後夜祭の舞踊
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それから烏丸が待っているお店に到着したが、どうやら今日は定休日だったらしく看板は出ていなかった。このまま中に入って大丈夫か躊躇していると、烏丸がドアを開けて二人を招き入れる。そしてクラッシックの曲が流れている店内にはマスターと従業員しか居らず、そのマスターは誰かと電話をしていたのだが二人が来店したタイミングで丁度話が済んだ様子。そして「いらっしゃい、わざわざお呼び出しして済まないね」と話しながら近づいてくる
「こんにちはマスター!えっと……従業員だけだからとりまる呼びで大丈夫かな?………コイツに呼ばれて来ましたが、もしかしてマスターが佐鳥達に頼みたい事があって呼んだ感じですか??」
「その通りです。彼はこの後にある"激安タイムセール"に出陣するので、頼み事をして貰うのが忍びなくてね。ですが……ウチの店は昨日が仕事納めで皆で大掃除をした後に私は暫く帰省でこの街を離れる関係上、傷まない内に約束の品をある人に届けたいのですが……所在地を私は知らないので」
「……つまり、おれ達や京介は知っている人への届け物…ですか?因みに……相手は?」
「ん?そうだね〜、彼女には"沢山の呼び名がある"からどれを使えば一番分かりやすいか悩み所だが……シンプルに"ボーダーの歌姫"と言えば、流石に君達なら分かるかな?」
「「!??」」
マスターの頼み事がまさか【柚紀にあるモノを届ける】だった事に驚きつつ何処か納得や安堵する二人。……個人情報である柚紀が本来住むマンションの住所をマスターが知らないのは当たり前であり、これで自分達とは別件でマンションを訪ねる口実が出来たのだ。……昨日の疲れが残っている可能性があるので訪ねて大丈夫か少し不安があったのもまた事実である。どちらにしろこの後、彼女のマンションに行かないといけなくなったので連絡する事に。ただメッセージを送ろうとした二人に「今日は何事も連絡するなら電話の方が良いって迅さんに言われたから、お前達も念の為そうした方が良いかもしれない」と烏丸に言われ……佐鳥の携帯で電話をする事に。但し、スピーカーで時枝も話が出来て向こうの声が聞こえる様にした状態で。そして数回コール音が鳴った後に
《すみません、お待たせしましたっ!!えっと……どうしたの賢くん、こんな明るい時間に電話とか珍しいね(ザーザーザーザー)》
「こんにちわ柚紀ちゃん!……もしかして掃除や家事の途中で手元に携帯が無くて焦らせちゃった?後……後ろから水が流れる音してるけど、放置して大丈夫?」
《あっ!?ちょっと待ってて!!(ザーザーザーザ- ピタッ -………ガタン)っしょ!……ゴメンね、今お風呂掃除をしてたの。それでえっと………賢くん、御用は何ですか?》
「……こんにちは柚紀さん。おれ達今丁度あの大木が目印のお店に来てるんだけど、マスターから君宛の届け物を頼まれちゃってさ………今からマンションに行っても良いかな?」
《ひゃっ?!!へっ?!とき、………充くんも一緒だったの?!ってか、えっ?……もしかしてスピーカーにしてる?わわわわっ!?だ、大丈夫??だって今、店内で電話してるよね?周囲のお客さんに居ない?迷惑になってない???》
電話先から聞こえてきた柚紀の声は疲労を感じさせるモノではなく元気で……色んな理由でかなり慌てふためいていた。そんな彼女を二人で冷静に諌めつつ「今日は試作品試食・試飲会でお店は閉まっていて、俺達も知らなかったんだけど、知り合いのよしみで特別に店内に入れさせて貰ったんだ」と通話内容が少なくとも全く知らない人に聞かれていない事に柚紀が安堵したのが電話越しにも伝わって来た。そして何やら一人考察に入る
