後夜祭の舞踊
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楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、外が暗くなり始め二羽が部屋に戻ってしまった後、柚紀の携帯に言実からの電話が入る。そして"スピーカーにしろ"と言われ二人にも聞こえる様にすると
《済まない柚紀、定時で帰ろうとしたのだがヒナに捕まってオペレーター陣と飲みに行く事になった。……彼女達だけならお前が調子悪いのを理由に断れたのだが、あろう事かエンジニアのバカ達が便乗してきてな。……流石にナニか遭っては一大事になる故に引率する事にした。出来るだけ早く帰るが、それまで一人で平気か?》
『えっと、……平気、だよ?帰りが遅くなるのだってたまーにあったし、今はなずなやスミレが居る。………一人、じゃないから大丈夫だよ言実さん』
《と、柚紀は言ったが二人から見ても今の柚紀を一人にさせて問題なさそうか?》
「ん〜………正直言って今にも泣きそうな顔をしてるし…………服の裾掴まれてる。流石にこの手を振り解いたり寂しそうにしている柚紀ちゃんをオレは一人にさせたくないよ〜〜おつるちゃ〜ん。でも飲み会って一次会でも大体二時間位だよね?…そんな時間まで此処に居れるか、………ちょっとビミョー」
「それに具合が悪くなってからずっとソファーに横になってて、今も普通に座るのもままならない状況です。……薬を飲んで幾らか良くはなりましたが、少し前までは話すのも無理で久し振りにタブレットによる意思疎通をしてました。おれも彼女を放っておくのは無理です。ですが、佐鳥が懸念している事はおれにも当て嵌まります。……せめて"大人の誰かか、嵐山さんみたいに親も信頼出来る人が同伴なら"………そこまで気にしないのですが」
今まで中学生にしては遅い時間に帰宅しても"ボーダーの仕事や責務"の免罪符や"信頼に置ける嵐山の存在"があってこそ、親は特に何も言ったりはしてこない。たが今日は完全オフの日であり、柚紀の事は話題程度に話したりもしたが"自分にとって特別な子"とは明言していない。もし話していても"二人じゃなければ駄目な決定打"が今はまだないのが現状であり、"柚紀と会った事も会わせる機会がない"……まだその域に達していないのだから
そんな複雑な心境や状況を言実も分かっているらしく、電話先で"トントンと電話を叩く音のみ聞こえており"言葉を発しようとしない。コレがどう言う状態か分からず二人とも柚紀に視線を向ければ『電話している時に考察モードに入っているのを相手に伝える合図、……一種の癖かな?』と、感情表現が苦手な言実が発する"警告と同類のモノ"と二人が納得した所で《……仕方ないな》と、何か打開策を閃いたらしく何かを話し始める
《オフの嵐山を呼び出すのも忍びない故に、"それなりに頼り甲斐のある二人より年上の者"を派遣する。丁度身近に女子が居るし柚紀とも面識があるのと、……そのマンションの場所を知っても問題ないボーダー関係者だ。その二人が行くまで柚紀の側に居てやれ。……長居をしたいなら派遣した者を説得させてみろ、その位の交渉術を身に着けなければ"今後大変なのはお前達だと肝に銘じる事"だな……………そろそろヒナが呼びに来るから切るぞ(プツ……ツーツーツー…)》
『………………(…パッ、コロン)……何で、言実さんに言っちゃうのさ色々。今までだって、あの人にギリギリまで頼れない、……頼らない様にしていた事、何度もあったもん。……大切な時間を私のせいで無駄にしたくないし、させたくないから。これ以上、私のせいで、人生を棒に振らせたく、ないの。お父さんが居なくなって、里を出てからだって……何かと面倒を掛けっぱなしで…………だから、一人で寂しかったり、嫌な事があったり、辛いことがあっても……ずっと一人で頑張ってきた。どんな事があっても、"寝てしまえば"大抵の事は、何とかなった。だから、二人が帰っても、平気……だと思ったのに(…ヒック)何で、側に、居てくれるの?』
「(ナデナデ)……馬鹿は風邪を引かないとか言うけど佐鳥だって風邪を引くし、体調が悪くて身体が上手く動かせないとかダルかったり辛く感じる時ってさ、……人は誰だって誰かに頼りたくなったり甘えたくなるよ?(ナデナデ)佐鳥もそうです?!だからさ、…柚紀も素直に言っていいんだよ?一人になりたくないとか、側に居てって!!」
