16.音合わせの曲(171.
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『……何でもアリ?つまりは"トリガーを用いらない攻撃をしてもOK"で大丈夫ですか?』
「おぅ、問題ねぇぞ!?ってかトリガーなしでトリオン体に負傷を負わせるのって無理っぽくね?ナニする気だ?」
『ん〜、……それは手合わせしてからのお楽しみで!!(クイー、キュキュ!)(………さっきのテストで体は温まってるから最初から全力でイケそうだけど、コレも言実さんの計算通りなんだろうな〜)あ、時間制限ありますか?』
『そうだな……一曲の目安が3分から5分故に、その範囲内で決着を付けろ。過ぎれば自動的にお前の負けとする。…構わないか?』
軽くストレッチしながら内容確認する柚紀を離れた場所から見守るギャラリー達は木虎以外"つまりは三輪隊との時みたいな感じになる"と予想する。そして色々準備を終えて更に身軽になる為にとアウターを言実に預けて対峙する二人を一瞥後『それでは……始め』と合図を出した瞬間
- シュン!……ガシッ!! -
「っぶねぇ〜!いきなり"目潰し"とかエゲツねぇ事をしようとしたなお前。(パッ!)だが、なんで初手でそれをしようとした?」
『(ズサー)だってオペ支援なしなら太刀川さんは"普通"でしょ?なら、視覚を潰すのが一番有効かなって。これでフブキや菊地原くんみたいに感覚や聴覚で察知する芸当があるなら話は変わりますが、ね?』
「ま、一理あるな。(つまりは素手…格闘技で俺と殺り合う気か?)……面白ぇ、意地でもトリガー使わせてやるよっ!!(ダッ!!)」
サイドエフェクトで身体機能を底上げして一気に距離を詰めた柚紀が抜刀させる暇も無く、いきなり両目を指で突き刺しに掛かる。それを手首を掴んで阻止した太刀川も流石に焦りの表情を浮かべたが"相手のペースを崩す"為にもとこちらも交戦に出る。そして今度は絶妙な間合いから太刀川が弧月による腹部を狙った横一線を繰り出す。が……
- ガキィーーン!!……キリ、キリキリッ… -
「チョッ?!えっ??!……あれ、どうなってるの??この角度だと綺麗に太刀川さんの一撃、入ってねぇか???」
「あ〜、ちょっと待って下さい。見てくるんで(テクテクテク…)お〜、見事な神業だな〜こりゃ。太腿と…肘になるのか?それが上手く弧月を挟んでる感じで、簡単に言えば"白刃取り"の応用編か?……俺、苦手だからあんな風に出来るユズを素直に賞賛するぜ、本当にさ」
「……柚紀さんの動体視力と度胸があってこその荒業、かな?と言うより普通はそんな事をする必要がないからね」
出水の疑問をフブキが位置を変えて状況を確認し、器用に太刀川からの一撃を防いだ柚紀のテクニックが時枝の追加解説されている最中も、力とチカラが拮抗していて身動きが取れずに居たが、太刀川が二振り目を抜こうとしたのを見て、……驚くべき行動を彼女が取る。それは…
- スッ……ブンッ!!パキィーーン!!! -
「…………………へっ?こ、こ、ここココ…弧月がへし折られたぁーー?!!それも素手と言うかグーパンチで!??えっ?えっ??そんなの可能なの??!?」
「佐鳥ウルセェ!!?……ま、出来なく無いだろ?アレにだって耐久はちゃんとあるし、スコーピオンに比べて強度があるからから、弧月が負けるなんて場面は滅多にねぇ。が、……素手で破壊は幾ら何でも無理じゃね?レイジさんみたいに鍛えているなら、話は変わるが」
「……恐らくサイドエフェクトによる強化、なのは分かりますが不可視のトリオンを扱われてしまうと何処を強化しているか見分けるのも一苦労ですねコレ」
『フム、……なら今回だけ特別に"如何に柚紀がトリオンを操作しているか"を視認出来る様にしてやろう。………シロ、ヒナ、頼む』
まさかの行動に佐鳥程ではないがギャラリー全員が驚いていた。が、確かに弧月だって破損・破壊が出来ない訳ではないが、実際にやった人が今まで居なかったのも事実であり、それが柚紀のサイドエフェクトがあってこそなのも理解は出来る。しかし、一見見た目がごく普通の少女がそれを成した事にはやはり違和感が拭えない様子。そんな意見を聞いて、理解しやすくする為に言実がひと手間を掛ける。すると人数分の映画館等で見かける3Dメガネが出現。❲それを着ければ不可視のトリオンも視認出来るよ〜❳と巽からアナウンスが入る。そしてそれを着用して改めて柚紀とを見れば……
- モヤァ〜ン -
「あ、トリオン体だから太刀川さんもうっすら全身にトリオンを纏う感じになるのか。で、柚紀ちゃんの場合は更に纏う量が増えているのと……"手元と足全体に目の部分がかなりトリオンが集中"している感じだね。(スチャッ)つまりはそこを重点的に強化している、そう言う訳ですか?姐さん」
『あぁ。足は素早く動くには足元のみを強化しても意味がないからであり、目は相手の動きを見極める動体視力の強化、手が腕まで強化されてないのは…(- ガキィーン!! -)……あーやって防御するにしても手の甲や掌のみで対処が出来るからだ。……ガントレット、手甲を身に着けているイメージを恐らく柚紀はしておるのだろう』
「…………俺の知り合いに体術を極めた人が居て、その人が武器持ちと互角に殺り合っている場面は見た事あるが……ユズがそれをするとかスゲェなぁ〜。まぁ、あくまでもサイドエフェクトありきってのは分かるけどよ〜………これを見ればそりゃ俺の攻撃が簡単に当たらねぇ訳だ」
シールドやグラスホッパーも使わず、ほぼ【サイドエフェクトによる身体強化のみ】で太刀川と互角に渡り合っている柚紀を見て思わず感心するフブキは悔しそうな様子は一切無かった。この潔さが彼女の利点である事は置いておくとして、中々決定打は愚か一撃すら与えられていない状態で互いに距離を取ったかに思えば言実に預けていた上着を柚紀は再度着用。その意図を太刀川が問えば
『(パサッ!)ん〜っとですね〜、……近接戦をやるにしてはこの裾が邪魔になると思ったからです!(パサパサパサ!)でも、……そろそろ制限時間も半分位しかないので…(キイィーン)……攻め手を変えます。本来なら"有り得ない弾の動き"になりますが、そこはサイドエフェクトによるものとご理解下さい。それでは………"開演します"』
- ザアァァァァァー -