《にしてもマスターからの届け物って何だろう?……新しいデザート案として言った"雪だるまをモチーフにしたスイーツ"が出来たのかな?それとも"蜂蜜は集めた蜜で味が全然違う"って言ってたから、ソレかな?後は"体質的に珈琲が駄目な人でも飲める種類がある"とも言ってたけど……「柚紀ちゃ〜ん、考えが口に出ちゃってるけど、大丈夫?」ふへっ?!!……また妙な癖付いちゃったな〜。学校が始まる前に何とかなるかな〜コレ。…………あっ、その……ぃ、色々中途半端と言うか散らかってるから、………一時間程片付ける時間が欲しいです。その後ならマンションに来ても平気だから!!……駄目かな?》
「……大丈夫、マスターからも滞在OKが出たから此処で時間を潰してるね。じゃあ、また一時間後に(…トン)………さて、賢。一時間ある事だし、お前には色々じっくり話をしなきゃいけないみたいだね(ニッコリ)」
「ヒイッ!!?………お、オテヤワラカニオネガイイタシマス、トッキーサマ(ツゥーー)」
タブレットの弊害が出てるのを佐鳥に指摘され、要改善と認識した後に条件を提示してそれを了承してくれたら訪問を許可すると柚紀は告げる。これを時枝がマスターが頷いたのを確認してから佐鳥に断りもなく通話を終了させる。それに対して最初反論しようとしたが、……相手が浮かべている"滅多に見ない笑み"を見て背筋が凍り冷や汗を掻く佐鳥。この後に体験するであろう"恐怖の質問攻めや説教"を回避すべく周囲を然りげ無く見渡すが、マスターを始めとした従業員達は何やら準備に追われており、一番の頼みの綱であった烏丸は「後は頼んだ。……俺はそろそろ戦場に行かないと出遅れてしまう」と言い残してそそくさと店を後にする。………誰の助けも借りれないと察した佐鳥は腹を括り時枝の"静かなる怒り"を受けて立つのであった
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それから烏丸が待っているお店に到着したが、どうやら今日は定休日だったらしく看板は出ていなかった。このまま中に入って大丈夫か躊躇していると、烏丸がドアを開けて二人を招き入れる。そしてクラッシックの曲が流れている店内にはマスターと従業員しか居らず、そのマスターは誰かと電話をしていたのだが二人が来店したタイミングで丁度話が済んだ様子。そして「いらっしゃい、わざわざお呼び出しして済まないね」と話しながら近づいてくる
「こんにちはマスター!えっと……従業員だけだからとりまる呼びで大丈夫かな?………コイツに呼ばれて来ましたが、もしかしてマスターが佐鳥達に頼みたい事があって呼んだ感じですか??」
「その通りです。彼はこの後にある"激安タイムセール"に出陣するので、頼み事をして貰うのが忍びなくてね。ですが……ウチの店は昨日が仕事納めで皆で大掃除をした後に私は暫く帰省でこの街を離れる関係上、傷まない内に約束の品をある人に届けたいのですが……所在地を私は知らないので」
「……つまり、おれ達や京介は知っている人への届け物…ですか?因みに……相手は?」
「ん?そうだね〜、彼女には"沢山の呼び名がある"からどれを使えば一番分かりやすいか悩み所だが……シンプルに"ボーダーの歌姫"と言えば、流石に君達なら分かるかな?」
「「!??」」
