新春の舞踊
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それから明日以降の打ち合わせをして昼食を食べた後にその場で解散となった。柚紀は祭事に参加する身となったので精神統一やら身を清める必要があるのでそのまま部屋に籠もる事となり、フブキは参加するつもりもなかった舞手護衛の件を師範に話をつけなければならなくなったのでそのまま道場に趣き、迅は暗躍に勤しみ、言実と忍田は本部で任務のシフト調整に行き残った嵐山達は渋々帰路についていた
「あ〜あ、上手く行けば柚紀の手作りお節料理食べれるかな〜って期待してたんだけどな〜。……それもこれも月様が我慢しないのが悪い〜!!………二人は必ず約束を守るって知らない訳じゃないでしょう?!もう〜!!!」
「佐鳥、……相手は一応カミサマなんだからそんな悪口言ったら天罰が当たるよ?……それにしても、野々村が扱う流派を覚えれば柚紀さんが暴走した際の力の奔流も無効化出来るのかな?もしそうなら……「その可能性はあるが、生身で免許皆伝は一朝一夕で出来るモノじゃない。今から初めるのはオススメしないな俺は」!!……風間さん、何故そんな所に?」
「それも気になるけど先ずは……明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします!!(ペコッ)っと!よし、ちゃんと新年の挨拶をした事だし………で、新年早々こんな所でナニをしているんですか?」
二人の帰り道に何故か風間が待ち構えていた。そして挨拶もそこそこに寒い中立ち止まるのも体に堪えるので、歩きながら話す事に
「ついさっきまで野々村が通う道場の稽古に参加して来た。ま、剣術でなく"初心者入門編である体術の"だがな。鶴ヶ峰は簡単な護身術の一環に習っていたと言っていたが………アレが基礎と言うのなら野々村の驚異的な強さにも納得が行くし、あれだけ鶴ヶ峰が回避に優れていたのも当たり前だ。体術の免許皆伝方が"一定時間、四方から襲い来る相手の攻撃を回避若しくは捌いて捕まらない事"で、これが皆伝後も継続的に続く。……多忙なお前達が合間を見て会得しても中途半端になり、あまり良くないと俺は思う。着眼点は悪くないがな」
「ん〜………風音ちゃんはずっと続けているから苦じゃなさそうだし、あれだけの実力を身に着けている事を考えても…………確かに向かなそうですね。特に佐鳥はスナイパーですから回避が優れてもあまり意味がなさそうだし。……………でもなぁ〜」
「【三度鶴ヶ峰が暴走した際に迅や言実さんがその場に居合せなかった際の対処法を考えるべき】……そんな事を思っているのだろう?…お前達だってアイツのトラウマのタネは大分分かって来た筈だ。ならばそれを回避する様に心掛ければ良いだけだ。………まだ判明していない事もあるがな」
「……………【柚紀さんが以前住んでいた場所やそこでの思い出を頑なに話さない理由】ですか?一部はそれこそ嫌な思い出による記憶の忘却だとしても、此処数年の話は全くしません。……割り切れている内容なら"トラウマ級の事でも"苦もなくおれ達に話してくれますが、全てでは無いのは確かです。本当に経験していないだけなのか、それとも……」
「…………鶴ヶ峰にとっては"平凡な日々こそ苦痛でしかなかった"のかもな。……寺島からの報告によれば記憶処置を施された後に除隊した元隊員は何処か虚無感を抱いたまま生活を送っているらしい。ただボーダーに所属していただけを理由に無闇に記憶を弄るべきではないと、年末の会議にて議論されたらしい。幼い頃の鶴ヶ峰が"どれだけ世間とは違う生活をしていたか"分からない以上、推測しか出来ないがな。で、………今回はナニをやらかしたんだ?後…………月様って誰だ??」
風間の話を聞く限り、確かに無理な気がした佐鳥はあっさり諦める一方で時枝がそうするべきかと悩んでいた理由を風間が言い当てる。そして【未然に防ぐ方に重きを置き、見知らぬ事を今から憂いでも仕方ない】と話を纏めた所で話題を今日の事に切り替える。これに対して二人は顔を見合わせた後に【初詣で出向いた神社でマナー違反なファンに遭遇して境内が騒然となり、着物で身動きが制限されていた柚紀が転倒しかけた際にバイトの巫女さんが庇ってくれたのだが、代わりに彼女が負傷してしまい、あろう事か彼女が明後日に公開される神楽を舞う舞手さんで代理を今から見つけるのも難しいので、仕方なく踊れる柚紀が代役を引き受ける事になった。因みに月様は神社に鎮座している狛犬みたいな風貌の雄犬で地元の人からは"神様の使い"として愛されているが女性が好きで、以前食べた二人合作の料理が美味しくてお気に入りとなり、近くに男子がいると機嫌が悪くなり周りの子達に被害が出るかも知れないから渋々帰路についた】と、一部真実を伏せて説明をする。……風間が神を信じるかかなり微妙だったので。それを聞いて「鶴ヶ峰が舞うのならコチラからも露払いを派遣する必要がありそうだな。………情報提供感謝する」と礼を述べて一人去っていく風間を見送り、見えなくなってから互いにため息を漏らす
「………大丈夫かな?」
「どうだろうね。風間さんって何処か抜けてる所があるとか菊地原言ってたから信じてくれたかも知れないけど、気になれば言実さん辺りに聞くだろうし……おれ達は帰ろっか。明日言実さんから頼まれた事をする為にも、早く休む必要ありそうだからね」
「そうだね。ってか少し前に話した"アキラさん"にまさかこんな形で対面するとは思ってなかったな〜。……他にも柚紀が大丈夫な顔見知りの助っ人を呼ぶとか言ってたけど、……どんな人が来るのかな?可能性的には諏訪さんみたいな人な気もするけど、こればかりは会ってみないと分からないもんね〜」
ひと仕事を終えた二人は明日に備えてそのまま歩みを再開する。因みに言実から頼まれた内容は【祭事に必要な人材を数人、朝イチでコチラに来る様に手配した。そこで二人は彼らを出迎えて神社に案内をして欲しい】との事である。ただ、名前も身体的特徴も説明されず"行けば分かる"としか言われなかった。……アキラ氏が来るのは柚紀がそう言ったからコレは確定事項だろうと察しているが、残り何人が来るのかすら知らないが……とりあえず今出来る事をしようと考える二人であった