「(……ストン)ま、柚紀さんは自分の気持ちを吐き出せない事がまだまだあるから、いきなりは難しいかも知れない。でも、……おれ達に遠慮しなくて良いんだよ?駄目な事や嫌ならちゃんと意思表示するから平気。寧ろ…………君の事なら何でも知りたいよ?まだまだ知らない事ばかりだからさ」
「オレもオレも!!」
言実との通話が終わると拗ねたかの様に二人に背を向けて愚痴をこぼす柚紀。だが徐々に声音が涙声になっていく。……佐鳥が言った通り、具合が悪い時程一人は心細く感じるのもだが、この少女は孤独が一番嫌うのを二人も知っている。たがまだまだ知らない事ばかりなのも、今まで我慢癖と最近になって素直に感情に吐き出す事の板挟み……感情のコントロールもまだまだで、言実に依存しない様に自立しようとずっと頑張ってきた点や、特別な二人に何処まで甘えて良いか分からないと柚紀は口にする。それは電話時と今の発言が食い違っている事から二人は察する。…………なので、何度も自分の気持ちや考えを言おうと己自身で各自決めたのだ。時枝の場合は今みたいに"距離を縮める"的な行動も心掛けている。そうすれば柚紀は必ず答えてくれるし、少しずつ学習して身に付けれる。……それが二人が知る鶴ヶ峰柚紀と言う少女なのだから
さて、少し恥ずかしいが自分だけ横になったままは"行儀が悪い"と思い、ちゃんとソファーに座り一日オフで部屋から持ってきていた緑の星型クッションを抱き抱え二人をチラ見しつつ"訪問者と同伴者は誰だ?"と話し合う。推測ポイントは
・男性の方は少なくとも嵐山と同じ歳かそれ以上の人物で、柚紀と知り合いであり言実との信頼関係は良好
・側に女子が居ても不思議じゃない人であり、下手したら二人ともマンションに来るのが初めての可能性もあり
それらを当て嵌まる人物候補として諏訪を筆頭に太刀川や木崎に、後は何故か来馬の名が上がる。他にも知り合いの隊長達では?(那須以外で、同伴者候補も各隊のオペレーター。但し二宮は何故か加古)の意見が出た。……迅の名が出なかった理由は、具合が悪い時に"サイドエフェクト持ち"が側に居たら影響が未知数な事や、候補に上がらなかった人とそこまで信頼関係を築けて居ないと柚紀が認識していない点に加え【頼りになる存在=隊長ポジション】と【ある程度同伴者と一緒に居るイメージが柚紀にはない】人は自然と除外されていた。来馬の場合は少し特殊扱いだが説明は割愛
そんな事を話していると訪問者を報せるチャイムが鳴り、インターホンで相手を見た二人は……驚きや戸惑いつつとりあえず招き入れる為に玄関に移動をする。その相手とは……
《済まない柚紀、定時で帰ろうとしたのだがヒナに捕まってオペレーター陣と飲みに行く事になった。……彼女達だけならお前が調子悪いのを理由に断れたのだが、あろう事かエンジニアのバカ達が便乗してきてな。……流石にナニか遭っては一大事になる故に引率する事にした。出来るだけ早く帰るが、それまで一人で平気か?》
『えっと、……平気、だよ?帰りが遅くなるのだってたまーにあったし、今はなずなやスミレが居る。………一人、じゃないから大丈夫だよ言実さん』
《と、柚紀は言ったが二人から見ても今の柚紀を一人にさせて問題なさそうか?》
「ん〜………正直言って今にも泣きそうな顔をしてるし…………服の裾掴まれてる。流石にこの手を振り解いたり寂しそうにしている柚紀ちゃんをオレは一人にさせたくないよ〜〜おつるちゃ〜ん。でも飲み会って一次会でも大体二時間位だよね?…そんな時間まで此処に居れるか、………ちょっとビミョー」
「それに具合が悪くなってからずっとソファーに横になってて、今も普通に座るのもままならない状況です。……薬を飲んで幾らか良くはなりましたが、少し前までは話すのも無理で久し振りにタブレットによる意思疎通をしてました。おれも彼女を放っておくのは無理です。ですが、佐鳥が懸念している事はおれにも当て嵌まります。……せめて"大人の誰かか、嵐山さんみたいに親も信頼出来る人が同伴なら"………そこまで気にしないのですが」
今まで中学生にしては遅い時間に帰宅しても"ボーダーの仕事や責務"の免罪符や"信頼に置ける嵐山の存在"があってこそ、親は特に何も言ったりはしてこない。たが今日は完全オフの日であり、柚紀の事は話題程度に話したりもしたが"自分にとって特別な子"とは明言していない。もし話していても"二人じゃなければ駄目な決定打"が今はまだないのが現状であり、"柚紀と会った事も会わせる機会がない"……まだその域に達していないのだから