マスターの頼み事がまさか【柚紀にあるモノを届ける】だった事に驚きつつ何処か納得や安堵する二人。……個人情報である柚紀が本来住むマンションの住所をマスターが知らないのは当たり前であり、これで自分達とは別件でマンションを訪ねる口実が出来たのだ。……昨日の疲れが残っている可能性があるので訪ねて大丈夫か少し不安があったのもまた事実である。どちらにしろこの後、彼女のマンションに行かないといけなくなったので連絡する事に。ただメッセージを送ろうとした二人に「今日は何事も連絡するなら電話の方が良いって迅さんに言われたから、お前達も念の為そうした方が良いかもしれない」と烏丸に言われ……佐鳥の携帯で電話をする事に。但し、スピーカーで時枝も話が出来て向こうの声が聞こえる様にした状態で。そして数回コール音が鳴った後に
《すみません、お待たせしましたっ!!えっと……どうしたの賢くん、こんな明るい時間に電話とか珍しいね(ザーザーザーザー)》
「こんにちわ柚紀ちゃん!……もしかして掃除や家事の途中で手元に携帯が無くて焦らせちゃった?後……後ろから水が流れる音してるけど、放置して大丈夫?」
《あっ!?ちょっと待ってて!!(ザーザーザーザ- ピタッ -………ガタン)っしょ!……ゴメンね、今お風呂掃除をしてたの。それでえっと………賢くん、御用は何ですか?》
「……こんにちは柚紀さん。おれ達今丁度あの大木が目印のお店に来てるんだけど、マスターから君宛の届け物を頼まれちゃってさ………今からマンションに行っても良いかな?」
《ひゃっ?!!へっ?!とき、………充くんも一緒だったの?!ってか、えっ?……もしかしてスピーカーにしてる?わわわわっ!?だ、大丈夫??だって今、店内で電話してるよね?周囲のお客さんに居ない?迷惑になってない???》
電話先から聞こえてきた柚紀の声は疲労を感じさせるモノではなく元気で……色んな理由でかなり慌てふためいていた。そんな彼女を二人で冷静に諌めつつ「今日は試作品試食・試飲会でお店は閉まっていて、俺達も知らなかったんだけど、知り合いのよしみで特別に店内に入れさせて貰ったんだ」と通話内容が少なくとも全く知らない人に聞かれていない事に柚紀が安堵したのが電話越しにも伝わって来た。そして何やら一人考察に入る
《にしてもマスターからの届け物って何だろう?……新しいデザート案として言った"雪だるまをモチーフにしたスイーツ"が出来たのかな?それとも"蜂蜜は集めた蜜で味が全然違う"って言ってたから、ソレかな?後は"体質的に珈琲が駄目な人でも飲める種類がある"とも言ってたけど……「柚紀ちゃ〜ん、考えが口に出ちゃってるけど、大丈夫?」ふへっ?!!……また妙な癖付いちゃったな〜。学校が始まる前に何とかなるかな〜コレ。…………あっ、その……ぃ、色々中途半端と言うか散らかってるから、………一時間程片付ける時間が欲しいです。その後ならマンションに来ても平気だから!!……駄目かな?》
「……大丈夫、マスターからも滞在OKが出たから此処で時間を潰してるね。じゃあ、また一時間後に(…トン)………さて、賢。一時間ある事だし、お前には色々じっくり話をしなきゃいけないみたいだね(ニッコリ)」
「ヒイッ!!?………お、オテヤワラカニオネガイイタシマス、トッキーサマ(ツゥーー)」
タブレットの弊害が出てるのを佐鳥に指摘され、要改善と認識した後に条件を提示してそれを了承してくれたら訪問を許可すると柚紀は告げる。これを時枝がマスターが頷いたのを確認してから佐鳥に断りもなく通話を終了させる。それに対して最初反論しようとしたが、……相手が浮かべている"滅多に見ない笑み"を見て背筋が凍り冷や汗を掻く佐鳥。この後に体験するであろう"恐怖の質問攻めや説教"を回避すべく周囲を然りげ無く見渡すが、マスターを始めとした従業員達は何やら準備に追われており、一番の頼みの綱であった烏丸は「後は頼んだ。……俺はそろそろ戦場に行かないと出遅れてしまう」と言い残してそそくさと店を後にする。………誰の助けも借りれないと察した佐鳥は腹を括り時枝の"静かなる怒り"を受けて立つのであった