初詣の舞踊
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年も明けた1月2日。元日は皆家族と過ごしたいであろうと考えたり神社が混みそうな点を考慮して、初詣を一日ずらして行く事となった。因みに柚紀と嵐山隊以外にもシロとフブキも一緒に行く事が途中で追加決定されていた。主な理由がクリスマスパーティーに二人が参加しなかったのと、……"月様"の事を知っているからだ。後者に関してはコチラが"敵地に向かう"に等しい状況なので、何か遭った時の為でもある
その月様の事を知らない綾辻に半信半疑な説明をしながら嵐山隊御一行は柚紀のマンション……ではなく、お婆ちゃん先生の自宅兼お店に向かっていた。理由は【柚紀が提案した例のウェブ番組案が採用されてしまい、"お正月らしい服装"にしようとメディア担当の面々から打診され女子はその際に着る晴れ着選び及び着付けを習い、ついでにそのまま初詣に行こう】的な話に纏まり、着物レンタルもお婆ちゃん先生はやっているらしくお言葉に甘えて急遽借りる事になったのだ。そして自宅の玄関の戸の立て付けは相変わらず悪くて出入りが不可能なので、お店側から入る事に。……冬は流石に縁側から"人の出入りは"止めているらしい
- ……ガラガラガラ〜…………ムクリ -
「おっ!?ユウも冬はコッチで番犬しているんだな!(スッ、ナデナデナデ)今年も先生や柚紀ちゃんを頼むぞ?(- ワン!! -)」
「あら、この子が優秀な番犬の優一郎くんですか?以前皆で来た時はコチラに居なかったから私はハジメマシテですが、……皆も?(スッ、ナデナデ)」
「……………いえ違います綾辻先輩。確かに私はコチラに来たのは皆さんとお茶をした以来ですが、例の"月様電話騒動"時にこの子は先生と一緒にその場に居ましたので。それにしても………このまま店奥に行っても大丈夫なのでしょうか?先生か……柚紀先輩が来るのをお待ちするべきですかね?」
- キャンキャン、キャンキャン……はいはい、今行くから待って! -
「!?……その心配はないみたいだよ」
店内を二、三歩進んだ先にユウとゲンが夏の玄関先みたいに寝転んでお仕事に勤しんでいた。が、人当たりの良いユウは先頭の嵐山にも懐いているらしく姿を見ると起き上がり尻尾を振って歓迎モードとなり、犬好きの嵐山もユウとスキンシップを取る。一方でユウとは初対面の綾辻も嵐山に習って頭を撫でながら三人も同じかと訊ねれば木虎が"否"と答え、何処で会ったかを明白にする。そして、室内にはこの二匹しかおらず呼び鈴らしいのもないこの状況をどうするか考えていると、………店奥から犬の鳴き声と人の声を聞き取った佐鳥が"それは杞憂"と言って、視線をドアに向けたその時…
- …ガラガラー……キャンキャン!ワン!!……ミィー、………ペタペタ -
『ふふっ。貴方達本当に嵐山さん達が好きね、どうしてお店に来る前から分かっちゃうのかしら?(……ペタペタ、ペタペタ)……メッセージでも送りましたが改めまして…明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い申し上げます(ペコッ……ジャラン)』
「(ナデナデ、スクッ)明けましておめでとう柚紀ちゃん!こちらこそ宜しく頼む!!にしても……そうやってちゃんとした和装は初めて見るな俺!以前のコスプレや喫茶店の時の羽織っただけでも十分綺麗で似合っていたが、……うん!やっぱり女の子はこうでなきゃな!!!でも何で先に着替えたんだ?木虎達と一緒にって聞いたが??」
『あ〜、……実はシロも着付けが出来るのでお手伝いをお願いしていたんですが、来る途中で予想外な"接触事故"のせいでその…ダウンしちゃって。……あっ!!相手は車じゃなくて人なので外傷はないのですが、………相手が酔っ払いで思いっきり手を掴まれちゃって…』
「………もしかして、サイドエフェクトの影響ですか?確か直接皮膚に触れられなければそこまで受信しないと聞きましたが、…今日はあまり寒くないのでシロ先輩"手袋"をされていなかったのですか?」
『うん正解。……シロはそこまで寒がりじゃないのと、自宅であの子は着付けしてきたから……和装に手袋は合わないって思ったんだと思う。って、こんな長話している暇じゃないね!(…クルッ、ジャラン)奥にどうぞ。着付けの用意は出来てるので、先ず二人は着物を選ぶ所からだね。で、嵐山さん達はその間は居間で待ってて下さい。場所はこの子達が知ってますから……三人をお願いね?』
- わん!ワン!キャンキャン! -
彼等に何処か似ている犬猫達に導かれるかの様に、既に髪や化粧を含めて身支度を整えた柚紀がお出迎えに現れ新年の挨拶をする。それを勇犬を撫でて立ち上がった嵐山が返事を返して衣装含めた今の姿を褒める傍ら、その姿で既に居る理由を問う。それに対しての答えを聞いて木虎や綾辻も納得。……数日後の番組撮影時はお婆ちゃん先生を本部にお呼び出来ない以上、ある程度の着付けを自分達でこなさないといけないので先生とシロによるマンツーマンレッスンを予定していたのだ。……柚紀は一人で着れるが相手に着付けるとなると少し勝手が違うので、先生役を一度は辞退したのだが今回は仕方なく引き受ける事に。そしてそれら含めて時間が掛かるので移動を促し女子達が先に奥へと消えて行く。それを見送った嵐山は………一言も発しない部下二人に声を掛ける
「賢、充、俺達も行くぞ。………(クスッ)…綺麗な柚紀ちゃんに見惚れていたのは分かるが、そんなんじゃ先が思いやられるぞ?迅曰く【巽さんが何か理由を付けては柚紀ちゃんに今後もコスプレさせる未来が視える】らしいからな。……少しは気構えておく様に」
「「……了解です」」
クリスマスの…ホームパーティー時は化粧をしておらず、今回みたいなきっちりおめかしをしていたのは夏の歓迎会以来。(大学のアレは"変装"だったので二人の中ではノーカウント扱い)……心の準備が出来ておらず二人は珍しく見惚れてしまっていたのだ。今回は時間も無いのでさっさと話を切り上げて行動を開始したが、今後はそうとは限らない。なので軽く忠告を嵐山から受けた所でやっと動き出す二人だが、………暫くは顔の熱が冷めないだろう。惚れた相手は通常以上に輝いてたり…可愛く見えるモノだ、それが何時もと違う服装なら尚更である