子に触られている親友を見つけるな否や早速牽制と警告をする。その方法に焦る柚紀と、フブキらしいと苦笑いしつつ隠岐を気遣う来馬。そして……黒服トリオン体なだけあって見た目が剣術男子のソレであるフブキの性別を本気で疑う生駒に対して、流石に腹が立ったのか斬ろうとするフブキをトリオン体二人掛かりで止めて事なきを得たのであった
そして再び名乗りタイムを取った後に、そろそろ頃合いと入隊式が行われる会場へ歩き出す面々。その際に部外者の二人に関する説明を受けたフブキが、……些か難しい表情を浮かべる
「つる姐の許可が降りてるなら確かに大丈夫そうだが、………私服の二人が今日入隊するユズに気安く話す姿を同じく新人であるC級に見せるのってかなり目立つから良くねぇ気がするぞ俺は。既に所属している隊員はその辺りの事情に精通してるが、…………"見た目だけでも"それっぽくすれば何とかなるか?そんな訳で、ちょっと細工してから会場に行くから二人は先に行っててくれ」
『………あまり無茶な要望出して言実さんやシロを困らせないでね?……行きましょうか来馬さん』
「う、うん。……僕は入口前に居るから出来るだけ早く来てくれると助かる、かな?」
了承したとは言えど自分が会場に居る場違い感が否めない来馬は"居る明白な理由"の二人が早く戻るのを願いつつ…式に遅れるのもよくのないので柚紀と二人で先へ進む。その際に鈴鳴メンバーの話や日常会話を楽しくしていると、あっと言う間に会場前に到着すれば、呼吸を整えて中に入って行く柚紀を「いってらっしゃい」と見送る来馬に『い、行ってきます』と返事を返して前を見据えるのであった