後夜祭の舞踊
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「………大丈夫かい柚紀"くん"。君へのクリスマスプレゼントを言実くん経由で渡そうと帰宅する時間帯にラボを訪ねたら"自分で渡せば良い"と言われたに加えて【陽菜くんの誘いを断れないから、部屋に戻るまで体調が優れない君の側に居てくれ】と頼まれたのだが……」
『わざわざご足労頂き、すみません"忍田さん"。後……まさかあの時声を掛けてくれた貴女が"忍田さんと知り合い"だったのは驚きでした。…………あ、まだ名乗ってなかったですね、私は…』
「鶴ヶ峰柚紀さん、ですよね?忍田から話は聞いてますよ。昔世話になった方の私と同じ歳の娘さんがボーダーに最近出入りしている事や、それもあの言実さんの姪で"苗字も一緒"だと。……私もちゃんと名乗っていませんでしたね、忍田瑠花と申します。あの時は直ぐに"迅"が来て連れて行かれたからちゃんと話が出来なくて、そのまま執務室に行って忍田に問いただしました。迅に【貴女の事は忍田に聞け】と言われたので」
「あ〜、……あの時か?例のテロ騒動の後始末やらの仕事に追われて、まだあるとか言って全然休もうとしない忍田さんを止める為に瑠花が姐さんに頼まれてお説教した日の!!っと、それより……忍田さんも柚紀もそろそろ色々二人にも説明したらどうですか?完全に置いてけぼり状態だぜ?」
"太刀川"に指摘され色々思考が追い付いていない佐鳥達を見て、謝罪をした後に1から順番に柚紀を中心に説明をする。瑠花は"ボーダーには所属してないが、言実にとっての柚紀みたいな存在"らしく無茶をする忍田のストッパー的な存在で、基地内への出入りを許可されているらしい。そして彼女がたまたま訪れた際に、気ままに基地内を探索して迷子になっていた柚紀に遭遇。瑠花曰く【不安げで泣きそうにしていたから声を掛けた】との事。因みに何故それを太刀川が知っているかと言うと言実の指示で"気分転換に忍田をランク戦に誘え"と言われて執務室をタイミング良く訪れていたからである。(今日は昨日のパーティーで柚紀を構ってやれなかったから拗ねてないかを言実に聞く為にラボを訪ねた……のは口実で、言実お手製の晩御飯のご相伴に預かれないかを期待していたり、してなかったり)
説明が済み安堵したのも束の間、忍田の訪問に驚きのあまりに"薬と暗示が切れてしまい"痛みが復活して横なるのを余儀なくされた柚紀を同性の瑠花が介抱にあたる。………やはり異性にはあまりこの手の事を話しづらいのと、処方可能な薬では痛みがあまり引かなかったらしく能力を使って抑え込んでいたのだ。それらをタブレットを用いて説明をされて瑠花は考える仕草を取る。………サイドエフェクトを話して良いか分からなかったので、そこは省いてであるが
「……薬を飲むにしても、何か食べてからにしなきゃ駄目よね。かと言っても他人様の冷蔵庫を勝手に拝借して良いのかしら?一応言実さんにキッチン使用許可は頂いてますが、……慶が持っていた中身は恐らく体調が悪い柚紀には良くないし」
【あ、今日はお鍋にする予定で具材は既に切って冷蔵庫に入ってます。ご飯も炊けているし、おかずが足りないなら刺身がチルド室に入ってますし、野菜を使ってサラダを作っても構いませんよ?……でもこの人数分はないから追加で材料を調達(- ピンポ~ン -)……誰か、来た?言実さんは何も言ってないし、私も連絡受けてないよ??(・・???】
「………(クルッ)慶、訪問者は誰ですか?」
状況把握からの対処法の模索や事前準備をしたが明らかに不足しているのに女子二人が困っていると再び来訪者を報せるチャイム音が鳴る。この場所を知るのはボーダーでも一握りであり、住人である柚紀も知らないとなれば……男性陣が警戒心を纏う。そして指名された太刀川が訪問者を確認すれば「おっ?(ガチャッ)……お〜お前達か〜。今開けてやるよ〜」と質問に答えることなくリビングを出て行く。そして戻って来た太刀川の後ろに居たのは………
「どうも!実力派エリートです!!柚紀ちゃんが困っている未来が視えたから助けに来たよ〜。後……君達に会いたがってる子達の引率者も兼ねてね」
- トテトテ、トテトテ………クゥ~ン……ガゥ -
『(……サワサワ)…久し振りだね、ユウくんにゲン。もうすっかり怪我も完治したみたいで良かったよ。それと……(キャンキャン、ミー……ニャウ、ミャ~)……なずなと特に仲の良い子達も来てるみたいだね。………迅さんは、…平気ですか?』
「ん?(スッ)…………もしかして"自分が体調を崩した影響が俺に及ばないか"を懸念してた?(ナデナデ)大丈夫だよ柚紀ちゃん、今回は肉体的な要因で体調が優れないって分かっているでしょ?もし今後影響が出るとしたら君が"精神的に不安定になったら"だ。(ナデナデ)前までは持病を周囲に理解されていなかったも原因だけど静樹さんの事とか自分の不安定な立場を気にしてて余裕が無かったから、影響が出ていた。でも今は(ナデナデ、ポン)…皆が居るから平気でしょ?」
「………鶴ヶ峰を甘やかしたい気持ちは分かりますが迅さん、(…カサッ)鍋を作るにしても色々準備が要りますから手伝って下さい。"あのメンバーに包丁を持たせるのは危なっかしい"とか言って俺を調理係に無理矢理引っ張ってきたのは貴方ですよ?……悪いが鶴ヶ峰色々借りるぞ(スタスタスタ…)」
「ん?この人数で鍋となると、高い所にある大きいのを出す必要があるから私も手伝おう。収納場所は知っているし、コンロもあった方が良いだろう。………あ、時枝や佐鳥は彼等を見ていてくれ。慶も自分が出来る事を見つけて何かしてくれよ、前にも言ったが働かざる者食うべからずだ」
新たな訪問者である迅(+犬猫各三匹)の登場ににより一気に場の空気が和やかなものに変わったのは良いが、荷物運び兼雑用係に呼ばれた烏丸の発言により晩御飯の準備に取り掛かる。が、瑠花は柚紀の看護、佐鳥達は動物達の面倒を任され、忍田も率先して手伝う中で太刀川は…………とりあえずテーブルを拭いたり隅にあった座布団を人数分用意したり、雑用に勤しむのであった