そんな複雑な心境や状況を言実も分かっているらしく、電話先で"トントンと電話を叩く音のみ聞こえており"言葉を発しようとしない。コレがどう言う状態か分からず二人とも柚紀に視線を向ければ『電話している時に考察モードに入っているのを相手に伝える合図、……一種の癖かな?』と、感情表現が苦手な言実が発する"警告と同類のモノ"と二人が納得した所で《……仕方ないな》と、何か打開策を閃いたらしく何かを話し始める
《オフの嵐山を呼び出すのも忍びない故に、"それなりに頼り甲斐のある二人より年上の者"を派遣する。丁度身近に女子が居るし柚紀とも面識があるのと、……そのマンションの場所を知っても問題ないボーダー関係者だ。その二人が行くまで柚紀の側に居てやれ。……長居をしたいなら派遣した者を説得させてみろ、その位の交渉術を身に着けなければ"今後大変なのはお前達だと肝に銘じる事"だな……………そろそろヒナが呼びに来るから切るぞ(プツ……ツーツーツー…)》
『………………(…パッ、コロン)……何で、言実さんに言っちゃうのさ色々。今までだって、あの人にギリギリまで頼れない、……頼らない様にしていた事、何度もあったもん。……大切な時間を私のせいで無駄にしたくないし、させたくないから。これ以上、私のせいで、人生を棒に振らせたく、ないの。お父さんが居なくなって、里を出てからだって……何かと面倒を掛けっぱなしで…………だから、一人で寂しかったり、嫌な事があったり、辛いことがあっても……ずっと一人で頑張ってきた。どんな事があっても、"寝てしまえば"大抵の事は、何とかなった。だから、二人が帰っても、平気……だと思ったのに(…ヒック)何で、側に、居てくれるの?』
「(ナデナデ)……馬鹿は風邪を引かないとか言うけど佐鳥だって風邪を引くし、体調が悪くて身体が上手く動かせないとかダルかったり辛く感じる時ってさ、……人は誰だって誰かに頼りたくなったり甘えたくなるよ?(ナデナデ)佐鳥もそうです?!だからさ、…柚紀も素直に言っていいんだよ?一人になりたくないとか、側に居てって!!」
「(……ストン)ま、柚紀さんは自分の気持ちを吐き出せない事がまだまだあるから、いきなりは難しいかも知れない。でも、……おれ達に遠慮しなくて良いんだよ?駄目な事や嫌ならちゃんと意思表示するから平気。寧ろ…………君の事なら何でも知りたいよ?まだまだ知らない事ばかりだからさ」
「オレもオレも!!」
言実との通話が終わると拗ねたかの様に二人に背を向けて愚痴をこぼす柚紀。だが徐々に声音が涙声になっていく。……佐鳥が言った通り、具合が悪い時程一人は心細く感じるのもだが、この少女は孤独が一番嫌うのを二人も知っている。たがまだまだ知らない事ばかりなのも、今まで我慢癖と最近になって素直に感情に吐き出す事の板挟み……感情のコントロールもまだまだで、言実に依存しない様に自立しようとずっと頑張ってきた点や、特別な二人に何処まで甘えて良いか分からないと柚紀は口にする。それは電話時と今の発言が食い違っている事から二人は察する。…………なので、何度も自分の気持ちや考えを言おうと己自身で各自決めたのだ。時枝の場合は今みたいに"距離を縮める"的な行動も心掛けている。そうすれば柚紀は必ず答えてくれるし、少しずつ学習して身に付けれる。……それが二人が知る鶴ヶ峰柚紀と言う少女なのだから
さて、少し恥ずかしいが自分だけ横になったままは"行儀が悪い"と思い、ちゃんとソファーに座り一日オフで部屋から持ってきていた緑の星型クッションを抱き抱え二人をチラ見しつつ"訪問者と同伴者は誰だ?"と話し合う。推測ポイントは
・男性の方は少なくとも嵐山と同じ歳かそれ以上の人物で、柚紀と知り合いであり言実との信頼関係は良好
・側に女子が居ても不思議じゃない人であり、下手したら二人ともマンションに来るのが初めての可能性もあり
それらを当て嵌まる人物候補として諏訪を筆頭に太刀川や木崎に、後は何故か来馬の名が上がる。他にも知り合いの隊長達では?(那須以外で、同伴者候補も各隊のオペレーター。但し二宮は何故か加古)の意見が出た。……迅の名が出なかった理由は、具合が悪い時に"サイドエフェクト持ち"が側に居たら影響が未知数な事や、候補に上がらなかった人とそこまで信頼関係を築けて居ないと柚紀が認識していない点に加え【頼りになる存在=隊長ポジション】と【ある程度同伴者と一緒に居るイメージが柚紀にはない】人は自然と除外されていた。来馬の場合は少し特殊扱いだが説明は割愛
そんな事を話していると訪問者を報せるチャイムが鳴り、インターホンで相手を見た二人は……驚きや戸惑いつつとりあえず招き入れる為に玄関に移動をする。その相手とは……